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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第11章、更なる上を目指して
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料理修業

時江がこっちに来て1週間が経過した。

時江はあれから毎日の様に自分の御園神社からやって来ている。

毎日こちらに来ている理由は…まぁ、あいつらの修行だ。


「はい、と言う訳で今日もお料理の修業を始めます」

「はい!」


時江は料理の神、こっちにも料理を上手くなりたいという奴は多い。

実を言うと、俺も料理を教えることが出来る程に実力はあったりする。

一応は全能の神、他の神に何かで見劣りすることは無いようだ。

個人的には料理が得意だとか、料理が好きだとか、そう言うのは無いのに

知識はいつの間にか付き、感覚も無意識のうちに料理を最高の物にする。

その感覚が、御園神社が結界内に入ると同時に激しく成長した感覚がある。

御園神社が結界の範囲内に入ったことで、御園神社の信者達の憧れが

そのまま俺の能力に影響を与えたと言う事なのだろう。

全く、出会っても無い、存在すら知られていないというのに

その信者達の憧れに瞬時に影響され、料理の腕が上がるとはね。

こうなると、結界が穢れを払われた空間では無く

俺の能力の影響範囲が広がってる、と言う風にしか思えん。

無駄知識も、礼奏神社が範囲内に入って一気に増えたし、便利な物だ。


「あたいも料理を作る!」

「うちも頑張るわ」

「…あの2人が料理に興味があったとは意外だね」

「修行って言う事にしたら、結構あっさり食い付いたわ。

 と言うか、今更なんだけどわざわざ時江がこっちに来て

 料理を教えるより、あなたが教えた方が早いと思うのよ

 全能の神でしょ? あらゆる面で私達より上なんだし」

「物を教える立場の人間が教える事柄に対し、さほど興味を持ってないとして

 それで知識を与え、教えを説いても、教わる側は楽しくも無いし、成長もしない。

 それなら、例え下手でも、その事柄に対し情熱を持ってる奴が教える方が良いだろ?

 その方が、教わる方も楽しいし、覚えるからな」

「でしょうね、教える事柄に興味も無い天才が教えるのと

 教える事柄に熱意を持った凡才では、後者の方が良いでしょう。

 名選手が名監督になれるとは限らない物です」

「何よその例え、名選手って何の?」

「野球です」

「…聞かないわね、野球」

「ベースボールです」

「余計分からないわよ! 何それ!」

「俺がくたばる前の世界にあったスポーツ…まぁ、運動だな」

「へぇ、そんなのがあるのね、あなたが死ぬ前ってのは結構色々あるのね」


しかし、流石は叡智の神、俺が知ってる事も知ってるってのは面白い。

一応、これなら会話も出来るし、悪くないかもしれんな。

とは言え、こいつとサシで話をするのはあまり好ましくないけど。


「さて、その前に今回はうちの巫女を紹介するね、ほら、挨拶」

「は、初めまして! 時江様に仕える巫女、御園みえん 里香りかです!」

「よろしくね!」

「は、はい…!」

「…巫女って同じ年齢が多いな、何でだ?」

「ほら、神々の戦いがあったから、その影響よ」

「そこら辺はあまり知らないが、どう言うことだ?」

「神々の戦いで、大体の巫女は力を失いましたからね。

 1度、神の加護が完全に消えたので」

「で、神の力が復活し始めたのが同時期だったって事か」

「はい、それで巫女も同時期に生まれたと、だから似た年齢なのですよ」

「じゃあ、案外、葵や水菜は珍しいんだな」

「葵さんが実力上位で仕えていた神が強大だったから。

 水菜さんは一応、上位の神に仕えている巫女であり

 更に実力が相当上位だったからでしょう、戦いに特化した巫女ですしね」

「私の力が強大だったのね…正直、自覚無いけど」

「そもそも、巫女が復活した神社は言わば最高幹部ですしね。

 それ以下の神は存在も巫女も影響力も何もかもを失ってます。

 私達の実力は例外なく最上位程ですよ、圭介さんの場合は最高幹部所か元締めですが」


一応は主神、元締めと言うのはその通りなのかもしれないが、少し響きがな。


「しかし、元締めでは響きもあれなので、ここは帝王としましょう」

「も、元締めから一気に位が上がった感じがするわ」

「何か荷が重いって、それ」

「いやいや、荷が重いというか、人の帝王と神々の帝王では格が違いすぎます。

 神々の帝王からしてみれば、人の帝王など少し邪魔だなと感じるだけで滅びます」

「恐いな!」

「恐いというか、そもそもですよ? 私達は神ですよ?

 その気になれば、いや、ならなくても、私達最高幹部連中でも

 人の帝王如きなら、あ、こいついらね、と思うだけで滅びます」

「神ってのは…随分と強大で恐ろしいな」

「いやまぁ、強大なのは認めるけど、正直あなたの方がよっぽどよ?

 自然災害所か、世界を滅ぼすことも容易に出来る神だからね」

「うへぇ、能力が高すぎて恐いっての」

「まぁ、そうならないために巫女である茜さんが居るわけですが。

 …今更ですが、四宮の神を降ろせる巫女は初めてですよね」

「そう言えばそうだったわね、四宮の神を降ろせる巫女って

 今の今まで出ていないんだっけ、下手したら、降ろそうと思っただけで死ぬとか」

「恐いんだが!?」

「それだけ強大な存在だと言う事です…その強大な存在を

 その身に降ろせる茜さんも正直、化け物ですけど…

 下手したら、私達よりも位が上なのでは…?」

「そ、それは困るわね…」


いや、それは流石に無いと思うが、でもあの話が本当なら

茜って相当な力があるんだな、だが、時雨の予想では

俺がこっちに来た理由、四宮の神が復活した理由は茜…なんだよな。

主神である、四宮の神を復活させることが出来る程の才能がある茜なら

才能の塊…将来的にどうなるか分からない感じ…だが。


「それじゃあ、まずは包丁の持ち方を再確認!」

「はい、えっと、こう!」

「よろしい、流石茜」

「はい、出来ました」

「里香は毎日だし褒めることは無いか」

「ほ、褒めて欲しいんですけど…実際その通りですしね…」

「キキも出来ましたのじゃ!」

「持ち方が危ないって! 見せるからちゃんと真似して!」

「うぅ…」

「はは、ざまぁないな」

「何!? 貴様ぁ!」

「喧嘩しない、キャンも持ち方下手だからおあいこだからね?」

「う…は、はい…」

「ぷぷー、ざまぁないのじゃ」

「ぐぬぬぅ…」

「は~い」

「ど、独特な持ち方だね…だけど、危なそうではないし…

 へ、下手に癖を正すというのも駄目だし、ここは許そうかな」

「包丁無くても良いと思う! あたいならこの短刀で!」

「包丁を使いなさい! 短刀は危ない!」

「うちは素手で出来そうやな」

「道具を使え-!」

「…これ、料理に行き着けるか不安なんだけど…はぁ」

「だ、大丈夫ですよ師匠…多分」


こうやって見ると、茜にそんな世界規模の才能が眠ってるようには見えないがな。

何処にでも居る、普通の女の子に見える…きっと、それが1番良いだろうが。


「大丈夫かしら」

「大丈夫だと思いまふよ、んー、少し硬いですね」

「叡智の神が寝転がって煎餅を食べながら喋るな。

 ここは畳だ、煎餅の破片が落ちたらどうしてくれる

 掃除するのは面倒なんだぞ?」

「いやいや、掃除してるの茜さんでしょう?」

「いや、掃除とかは俺もやってるぞ? 茜も1人しか居ないからな。

 用事があるときも多い、その時は俺が炊事やら洗濯やらを全部する」

「…ぜ、全能の神、随分と庶民的ですね…まさか巫女は召使いでは無いと」

「俺は1度だって、巫女である茜を召使いと思ったことはない。

 ずっと大事な娘だと思ってる、だから、しっかり躾もしてきたんだからな」

「あ、茜さんのお行儀が良いのは圭介さん直々の教えでしたか…通りで」

「ただ、あそこまでの気遣いを教えたつもりは無いけどな」

「あれは、最初から茜がそう言う子だったって事でしょうね。

 小さい頃は、能力があまりない勉強段階だったから

 積極的な行動が出来なかったけど、能力が付いてきたから

 自信を持ってガンガン行動出来るようになったという感じでしょうね」

「性格なんて、他人には分からないからな」

「心を読めれば分かるのでは?」

「それは反則に近いからしない」


それを使った会話は交流では無いからな、心桜達悟り妖怪には悪いが

心を読んでのコミュニケーションは、コミュニケーションとは違うと思う。

一方的な押し付けに近いような、そんな感覚がある。

あいつらも欲しくて手にした能力じゃ無いんだろうけどな。


「それじゃあ、料理の基本を教えるよ!」

「やっと食材を切れるんですね!」

「今までずっと道具の持ち方とかばかりだったから…」

「時江様! 本当ですか!? やっと私に食材の切り方を!」

「今まで教えて貰ってないの!?」

「ふ、あっまーい! 道具を扱えるようになっただけで

 食材を切れるはずも無い! まずは食材の気持ちを知りなさい!」

「え? えぇええ!!」

「おぉお! ち、小さくなるぅ!」

「食材の気持ちなんて、嫌になるくらい知ってるよぉ~!!」


……ま、まさか茜達を小さく出来るとは…何をする気だよ……

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