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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第11章、更なる上を目指して
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やる気の塊

茜と水希がしばらくして目を覚ました。

お互いに結構な怪我をしたと言う感じだな。

茜は少しお腹が痛いらしく、水希は肩が痛いそうだ。

そりゃまぁ、茜はあの最後の一瞬で水希の全力の一撃を受けて

水希は茜の全身全霊の反撃を思いっきり肩に受けたわけで

一応、治療はしてあるから大事は無いけど。


「うぅ…お腹が痛いです…」

「そりゃあ、あれだけ思いっきり殴られたら腹も痛くなるだろ」

「え? 私、あれ殴られたんですか? 短刀で何かされたのかと」

「殴られたんだよ、水希はあの一瞬で自分の最大の攻撃をお前に叩き込んだ」

「最大の攻撃が拳って…流石水希ちゃんですね」

「まぁ、あんな細い模擬刀じゃ、水希の力にゃ耐えられないだろうしな」

「それもそうですね、私の方は大丈夫でしたけど」


普通なら折れないだろうけど、水希の怪力だと折れそうなんだよな。

でも、あの模擬刀、茜の一撃を防げる程に頑丈だし折れないか?

いやいや、それでも曲がりそうだな、と言うかそう考えてみると

そんな強烈な力がある水希の一撃を腹に食らって痛いですんでる茜は相当頑丈だな。

まぁ、水希もなんだけどな、

茜の全力の一太刀を肩に食らっておきながら痛いですんでるし


「でも、今回でハッキリしました! 私はもっと強くならないとって!

 水希ちゃんには負けませんよ! もっと成長するんだから!」

「大した向上心だな、本当に」

「水希ちゃんと戦って、私に足りない物も分かりました。

 どうやら私は相手がころころ変ると弱いみたいです」


いやまぁ、1人を相手にしてるのに相手がころころ変るという表現は

色々とおかしいけど、事実水希はそれと同等な事をしたしな。

と言うか、そんなにころころ変る相手に対して、茜は殆ど対応してた訳だが

それでも自分では弱いと感じるって、何か凄いな。

普通は相手が何度も変わったら苦戦するって。


「それと、やっぱり一撃がまだ弱い気がします」

「そうだろうな、そこが大きいだろう」


茜の一撃は確かに鋭く正確なのだが力がまだ足りていない。

女の子にしては十分過ぎる程にあるとは思うが

妖怪とかを相手にする関係上、力はもっとあった方が良いだろう。

そしてまた不思議なのが、茜も水希も腕が細いんだよな。

相当鍛えてるはずなのに不思議な物だ、何処にあんな力がある。

イーリアとかもそうだけど、見た目って本当に役に立たないな。


「どうすれば攻撃力を上げられると思いますか?

 力を付けるのは確定として、他に何か要素があります?」

「急所を狙えば良いと思う」

「きゅ、急所ですか…」


茜はその気になれば急所を狙うことは造作ないだろう。

隙を突けば大体の相手の急所を付ける。

動きを読み、捌くのも得意で反撃も得意なのだから

その反撃で急所を狙おうとすれば狙えるはずだ。

だが、茜の性格上それは難しいだろうというのが予想できる。

しかし、一応は言ってみた、茜が受入れてくれれば攻撃力は格段に上がる。

事実最後の一撃だって、茜は肩を狙っていた、茜ならあの瞬間に

急所を狙うことだって出来ただろうに、肩を狙った一撃を仕掛けた。

でもま、急所を狙う、手加減を完全に捨てるというのは無理だろうけど。


「まぁ、水希と戦ってる時にするのは不味いけどな。

 最悪死ぬぜ、急所を狙って立ち回ってたら」

「危ないですもんね、流石に急所は」


水希なら上手く躱しそうだけど、最悪が恐いからな。


「でもつまり、もっと正確な攻撃を心がければ良いと言うことですね!」

「そうなるかな、お前は反撃を最近始めたばかりだからか

 反撃の瞬間に少し遅れがあるし、手加減をしてしまってるだろう。

 最後の一撃は全力で叩き込んでいたが、普段は違う。

 もっと早く打ち込めた筈なのに遅くなって捌かれる事が多かったしな」

「はい、でもやっぱり若干の恐怖心がありまして」

「気持ちは分かる、下手したら相手に大怪我を負わせてしまうわけだからな。

 と言う訳でだ、これから訓練をするのは基礎体力作りと反撃の練習だ」

「手心を加えないようにする訓練…ですか?」

「違う違う、自信を付ける訓練だ、自信さえ付ければ

 お前の反撃はもっと鋭くなるはずだからな」

「は、はい!」


とは言った物の、どんな訓練内容にするかはまだ未定だけど。

流石に人を相手にして反撃の練習というわけにもいかないし

それだと正確に打てたかも分かりにくいからな。

少し考えるのに時間が必要かも知れないな。


「えっと、圭介様、これから早速修行を!」

「いや、今日は休んでおけ」

「え? でも…」

「疲れたときに修行してもいい成果は出ないからな。

 大事なのは体調が完璧なときに濃密で効果的な修行をすることだ。

 体調不良の時にやっても集中も出来ないし、疲労から普段通りが出来ない。

 普段通りが出来ないと、イライラして上手く出来なくなるからな」


まぁ、茜はそこら辺大丈夫そうだけど、それでもより効果的な修行をするには

万全な状態じゃなきゃ駄目だろう。


「それに、今は身体を動かす訓練よりも頭を動かす訓練をした方が良いだろ?

 水希と戦って、どんな感想を抱いたかとか、どうすれば攻略できるかを考えろ。

 相手の成長も考察したりして、頭を動かせ。

 身体は十分動かしたからな、身体を動かすことだけが修行じゃないんだから」

「はい、分かりました!」


茜は意気揚々と神社の中に戻って自室へ飛び込んだ。

本当、16歳になったばかりの時はあまりやる気じゃなかったのに

あの日を境に一気にやる気を出したな、やっぱり何がやる気に変るか分からない物だ。

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