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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、息抜き編、バレンタインのチョコレート
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初めてのバレンタイン

修行を開始して、良い感じに時間も過ぎた。

1月から修行を始めて、今は2月だな。

まだまだ1ヶ月でしか無いが、節目になりそうな時間ではある。

茜の成長も著しく、30kgだった重りも、今は50程だ。

元々、これ位なら持てる力はあったし負荷としては丁度良いだろう。

しかしまぁ、こう考えてみると花木の怪力が凄いと思うな。

200だからな、流石妖怪としか言えない。

だが、あいつへ課したのは背負ってのだから

鍛えられたのはバランス感覚と脚力なんだよな。

持ってなら腕力だろうが、背負ってだからな。


「圭介様」

「ん」

「そろそろ、ばれんたいんでーですね!」

「んぁ?」


まぁ、確かにそろそろバレンタインなんだけど…何故茜がそれを知っている。

それは俺が死ぬ前の世界の話しで、ここにそんな風習は無いだろうに。

いやでも、トランプとかこっちでやってるし、俺の影響?

でも、今までしてなかったと思うんだけど…?


「えっと、どうしてその言葉を? 誰から聞いた?」

「時雨さんから聞きました!」

「…どうしてあいつが」

「呼びました?」

「呼んでない、何でこんなに絶妙な瞬間にこっちに来るんだよ」

「いえ、監視してたので」

「おいコラ」

「ま、まぁ、こうして私が来ると言うことは時音さんも来ますよ」

「何かお見通しね、何でよ」


時雨の予想通り、丁度良いタイミングで時音もやって来た。


「私と圭介さんが1箇所に集まると、力とかがね。

 当然、時音さんにも私が来たと言うことはすぐに分かるでしょうし

 色々と私の動向を気にしている時音さんなら来るのは予想できます」

「気にしてるのか? こいつの事」

「えぇ、少し信頼ならないしね、圭介に変な事吹き込んでないか不安なの」

「私が何かを吹き込んでも、この神は変りませんって」

「それもそうだけど」


何か言われたところで俺が変ることは無い。

と言うか、色々と受入れると言うスタンスが変ることが無い。


「まぁ、確かにそれは変らないだろうがな

 問題はお前が俺の知識を知ってる理由だと思うが?

 何でお前がバレンタインを知ってる?」

「それはですね、私があなたの知識を把握しているからです」

「何か恐いな」


俺の昔の経験を知ってると? 何か恐いな。


「まぁ、私が知ってるのはあくまで知識だけで、経験は知りませんよ。

 私は叡智の神、当然、この世界の誰かが知ってる知識を知って無くてはなりません。

 その誰かには当然、圭介さん、あなたも入っているのです。

 私としても、何故かこの知識を知っているという認識しかありませんしね。

 それは神としての恩恵…と言うか、種族恩恵みたいな感じでしょうか」


叡智の神だから、他の神が知ってる知識も知ってなくてはならないと言う事か。


「あなたもその内、そんな経験をして行くと思いますよ。

 神として存在し続けているほど、何故かこの知識を知ってるという経験を。

 いや、もしかしたらもうすでに経験しているかも知れませんね。

 ありませんか? 何故かこの知識を知ってるという経験」


そうか、前の漢字の時、俺は何故か知らない漢字が読めた。

饂飩なんて、見たことも無いはずなのに何故か知ってたんだよな。

それか、あんな感覚か、あれが何故か知ってるという感覚だったのか。


「私の場合は戦いに関する知識かしらね、勉強しても無いのに完全に把握してるわ」

「えぇ、それは私達神が憧れの象徴だからと言えるでしょう。

 人は憧れに欠点を抱かない。

 人は憧れの相手に欠点を探そうとしないし、認めようともしない。

 私達はその憧れの完成形であり理想型でもあります。

 だから、得意分野に関する事で弱点があってはならないのですよ」


それはそうかも知れない、憧れを抱いてる限り、その憧れに欠点を見ようとしない。

大きな欠点が露呈してしまえば、その欠点にどうしても目が行き覚めるかも知れないが

そうじゃ無い限り、些細な欠点には目が届かない物だ。

恋は盲目という言葉もある様に、人は憧れや理想に欠点を求めないし見ようとしない。

俺達はその憧れの象徴であり完成形だからな。


「まぁ、難しい話はここまでにしましょう、茜さんが付いて来れて居ませんし」

「は、はい、規模が大きすぎて全く分かりませんでした…」

「その内、知らねばならぬ事でしょうが、今は良いでしょう。

 今はバレンタインについてお話をしましょうか」

「バレンタインって何よ」

「それをお話しするんですよ、バレンタインというのは好きな人にチョコレートを

 渡す日になっています」

「は? チョコレートって何よ」

「チョコレートは甘いお菓子ですよ、カカオを主な原料としたね」

「カカオって何よ」

「カカオも知らないのですか? やれやれ、これだから脳筋は」

「ちょっと待ちなさいよ! それはあなたが叡智の神だから

 圭介の知識を知っているからこそ知ってる言葉であって!

 私が知ってたら行け無い言葉でしょ!? それを知らないと言っただけで

 脳筋って言われるのは納得いかないわ!」

「おやおや、その通りですよ、意外と聡いじゃ無いですか」

「殺すわ!」

「待てって!」


やっぱり、仲が悪いな、この2人は…


「こいつは本当に!」

「と言うか、お前はチョコの作り方とか知ってんのか?」

「えぇ、知ってますよ、勿論ですとも」

「俺は知らないんだけど?」

「チョコレートと言う単語を知った地点で作り方まで把握するのが叡智の神です」


まぁ、確かにチョコレートって言葉を知ってると得意げに言って

作り方を聞かれたら、冷や汗をかく叡智の神とかいやだしな。

憧れの存在とかがそんな風になって欲しいと思う奴は居ないだろうし

これもまた当然のことなのかも知れない。


「とは言え、原材料が無いので作れませんが」

「カカオ豆が無いからな」

「作れるよ!」

「は?」

「作れるよ!」

「……本気で言ってるのか?」


俺達の会話を聞いていたであろうサラが元気よさげにそんな事を言ってきた。


「ね、四季!」

「う、うん…でも、大変だと」

「大丈夫! あたし達なら出来る!」

「謎の自信ですね…では、作ってみてください」

「その前に、カカオって言うのがどんな環境で育つか教えて。

 何も知らないままだと作れないよ」

「はぁ…では良いでしょう、お教えします」


時雨は半信半疑ながら、2人にカカオが育つ環境を教えた。

四季は土質に関する事を集中的に聞き。

サラは育つ環境について集中的に聞いていた。


「よし、分かったよ!」

「出来ますか?」

「大丈夫! あたし達なら出来る!」


まず最初に、四季が時雨から聞いた土質を再現する為に

地面に手を置き、しばらくの間、集中をする。

すると、その触れている部分の土色が変った。


「よーし!」


その後、サラが土色が変った場所に大豆を植える。

流石に何も無い状況から作るのは無理なのだろうが

大豆って…どう考えても違うと思うが。


「……」


大豆を植えた後、しばらくの間だ、サラがあり得ない程に静かになる。


「それ!」


しばらくの沈黙の後、サラが大きく指を振り上げると

そこから一気に大きな木が生えてくる。

実は確かにカカオ豆になっていた。


「な!」

「やった!」

「ほ、本当に作っちゃったわね、これがカカオ豆って奴なのか知らないけど」

「間違いなくカカオ豆です…まさか、妖精にこれほどの力があるとは。

 もはや神に近しい程ですね」

「こいつらも四宮神社に結構長い間居るからな。

 土、植物だった時代を合せると、もう10年以上は居るんじゃないかな」

「四宮神社は神製造工場だったのですね」

「違うっての! もしそうなら、花木、刀子、茜ももうすでに神だよ!」


あいつらも結構長いからな、神製造工場なら神になってるって。


「でも、キャンとキキは神になったしね、違いは何かしら」

「そうですね、神というのは結局憧れの象徴ですからね。

 キキさんとキャンさんは人目に付く機会が多く、信仰を集め神になった。

 サラさんと四季さんも四宮神社に住まう植物と土を操る存在。

 神聖視されて、神に近い存在になりつつあると考えられるかと。

 逆に茜さんは四宮の巫女である為、それ以上の感情は抱かれず人のまま。

 刀子さんはあまり人目に付かないため、信仰を得るほどに注目を得ていないのかと。

 花木さんは団子屋も経営していますから、神というにはあまりにも身近すぎるため

 神聖視されることが無かったからかと」


なる程、四宮神社から殆ど出ないサラと四季はどことなく神聖なイメージを抱かれたと。

確かにキキとキャンは大体参拝客を出迎えていたし、神聖視されても不思議は無いのか。

人の言うことを完璧に聞く狐と狼、流石に独立した神としては見られなかったが

恐らく、俺の使いだと思う人間が多かったんだろうな。

だから、サラと四季よりも早く神になったと。

まぁ、あの2人はまだ神になったとは言えないんだけど。

異常な程に力を得ているだけというのが正しいだろうな。


「ですがまぁ、これだけあればチョコレートは作れますね。

 良いでしょう、色々と教えてあげます」

「ありがとうございます! 頑張ってチョコレートを作って圭介様にお渡しします!」

「いや、チョコレートは別に」

「チョコレートを貰うのは生前の憧れだったんでしょう?」

「はぁ!? そんな訳無いだろ!」

「まぁ、あなたの経験では無く知識からの予想ですがね。

 チョコレートを女の子から貰うのは男の憧れでステータスだったのでしょう?

 良かったですね、今ならかなり沢山のチョコレートが貰えますよ」

「うっさい! そこまで憧れてなかったよ! 死ぬちょっと前とか諦めてたよ!」

「やはり素直ではありませんね、そう言うところではやはり初心ですねぇ」

「ね、イラつくでしょこいつ」

「そうだな、やっちまおうか」

「すみません! 調子に乗りました!」


しかし、叡智の神ならもう少し脅迫に強くなれよとは思うが。

自覚が無いだけで、それだけ俺が大きな存在だって事なんだろうな。

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