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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第11章、更なる上を目指して
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久し振りの山童の里

茜の体調不良も回復し、丁度生理も終了した。

茜も万全な状態に戻り、早速修行開始、と思ったが

ここである約束を思いだした。

耶麻との約束だった、あの時約束して

かれこれ1週間以上は経過している。

そろそろいかないと怒られるかもしれないな。

それはちょっと困るし、俺達は山童の里へ向った。


「何だか久し振りですね、ここに来るの」

「そりゃそうだろ、挨拶回りをした後、殆ど来ちゃいないし」

「あはは、だから耶麻ちゃん、あんなに怒ってたんですよね」

「そうだな」


今回は茜と俺の2人だけでやって来た。

キキ達も一緒に連れて行こうかとも思ったが

あいつらは丁度喧嘩をしてダウンしたからな。

タイミングが悪いとしか言えないがな。

今回は俺が作ったお菓子のキャンの分をキキが食べてキャンが怒った。

キキは珍しく咎を認め、何度も謝った。

その時にキャンが、え? お前謝れるんだ、とか言ったせいで

キキも怒って喧嘩になった、まぁ、キキが根本の原因ではあるが

キャンも相当悪い、そこは素直に謝罪を受入れれば良いのに。

で、刀子は鍛冶の仕事で動けず、サラと四季は遊びに出ていた。

葵と藜は四宮神社では無く、葵の家で過ごしてるからな。

となると、もう俺と茜しかいないわけだ。


「わぁ、何だか懐かしい、でも、前に来たときはもう少し広かった気が…」

「成長したんだよ、子供の頃に歩き回って広いと感じた場所が

 大人になって歩いてみたら何だか狭いと感じるんだよ。

 視線も高くなるし、1歩1歩が子供の時よりも広くなってるからな。

 だからそんな風に感じる、ごく自然な事だよ」

「そうですね…ふふ」

「どうした?」

「いえ、昔の事を思い出しました、耶麻ちゃん達、あの時は本当に攻撃的で」

「う、うるさい!」

「お、噂をすればだな」

「も、もう! 来るの遅い! 私達がどれだけ待ってたか! あ、待ってないけど!」


あの耶麻も随分と丸くなった物だ。


「あ、圭介! 来たんだ!」

「へぇ、香奈も来てるんだな」

「うん! 耶麻ちゃんと私は親友なの!」

「ち、違! し、親友じゃ! た、たまたまで!」

「え? し、親友じゃ無いの…?」

「あ、あぁもう! そうだよ! 私とお前は親友だ!」

「わーい! 耶麻ちゃん大好き!」

「わぁあ! 抱きつくなぁあ!」

「ふふ、仲良しさんですね」

「そうだな、河童も山童も根本は同じ、仲が良いのは当然か」

「と、とにかく! 来たからには歓迎してあげる! 感謝しなさい!」

「ありがとうね、耶麻ちゃん」

「うぅ! 良いから来い!」


本当、前まであそこまで好戦的だった耶麻が

今じゃこれだ、茜の影響なのか、本当に凄い。

とりあえず俺達は耶麻に案内されて、耶麻の家へ移動した。

そこには小さなおもちゃ、だるま、こけしと子供の遊び道具が転がっていた。

部屋の真ん中には無造作に置かれているサイコロと双六があった。

駒は既に両方ゴールしており、終わった後片付けていないと言う事が分かる。


「げ! 双六置いたままだった…」

「私が勝ったの!」

「あ、あそこで1が出なければ私の勝ちだったんだ…」

「あそこで6が出なかったら私は負けてたよ」


かなりギリギリの勝負だったんだな、そのギリギリの勝負を

辛うじて香奈が制したと言う事か。


「よし、こうなったらもう1戦だ! 今度は圭介と茜を混ぜてやる!」

「おー!」

「え? 私達もやって良いの?」

「勿論だ!」

「まぁ、良いけど…しかし、双六なんて相当久し振りな気がするな」

「そうなのか?」

「まぁ、この年になって双六だとかしないだろ」

「圭介って何歳なの?」

「あー…んー…どうかな、よく覚えてない」

「えへへ、そうなんだ」

「まぁ、妖怪も神も長寿だしな、年齢とかいちいち覚えちゃいないか」


まぁ、実はある程度覚えているんだが、正直実年齢を言っちゃうと

神だというのにまだ3桁行ってないし、舐められそうだからな。

下手したら耶麻と香奈の方が年上だという可能性まであるわけで…

それは中々に嫌だからここは何も言わず我慢だ。


「それじゃあ、始めよう!」

「おー!」

「双六、初めてやるかも知れません」

「四宮神社には無いからな、双六」

「そうなの? なら色々と教えるね!」

「うん、お願いね」


茜は双六の大まかなルールを聞いて双六を始めた。


「うげ! 1回休み…」

「耶麻ちゃん1回休み多いね」

「うるさいうるさい! お前は進む所にばかり行きすぎだ!」

「私よりも茜の方が凄いよ」

「えっと、駒を移動…あ、一気に進めました」

「本当、強運だな、茜は」


とまぁ、そんなこんなで結果順位は茜が1位、俺が2位、香奈が3位、耶麻が4位だった。

運要素が多いと、安定した結果は出せないが、正直遊びにそんな物は求めない。

決着までを含め全てを楽しむのが遊びという物だ。


「ま、また負けた…」

「耶麻ちゃん、今日は運が悪いのかも」

「うぅ…でも、まだまだ! 3回やればきっと勝てる!」


で、3回目の結果は香奈が1位、俺が2位、茜が3位…香奈が4位。


「ガハ! ……さ、最悪…」

「や、やっぱり今日は運が悪いのかも?」

「そ、そんな事無い! 今日は圭介達も香奈も来てくれたし幸運なんだ!」

「あ、私達が来て嬉しかったんだ」

「な! ち、違うし! そんなんじゃ無いし! むしろ運が悪いし!」

「ふふ、素直になったら? 耶麻ちゃん」

「違うもん! う、嬉しくなんか無いもん!」


顔を真っ赤にしてそんな事を言われても説得力はあまりなかった。

本当に丸くなったな、刺々しいあの時と比べると。

今の可愛く意地を張ってる耶麻を見て、何だか微笑ましい気持ちになった。

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