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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第1章、新しい日々の始まり
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目覚めたもう1匹の妖精

恐らく植物の妖精のサラ、多分土の妖精の四季を新しく迎え、少し経った。

ずっと眠っていた四季が目を覚ました。


「ん・・・ここは何処かな?」

「あぁ、起きたか、ここは四宮神社だ」

「四宮神社・・・あ、あぁ!神様!」

「ん?俺が神様だって知ってんのか?」

「はい!もちろん!もちろんです!」


四季はもの凄く元気だ、と言うか、どうやらこの子の方は記憶があるみたいだ。

と言うことは、サラの事も知ってるのかもな。


「ふむ、じゃあ、お前の事、聞かせてくれ」

「はい!」


四季は嬉しそうに自分の事を話し始めた。


「私は土の妖精です、実はこの神社の境内の土から生まれました!」

「ふむ、やっぱり妖精か」

「はい!あと、私の上に生えていた植物も同時に妖精になったと思うんですけど・・・」

「ばぁ!」

「ひゃーーー!!」


四季が少し周りをキョロキョロしている時に、後ろからサラが大声で驚かせた。

まぁ、気が付いてなかったようで、四季は思いっきり驚愕していた。


「あ、起きたんですね、その子」

「あぁ」

「あはは!!そんなに驚かないでも良いのにね~」

「いきなり後ろから大声を出されたら驚くだろうさ」

「あれ? 茜はそこまで驚かないよ?」

「そりゃあ、いつも後ろに幽霊を連れてたらな」

「もう慣れました!」


睦月が憑いてから、最初の頃は茜は良く驚いてた。

それが今では一切驚かなくなっている。

成長を感じるな。


「び、ビックリしたぁ・・・」

「災難だったな」

「うぅ・・・いたずらっ子の妹を持つと大変なんですね・・・」

「お?え、何?あたしはあなたの妹なの?」

「そうだよ、あなたは私の妹、同時に生まれたけど、土だった頃に私はあなたを養ってきたし」

「土?あんた何言ってんの?あんたは妖精じゃん」

「うーん、妖精は元は自然その物なんだよ?まぁ、あなたは覚えてないだろうけどね」

「???」


何だろう、この姉妹、姉は非常に優秀なのに妹は馬鹿って、それとも姉が異常なのか?

よく分からないが、まぁ、今のところは良いか。


「うーん、なんだかよく分からないけど、分かった!あたしはあなたの妹なんだね!」

「うん、そうだよ」

「分かった!これからよろしくね!お姉ちゃん!」

「うん!」


とりあえず、俺達は2人に自分たちの名前と彼女らの名前を教えた。

どうにも、四季の方も名前は無いそうで、俺の付けた名前を受け入れてくれた。


「それで、お前らはこれからどうすんだ?」

「どうするってどういう意味ですか?」

「家だよ、住むとこが無いと不便だろ?」

「うーん、私達はまだこの場所でしか存在できないんですよね」

「どうしてだ?」

「神社は神様のお陰で穢れが殆ど無いので大丈夫なんです」

「でも、神社の外はまだ穢れが充満してるって事だよね~」

「はい、だから、神社の外には出られないんですよ」


うーん、と言うことはだ、こいつらは今は俺の周りでしか存在できないのか。

妖精ってのは不便だな。


「と言うことはだ、この周りでしか過ごせないって事か」

「そうなりますね」

「よく分からないけど、つまり!あたしは神様の近くにいれば良いんだね!」ペタ


そう言うと、サラは俺に張り付いた。

何か、良い香りがする、植物の妖精だってのがよく分かるな。


「何引っ付いてんだよ」

「近くにいないと消えるらしいから!」

「こんなに近寄らなくても良いだろ?」

「そうなんだけどさ、もうちょっとこのままいさせてよ!」


何でまた・・・まぁ、良いか。


「しかし、まぁ、こいつは何処の植物だよ」

「私の記憶が正しかったら、神社の裏の植物だったはずです」

「あぁ、あの植物達か、毎日水をやってただけはあるな」


この神社の裏には2年前から生えている珍しい植物達がある。

まぁ、最初に育てようと言ったのは茜で、世話は俺がしてたな。

もしかして、それで懐いてるのか。


「うーん、神様って暖かいんだね」

「人間も暖かいぞ?」

「確かに!茜ちゃんも暖かかったね!」

「だから、離れてくれないか?」

「もうちょっとお願い!」


うーん、何で俺は子どもにもてるのかね、まぁ、世話はするが。

いや、動物にも懐かれてたな。

そうして、しばらく経ち、サラはようやく離れてくれた。


「ふぅ、ようやく」ギュウ


サラが離れてすぐに、今度は茜が抱きついてきた。


「何だよ」

「いや、その、羨ましくて・・・」

「ふぅん、そうか」

「じゃあ、ついでに私も膝に座るよ~」ボン!ぴょん、すと

「おぉ!スゲー!兎だ!お姉ちゃん!人間が兎になった!」

「サラちゃん、あの人はどう見ても妖怪だよ、兎の耳が見えてたし」

「じゃあ、折角だ、あたしも乗ってみようかね」ボン!トットット、ペタ

「おぉ!今度は狸だ!スゲー!」

「本当に、この神社は妖怪が多いですね」

「人間も来てるから問題ない」


実際、この神社は妖怪が沢山来る、まぁ、人間も結構来るし問題は無いがな。

あぁ、それと、こいつはここの境内の土だから色々と知ってんのか。


「なぁ、もしかして、この神社の先代とかも知ってんのか?」

「いいえ、私が記憶があるのは3年前までです」


3年前か・・・ふむ、俺がここに来た頃の記憶しか無いのか。


「だから、花木さんが兎鍋にされそうになった時も知ってますよ」

「おぉ、あの時から意思があったんだね~」

「はい!」


ふーん、その頃か・・・じゃあ、先代の話は聞けそうに無いな。

もしかして、俺がこっちに来たときと同時に意思を持ったのかもな。

さて、とりあえず重いな、でも、暖かいな、肌寒いこの時期に丁度良いぜ。

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