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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第10章、成果を試す模擬戦
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戯れの問題

「では、戯れを始めましょう」

「すみませーん、修行させてください!」

「知識は肝心ですよ、戦いに至っても」

「すみません、漢字って戦いに関係ありま」

「では、始めましょう」

「聞いてくださいよぉ!」


時雨は水希達の言葉を全て無視して、そのまま強制的に漢字クイズを始めた。

どう考えても話を聞くつもりがないという事は間違いないだろう。

そもそも、時雨は時音よりも相手の話を聞かない気がする。

時音も結構話は聞かないけど、流石に時雨ほどでは無いと思う。

やはり頭が良いと、相手の話を聞かなくなるのかも知れない。

でも、本当に頭が良い人って、やっぱり自分の意見も持ってて

相手の意見をしっかり吸収する柔軟性がある人だと思うが。

……だが、時雨の方をチラッと向いたとき、少しだけ笑っていたし

恐らく遊んでるだけだというのは分かる。

知識を押し付けているのは変わりないのだが

無意味な知識を押し付けて楽しんでいるというのが正しいだろう。

どう考えても性格は悪いんだけどな。


「では、これはどのような漢字でしょうか、読んでください」


雛罌粟と書いた…これまた、普通は知らないし興味も無い漢字だ。


「何これぇ!」

「はい! 分かります!」


お、茜と藜が同時に手を上げた。

時雨は茜を指さし、答えを聞いた。


「ヒナゲシです!」

「おや、茜さん、よく分かりましたね」


茜が速攻で答えるとは思わなかったな。

藜も反応したと言う事は、当然藜も知ってたのだろう。

茜と藜の共通点は1つ、四宮の巫女だと言う事だ。


「はい、師匠がお花が好きなんです、だから、その時にお話しを伺いました」

「あ、茜! それは言わないでって!」

「なんや、案外女々しいところあるんやな」

「うっさい! 私だってこう見えても女の子、当たり前よ!」

「戦いしか興味無いとおもっとったわ」

「戦う事しか考えてないあなたと一緒にしないでよ」


なる程、茜も藜も葵から色々と聞いたと言う事か。


「ほぅ、花に興味があるとはやはり意外ですね」

「いや本当に酷いわね…」

「いや、見た目から想像できないから、あなたのそう言う乙女な所」

「なんでここまで集中砲火なのぉ!?」

「そうです! 師匠はああ見えて凄く女の子なんです!」

「そうそう! お姉ちゃんは料理も出来るし庭の手入れも毎日してました!

 裁縫も出来ますし!」

「女子力高いな」


いやまぁ、茜の姉なんだし、何となく分かるけど。

だが、茜のスペックが高すぎるしなぁ。


「うぅ…何で漢字の話しで私にこんな大打撃が…」

「恨むならあなたの妹達を恨んでくださいね、では次です」


今度、時雨が漢字で書いたのは侃々諤々だった。

こんな言葉は当然ながら、普段は使わない。

四字熟語自体、あまり使う事が無いからな。

その中でも更に使う機会が無い漢字だろう。

そもそも、頭の漢字すら普段は使わねぇよ。


「はい! 何か恐そうだから殺伐とした何か!」

「答えにすらなってませんが、はっきり言います、全然違うと」

「えぇ!?」

「いや、どう考えてもそうでしょう、何よ恐そうだから殺伐とした何かって

 答えにすらなってないわ」

「でも、何だか恐そうな漢字かなって」

「うぅ、こんな言葉…」

「あぁ、これは分かるな、私もやってたことだし」

「私も分かるよ~、意見は大事だからね~」

「俺は分からないな…そもそも漢字とか興味ねーし」

「私は分かりますよ」

「同じくです、天狗ですしね」

「なんで向こうはあんなに…」

「長く生きてますからね…一部を除いて」


時雨がさらっと花木の方を向いた。

それは分かる、だって、あいつは生まれてまだ10年程度だからな。

妖怪の中でも新参ではある。

それなのにあそこまで達観してたり知識を得ているのは凄い。

しかも勉強と言うか、全てにいたって、大体適当に過ごしてる筈なのに

何故漢字にはここまで詳しいのか不思議でならない。


「…何故そこまであなたは漢字に詳しいのですか?

 仕事もさぼってると聞いたのに」

「前~暇なときに漢字の辞書を流し読みしたから~」

「……さらっと凄くない? 流し読みしただけでそこまで覚えるって」

「物覚えは良いの~」

「妖怪の中でも相当上位ね、あの子」

「知識だけで言えば、お前以上だろうな」

「何というか、屈辱的ね…でも、今回は私だって分かるわよ」

「うーん……」


こっちの大体はこの漢字は読めて居るみたいだが。

巫女達はこの漢字が分からない様だった。


「……うーん」

「…た、確か…確かぁ……かんかんがくがく!」

「お、正解です、良くやりましたね恋歌」

「や、やりました!」

「因みに意味は分かります?」

「え? あ、そ、それは…」

「おほん、侃々諤々は正しいと思うことを堂々と主張するさま

 もしくは盛んに議論するという意味です。

 侃は強く正しいと言う意味合いであり

 諤は遠慮なく正しいことを言うと言う意味です。

 まぁ、正しく議論をしたいというなら覚えておいても良いでしょうね」

「私も色々と意見を述べるから、よく知ってるのよ。

 私はほら、軍神だからそう言うのは大事なのよね」

「なる程、脳筋でしか無いと思ってましたが、案外そうでも無いのですね」

「殺し合いたいの? あなた如きが私に勝てるとは思えないけど?」

「あなたを翻弄する策なら弄せま」

「……」

「ま、まぁ、あれね、仲良くするのも大事よね!」

「そ、そうですね! あ、あっはっは!」

「…? 何かあったんですか?」

「いや、何でも無い」

「そ、そう、何でも無いわ…」

「え、えぇ」

「ん?」


ったく、何かある度に喧嘩を始めようとするんだから。


「と、とりあえず、お遊びはこれまでにしましょう。

 ほら、そろそろ時間ですし…」

「そ、そうね…」

「あ! 用意します!」

「あぁ、頼むぞ…所で葵たちはどうするんだ?」

「まぁ、折角だし今日は泊まるわ」

「うちもや、水希もその方がええやろうしな」

「うん!」


これは、かなり騒がしいことになりそうだな。

明日も同じ様に大騒ぎになりそうだがな。

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