表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第10章、成果を試す模擬戦
201/251

修行終了

必死の修行が開始して、約束の1週間が経過した。

今までの修行の成果はしっかりと出ているようで

4人とも、最初と比べるとかなり仲が良くなっていた。

お互いの癖を把握し、お互いの得意分野も把握し合って

ようやく、まともに戦えるレベルに成長したと言える。


「1週間、よく頑張ったわね」

「はい!」


茜たちは生き生きしている、かなり元気だ。

1週間という短い期間でしか無かったが

修行の成果はバッチリと言えるだろう。

流石は軍神が手に掛けた修行、大した物だ。


「では、試練を与えるわ」

「はい! 何でも来いです!」

「なんだってやるよ! 今のあたい達は最強!」

「そうですか、では、まずは数式を」

「戦う事でお願いします!」

「そうそう、戦う事なら何でも大丈夫」

「……じゃあ、そうね、私達3人と戦いなさい」

「え゛!?」

「全能の神、軍神、叡智の神、3人と戦って勝ってね」

「本当にすみませんでした! 調子に乗りました!

 無理です! それは無理です! 1対4でも絶対に不可能です!」

「い、いや、あたいは諦めない、1対4ならあるは…」

「じゃあ、私がちょっと手合わせしてあげるから来なさい」

「無理無理! 絶対無理だよ水希ちゃん!」

「いや! あたい達なら勝てる! 連携して戦えばあたい達に不可能は無ーい!」

「そんなぁあああ!」

「そうね、10秒粘ればあなた達の勝ちで」

「ふ、10秒とか余裕!」

「いやぁああ!」


そんなこんなで、試験とは関係ない10秒の戦いが始まった。


「うりゃりゃぁ!」

「10秒で良いなら逃げれば…」

「水希ちゃん! 突っ込まないでよぉ!」

「ぜ、全員が怪我をしないように、な、何とか…」

「うりゃぁ!」

「ほら、当らないわよ、擦りもしないわよ」

「うぅ! あ、あたいの速さがまるで通用しない! こいつ…出来る!」

「偉そうね、てか、主である神をこいつとか言わない」

「ぎゃふぁ!」


軽い拳骨が水希に直撃、さくっと気絶した。


「あぁ! 水希ちゃん!」

「っと、9秒ね、ほら」

「あ、ひゃぁあああ!」


そして、最後に時音が指を鳴らすと、時音を中心に強い衝撃が走り

近場に居た茜たちは勿論のこと、距離を取っていた恋歌も一撃で気絶した。


「まぁ、身の程をわきまえろってね、あなた達程度で私に勝てるわけ無いでしょうに」

「その攻撃…無しにして欲しいです、周囲に被害が及びますよ」

「てか、よくもまぁ派手にやってくれたな、四宮神社が倒壊したらどうする」

「大丈夫でしょ、あなたが守ってるんだし」


一応、結界という物を張ってみた…本当に張れるとは思わなかったが。

これ位なら茜に降りなくても行使出来るってのは救いだな。


「……折角なら、私も守って欲しかったです」

「神なら平気だろ?」

「いえ、私、戦いは専門外でして…結構痛かったです」


そうなのか、これは失敗しちまった。


「っは! この程度で痛いって、情けないわね」

「あなたは軍神! 私は叡智の神! 全能の神である圭介さんならまだしも

 知識が最大の武器である私には痛いんですよ! その衝撃波!」

「やれやれ、言い訳しちゃって、信仰が足りないんじゃ無いの?」

「あのですね、戦いという狭い事しか出来ないあなたと違って

 知恵というのは大体何でも出来るんですよ。

 その知恵を守護している私の信仰が足りないわけがありません」

「あぁ!? 戦いを甘く見たら駄目よ! 戦いというか、軍隊には

 規律とか法とか、そう言うハッキリとした秩序が必要なのよ!

 つまり、私は国作りだって守護できるような存在なのよ!

 知恵なんて暴走して、最後は自滅するだけでしょうが!

 知恵ばかり極めて、最終的に楽な方法をドンドン思いついて!

 いつしかその楽な方法で堕落していって、無秩序な状態になるのが落ちよ!

 全部犠牲にして、最後に後悔する感じよ! 行きすぎた知恵なんて!」

「おやおや、戦い続けて最終的に自滅していくと言う流れの方が想像しやすいですがね!

 1度勝利して、天狗になって戦いを続けて

 周りに恨まれて孤立して滅ぶのが落ちですよ!

 裏切りとか食らって、我が身を滅ぼす未来も容易に想像できますしね!」

「そうならないために、しっかりとした秩序と制約が存在してるのよ!

 そんな事も分からないなんて、叡智の神が聞いて呆れるわね!」

「ふん! そんなこ」

「うっさい! 喧嘩するなボケ!」

「あだ!」

「ひぐ!」


……つい反射的に拳骨をしてしまった、何か子供の喧嘩みたいだったから。


「うぅ…い、痛い…」

「い、意識がぁ…」

「お前らがそんなんでどうするんだよ! 恥ずかしくないのか!?

 と言うか! そんな風に怨み合うから結局滅ぶんだろうが!

 戦いの先の滅びとか、知恵の先の滅びとかよりも

 意見のすれ違いで滅ぶ方が身近で最も可能性が高いだろうが!

 ったく、人々の憧れ、尊重、救いから生まれた神がこのザマでどうする!」

「ま、全くもってその通りだったわ、ごめんなさい、ちょっと興奮しすぎたわ

 これは本当に反省するわ、ごめんなさい」

「いえ、私の方こそ申し訳ありません、叡智の神が恥ずかしい限りです。

 このような子供見たいな喧嘩をしたことをお詫び申し上げます」

「ったく、あいつらに見せられないっての、そんな姿」

「そ、その通りね…」

「く、恥ずかしい限りです…あ、頭が…」

「てか、ただの拳骨で軍神である私がここまで痛手を食らうとは思わなかったわ。

 いや本当、2、3発食らったら意識飛ぶわ、これ」

「私は一撃で危うく吹き飛ぶところでした…」


はぁ、本当にこんな感じで大丈夫なのだろうか。

てか、なんでこの2人はここまで仲が悪いんだろう。

お互い、すぐにカッとなるからかな。


「別に仲良くしろとは言わない、喧嘩から得られる物もあるだろうし

 ある程度、敵対者が居た方が花があるのも事実だろう。

 だが、そんな子供みたいな喧嘩をするんじゃねーよ。

 お前らは神だぞ? その喧嘩で関係の無い人達巻き込むぞ?」

「全くその通りね…」

「うーむ、この性格は直さねば…」

「……い、一時はどうなるかと思ったが、無事に収拾が付いて良かったのじゃ…」

「あぁ…わっちもそう思う」

「と言うか、お前ら2人が良くしてる喧嘩だぞ、そう思うならお前らも自重しろ」

「馬鹿犬が!」

「馬鹿狐が!」


……この流れで喧嘩をするのか? あの2人、大した根性だな。

さて、喧嘩を始めたらどうしようか、時音達と同じ様に拳骨でも食らわそうか。


「……ま、まぁ、今回は止めておこう…ご主人の目が恐いのじゃ…」

「あぁ……わっち達があの拳骨を食らったらただでは済まないからな…」


ま、喧嘩自体は別に良いんだが、あの2人の場合はじゃれ合いに近いし。

だが、この流れで喧嘩をするというのは駄目だからな、空気を読むべきだし。


「何か、今日は恐いわね…」

「誰のせいか位は分かるだろ?」

「わ、私が悪かったわ……一応、天狗にならない様にと思って

 ちょっと対策をしようとしただけなの…それがこんな事になるとは…」

「最初に挑発したお前が悪いだろ」

「それは本当にその通りね…」

「まぁ、その挑発に乗ってしまった私にも原因はありますし…

 あまり時音さんを怒らないであげてください」

「時雨…!」

「ですが、原因の大半は時音さんなので、罰は9対1でお願いします」

「時雨ぇぇ!!」


…別にこれ以上の罰を与えるつもりは無いが、何かこの2人、良いコンビだな。

両方、アニメとかでよくある会話になってるし。

あげて落とすとか、それはそれで面白いな。

ここは俺も便乗して、結構な罰を啓示した方が良いのかも知れないが

そうなると、話が更にややこしくなりそうだからここはグッと我慢しよう。

今は茜たちの成長を見せて貰わないといけないしな。

問題は、へばってる4人がいつ起きるかだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ