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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第10章、成果を試す模擬戦
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成長の実感を

…自分の成長を考えろ、自分に出来る事を考えろ。

圭介様はそんな事を言っていた。

私はそれで成長出来ると思えないけど…

でも、他でもない、圭介様の言葉。

今まで私が成長出来てきたのも、今みたいになれたのも

圭介様のお陰なんだから。

色々な事を言われた、挫折したときも

圭介様のお陰で私は乗り越える事が出来たんだ。

でも…このままで良いんだろうか…ずっと圭介様に頼って。

……いや、駄目だよ、このままじゃ駄目だよ。

圭介様に頼りっぱなしなんて駄目に決ってる。

頑張らないと、独り立ちできるように頑張らないと。


「なぁ、茜」

「はい!」

「何か思い詰めてるのか?」

「あ、いえ」

「顔色が悪かったが…もしかして、俺に頼るのは駄目だとか考えてた?」

「え!? いや、そんな事は!」


バレてた!? 私が心の中で考えてたことがバレてた!?

でも、だけど…多分心を読んだわけじゃ無いと思う。

心を読んで私の考えを読んでいったなら

最初の言葉で本題に入ってたと思う。

だけど、最初は疑問から入った…ならバレてたのは顔色に出てたから…?


「その反応は図星っぽいな、ったく、お前は本当に自分に厳しいな」

「自分に厳しくしないと、成長出来ないかなと思いまして…」

「自分に厳しいのは確かに良い事だ、だが茜、厳しすぎても駄目だろ。

 お前の事だ、俺に頼り続けてたら迷惑って思って自分だけでなんとかしようと

 そう思ってるんだろう?」

「うぅ…」

「馬鹿だな、迷惑とか思わねぇよ、俺はお前の親みたいなもんだぞ?

 子供の世話を面倒と思う親は居ねぇだろ、成長する姿を見るのは楽しい。

 一部には居るかも知れないが、そりゃ親でも無いだろう」

「でも、ずっと頼り続けるなんて…」

「むしろ頼って欲しいと思うのが親だからな。

 自立をして欲しい気持ちはあるが、それと同時に頼って欲しいと思う物だ。

 ま、受け売りだがな、死んじまった親の言葉だ」

「え!?」

「お前のお陰で思い出せたよ、ありがとな、最初はくだらない言葉だと思ってたが

 今になると、その通りだと思える言葉だな」


私には分からない言葉、圭介様のご両親が死んでしまっているという事実も…

私には衝撃的な事実だった…でも、不思議じゃないことかも知れない。

当たり前の事…なのかな。


「だから頼ってくれよ、だが今は俺が言ったことを

 しっかりとやってくれ」

「はい!」


私、頑張らないと! 成長していかないと!


「それじゃ、飯でも作るかな」

「あ、それは私が!」

「お前は修行してろ、料理程度は俺も出来る」

「でも、圭介様にご苦労を掛ける訳には」

「おいおい、苦労だと思ってるのか? てか何もしない方がしんどいって。

 久々に料理をしたいし、お前は修行をしておいてくれ」

「は、はい…」


うぅ…ご迷惑を掛けてしまった、私のわがままで…

でも、圭介様もいやそうな表情はしてなかったし…

ここで私がわがままを言う方が、圭介様に取って迷惑なのかも…?

それなら大人しく言う事を聞こう、迷惑は掛けたくないし。


「…うーん」


最初の頃の私は何も出来なかった、全部圭介様に言われたことしか出来なかった。

料理も出来なかったし、家事も殆ど出来なかった。

誰かが何を考えているかも分からなかった。

戦う時だって、ずっと負けてばかりで圭介様達に助けられてばかりだった。

刀子さんと戦ったときも駄目駄目で、勝てたのだって圭介様がくれた

刀の力で勝つことが出来た、私の力じゃ無い。

今は水希ちゃんとも戦えるし、お姉ちゃんと1対1で戦って勝てた。

防御ばかりだった時もあったけど、今は攻撃も出来るようになった。

でも、私の攻撃は少し隙が多い気がする…私が攻撃をすると

どうしても躊躇ったりするから、簡単に弾かれたりして避けられる。

そうなると、唯一得意な防御だって出来なくなる。

戦う時は防御で防いでの反撃、それが良いかも知れない。


「武術面は…成長してる」


そこはしっかりと成長していた、思いだして自覚できた。

次は精神面かな、最初の時は圭介様に言われることしか出来なかった。

でも、今は自分で考えての行動が出来るようになってる気がする。

だけど、最初と比べて圭介様の意見に反することをする様になってる。

うぅ、巫女として失格だよ…何で圭介様の意見に反するようになったのかな?

確か…えっと……あ、そうだ、上手く行かないことが多くなってきて

自分に厳しくなりすぎてた、圭介様もみんなも言ってたけど

考えてみると、それが改めて間違いないことだと分かる。

だから自分の成長を今まで気付けていなかったんだ。

今の自分に出来る事を考えても居なかったのかも。

自分の事を客観的に見てなかった、圭介様達は正しいことを言ってた。

追い込みすぎても、きっと今までの状態だと何処がどう成長したのか

それが分からなくて、応用も出来なかったかも知れない。

こんな風に考えないで、ずっと修行をしてたのかも。


「…そうかも」


今回の修行での成長は、まだ実感は出来ていない。

やっぱり少しやっただけじゃ出来ないのかも。

だから先に考えてみよう、圭介様の修行をして

私がどんな風に成長出来るかを考えよう。

今は重い物を背負って四宮神社へ登る階段を往復してる。

これで成長出来る部分は脚力と体力かな。

今は背負っての往復だけど、この後は手に持っての往復かも。

そうすると、重たい物を持って往復することで筋力が付く!

筋力が付けば、攻撃を防ぎ続ける事が出来ると思う。

水希ちゃんの重たい一撃でも、何発も受けられるかも。

こんな風に成長した場合の姿を想像して、どうなるかを考える。

その成長した結果をどんな風に使えるかを考えて、その上で成長しよう。

何だか気分が良い気がする、私、頑張らないと!

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