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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第1章、新しい日々の始まり
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1人で妖怪退治

結局、茜は一切刀の扱いが上達せずに、依頼の時間になった。

茜は少しの間仮眠を取り、そして、村の中腹、謎の辻斬りが出るという場所に行った。

不安しかない、大丈夫だろうか、俺は何か娘を心配する父親の様な心境だった。


「大丈夫か・・・不安しかない」

「うーん、確かに気になるよね~」


今日も花木は四宮神社に泊まっている。

いや、それは良い、それよりも問題は茜の方だ。


「うーん、ここら辺だよね・・・ふぁ~・・・やっぱり眠いや」


私は村に現れたという謎の辻狩りを止めるために今、村の中腹に来ている。

普段から毎日来てる村なんだけど、夜はやっぱり雰囲気が違う。

暗くて、少し怖いな・・・でも、圭介様に頼ってばかりはいられない。

今日は、私1人でも妖怪だろうと妖刀だろうと退治できるって証明しないと!

圭介様を安心させたいし!


「どこにいるんだろう」


だけど、さっきからずっと周りを見ているんだけど、妖刀どころか

人が1人もいない、時間は丑三つ時だし、当然なんだけど・・・


「うーん、いないなぁ・・・今日は来ないのかな・・・」


私がそんな事を考えていると、奥の方から1人の女の子が現れた。

こんな時間に1人なんて、妖しいなぁ・・・あ、私もだった。


「あの、何でこんな時間に歩いてるの?」


少し不審に思ったけど、もしかしたら迷子の女の子かもしれないから

私はその女の子に話しかけてみた、しかし、女の子は何も話さない。


「あの、ちょっと!」

「・・・」

「何か答えよ!」

「・・・お姉ちゃん」

「へ?」

「後ろ、危ないよ」

「え?」


私がゆっくりと後ろを振り返ると、目から血を流して、大きく口を開け

そして、大きな刃物を持ったおばあさんが襲ってきた。


「きゃーー!!」


私は反射的に身を引き、そのおばあさんの刃物をギリギリで回避できた。

でも、その・・・驚きすぎて、少しだけ漏らしちゃった・・・少しだけだよ!


「あ、あぁ・・・」

「お姉ちゃん」


今度は後ろから女の子の声が聞えた・・・

その声は、凄く低くて、恐ろしい何かを感じた。

私は駄目だと分かっていても、つい後ろを振り返っちゃった。


「ア・ハ・ハ・ハ・ハ!」

「!!」


声が出なかった、そこにはおばあさんと同じように目から血を流し、大きく口を開け

血だらけの着物、そして、目は黒く、何もない女の子が私の服の袖をがっちり掴んでいた。

急いで逃げようとしたのだけど、女の子の力が強く、引きはがせない。

それに、私の足はがくがくで、もう、動けそうにない・・・


「け、圭介様ーーー!!!!」


私はようやく出せる様になった声で、大きく圭介様の名前を呼んだ。

反射的な物だった、頭で考えるより先に口に出た感じ・・・

でも、圭介様は神社にいる・・・来るわけ無い・・・私は涙が止まらなかった・・・


「私の可愛い妹をいじめないでくれる?」


耳元から女の人の声が聞えた。

その人はあの老婆の幽霊と少女の幽霊を簡単に消してしまった。


「あ、あぁ・・・お、ねぇ・・・ちゃん・・・」

「おはよう、いや、こんばんわかしら?あなたの声で目が覚めたわ」


睦月お姉ちゃんだった、すっかり忘れてた、お姉ちゃんは私に取り憑いてたんだよね。

だから、いつも一緒に居たんだ・・・


「うぅ・・・うぅ・・・」

「泣かないの、全く幽霊に取り憑かれてるのに幽霊が怖いなんてね」

「だって、だってぇ・・・」

「泣くのは後よ、さて、依頼のターゲットよ」

「へ?」


お姉ちゃんが向いた方向を見ると、そこには妖しく光る刀を持った女の人が立っていた。


「あ、あの刀は・・・」

「あんな妖しい光を放てるのは妖刀くらいでしょう」

「やっぱり妖刀の仕業だったんだ」


私は圭介様に渡された刀を鞘から抜いて、構えた。

凄く重たい・・・頑張って素振りをしたんだけど、それでも重たい。


「巫女か・・・ふ、巫女の血は美味いのだろうかね」

「あ、あなたは!?」

「私?私は妖刀とでも言おうか・・・それにしても、面白い刀を持っておるな」

「し、四宮の神様の刀です!これで、あなたを退治します!」

「ふ、あははは!ばかばかしい!私を退治するだと?その震えてる足で?

 剣先で?ふ、たかだか下等な幽霊如きに泣かされていたガキに何が出来る?」

「う、うるさい!た、確かに私は子どもだけど、でも、四宮の巫女!

 人に迷惑をかける妖怪は退治します!てりゃーー!!」

「ふ、よぼよぼの足で頑張るな」

「えい!」


私は重たい刀を何度も何度も振ったけど、妖刀の妖怪には1回も当らなかった。

全部簡単に回避されて、まるでおちょくられてるようだった。


「てい!っと、ぐ、てい!」

「は!刀を1回振るたびに刀に引っ張られているぞ?そんなのでは当らない!」


くぅ・・・刀、重たいよ・・・お姉様はこんな重たい物をあんなに軽々と振り回してたなんて・・・

やっぱり、私は戦いの才能が無いのかも・・・


「くぅ」

「ふ、これが人間の守護者である四宮の巫女の力か、雑魚ではないか」

「うぅ・・・な、なんであなたは人を襲うの!」

「何だ?説得でもしようというのか?」

「答えてよ!」


私はせめて説得できればと思い、この妖怪の話を聞くことにした。


「ふ、良いだろう、答えてやる、それは、私が人間の天敵になるためだ」

「天敵?何を言ってるの?」

「全ての生き物には天敵が必要なのだ、しかし、人間にはそれは殆ど無い。

 我々妖怪が人間の天敵となるべきだというのに、最近の妖怪は人間を襲わない」

「良いことじゃないですか!」

「だが、天敵がいない生き物は滅ぶ、自分たちで殺し合ってな」

「どういう意味ですか?」

「分からぬのならよい」


妖怪は再び刀を構えた、説得したかったけど、説得だ出来なかった。

殺されちゃう、私がそう思ったとき、何処かから声が聞えてきた。


「まぁ、待ちなって、その子はあたしの友人なんだ、殺されちゃ困るよ」


久里さんの声だ、久里さんが家の屋根に座っている。


「化け狸か、邪魔をするな」

「そうはいかないんだよね、さっきも言ったけどその子はあたしの友人」

「ふん、妖怪の癖に、巫女の肩を持とうというのか?」

「まぁね、あたしはどっちかというと人間よりだからさ」

「ふん、妖怪の面汚しめ!貴様から殺す!」


妖刀の妖怪は久里さんに一気に近寄っていった。

久里さんは一切動かない、もしかして、速すぎて動けないのかも!


「久里さん!」

「死ね!」


妖刀の妖怪の攻撃は久里さんに当った、でも、音がおかしい。

まるで木の何かを斬ったときの音のような、そんな感じ。


「な!」


久里さんがいた場所には木材があり、久里さんの姿はなかった。


「あはは、こっちさ」

「ち!」


久里さんはあの妖刀の妖怪の背後に立っていた。


「いつの間に!」

「流石は化け狸の頭領ね、流石のテクニックね」

「ふん、小細工を、次は当てる!」

「おっと、怖いね、でも、時間切れだよ」

「何を馬鹿なことを」

「ほれほれ」

「ん?な!」


私は妖刀の妖怪が振り向いた方向を見てみた、するとそこには圭介様がいた。


「茜!大丈夫か!?」

「圭介様!」

「クソ!四宮の神か!分が悪い!」

「ち、逃げやがったか」

「圭介様!こ、怖かったですよーー!!」


俺が到着すると、いきなり茜が俺に抱きついてきた。


「心配したぞ?それと茜」

「何ですか?」

「何か、お前の足、濡れてるんだけど?」

「へ?・・・あ、あぁーーー!!!」

「何だ!」

「な、なな、何でもありしぇん!!」


茜は明らかに動揺を見せた。


「・・・もしかして、も」

「違います!漏らしてません!もし漏らしたとしても少しですから!」

「あ、あぁ、そうだよな、お前が漏らすわけ無いよな、は、はは」

「そうですよ!」


茜は顔を真っ赤にしていた・・・こいつ、隠し事とか苦手だろう。

それにしても、あいつを逃がしたのは失敗だったな。


「・・・あの幽霊・・・何者だったのかしら?」

「どうした?」

「少し気になることがあってね、まぁ、それは神社で話すわ」

「ん?分かった」


俺達は神社に戻った、茜は今は風呂だ、何か怖いからと行って

俺と一緒に入ろうと言っていたが、睦月の話しも気になったので

折角神社に泊まっている兎が居たので花木と久里に一緒に入って貰った。

さて、睦月の話ってのは何だ?気になるな。

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