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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第9章、成長への躍動
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規律正しい食事

「さて、飯飯」

「遅い! もう朝ご飯出来てるわよ!」


戻ると同時に時音から文句を言われてしまった。

と言うか、今日は時音が作ったのか。


「あぁ、悪いな、ちょっと茜たちの様子を見に行ってた」

「全く、帰ってくるのが遅いのよ、時間は守りなさい」

「いや、お前の決めた時間とか知らねぇし」

「そりゃあ…まぁ、酔い潰れた私が悪かったわ、軍神として恥ずかしい限りよ…」

「そんなに気にしなくても良いんじゃねーの?」

「あのね、酒で身を滅ぼす奴って多いんだから。

 酒で酔ってる隙に攻め入られて殺される奴も居るし

 酔い潰れている内に裏切られて殺される奴も居る。

 と言っても、酒は美味しいし、仕方ない気もするのだけどね」

「ふーん、だから普段は酒を酔い潰れるほど飲まないと」

「呑むわけないでしょ? 1人で呑んでも飽きるわ」

「でも、昨日は酔い潰れるまで呑んだんだね~」

「兎、何が言いたいの?」

「な、何でも無いよ~」


普段は崩れた姿勢で食事を取っている花木なのだが。

今回は正座をしている…正確にはさせられているのだろう。

サラや四季もそうだし、キキ、キャンも同じく正座だ。

刀子は普段から正座だから問題は無いけど、後は茜もかな。


「全員正座なんだな」

「そりゃそうよ、食事の時は正座よ」

「普段は崩してないか?」

「朝の食事は1日の気持ちを締めるために大事なのよ。

 お昼や夜は問題は無いし、祭の時も問題は無いのだけど

 普段、朝は正座が基本よ、当たり前でしょう。

 朝一が1日の中で最も重要な時間なのだから当然よ。

 お昼と夜は気持ちを緩めても大丈夫、緩めすぎは駄目だけどね」

「山明神社でもそうなのか?」

「えぇ、勿論よ」


はぁ、やっぱり規律正しいんだな、だが厳しいのは朝だけか。

昼は休憩と言う感じだから緩ませて、夜は1日のご褒美だから緩ませるって感じかな。

朝は1日をしっかりと過ごすために厳しくしているって感じだろう。


「しかしまぁ、随分と美味そうな飯だな」

「私が作ったんだから当然よ、食事は大事だからね。

 何にしても、美味いご飯を食べられたら、やる気も出るってもんよ。

 美味い物をお腹いっぱい食べて、1日の活力にするの。

 困ったことや大変な事を解決するためには美味しいご飯よ!

 食事は何にしても最重要! 不味い飯を食ってたらやる気も出ないわ!

 美味しいご飯にありつくために、今日も明日も必死に生きるのよ!」

「お、美味しいご飯を食べるのは分かるんだけど…せ、正座って…

 あたし、足が痛いよ…」

「普段から遊んでばかりだからよ! 姉の方を見なさい、平然としてるわ!」

「……」


いや、あれは足が痺れているのを我慢してるんだ。

四季も正座はあまりしないから、そりゃ足も痺れるだろう。


「うぅ、わ、私も足が痺れるんだけど~」

「あんたは人の上に立つ立場なんでしょう!?

 ならしゃきっとしなさい! あんたの采配で仲間の生死が分かれるのよ!?」

「そんな物騒なことをしてないよ~、ただの団子屋さんだよ~」

「妖怪兎の頭領が何寝ぼけたことを言ってんのよ、群れを仕切ってる自覚が無いわ!」

「うぅ~、こ、ここまで厳しく言われたのは初めてだよ~」

「普段ならここまで言うことは無いのだけどね、今は水希達が修行をしてるの。

 それなのにあなた達だけ普段通りというのは少し釈然としないから

 私がしばらくこっちに厄介になってる間は、あなた達を鍛えるわ!」

「うぅ~、厄介になってるなら、そんなに強気で~」

「あんただって厄介になってる、ほぼ居候でしょうが!

 ここの主は圭介と茜であって、あんたらには本来権力など無いのよ!」

「うへぇ~」

「あ、花木、嫌になって神社に来ないーってなっても連れてくるから覚えてなさい」

「酷いよぉ~ 、サボりたいよ~」

「あぁ!? 頭領がサボるとか、本来はあり得ないっての! あんたが群れの顔なの!

 顔であるあなたが府抜けてたら! 妖怪兎たちも堕落してしまうわ!」

「堕落してないよ~」

「文句を言わない! あんたがしっかりとすれば

 群れはより統率が取れるとは思わないの!?」

「思いませ~ん」

「その根性、全力でたたき直してやるわ! 軍神としてね!」

「ひぃ~! 今日の時音は異常に厳しいよぉ~ 圭介助けて~」

「…いや、時音が言ってる事は正論だし、俺もそう思ってるから

 時音がお前の矯正をしてくれるというなら、俺は止める理由はないぞ」

「そ、そんなぁ~、あ、そうだ~、茜たちの修行は見に行かなくて良いの~?」

「そっちは圭介に任せるわ、良いわよね」

「あぁ、構わないよ」

「ひぃ~! 矯正されるなら圭介にして欲しいよぉ~!」

「圭介は甘すぎるから駄目! あなたには荒治療が最も効果的よ!」

「そんなぁ~」

「まず最初にそのサボり癖を直させる! ご飯が終わったら

 すぐに団子屋さんにあんたを送るわ! そして、監視をする!」

「そ、そんな事をしたら、キキ達の修行が出来ないよ~?」

「大丈夫よ、強制労働装置を付けてやるわ!」

「何その装置、恐いんだけど~!?」

「私は軍神、軍の統率において必要な物は大体召喚出来るわ。

 武器だって出せるし、そんな道具も出す事は造作ないのよ」

「恐いよぉ~! 助けて圭介~!」

「諦めろ」

「そんなぁ~!」

「さぁ! 今は食事よ! 皆、朝ご飯よ朝ご飯!

 圭介! あんたも早く座りなさい! 私の手料理よ!

 あ、座るときは勿論正座ね、上であるあなたが

 正座をしないってなると、示しがつかないからね!」

「はいはい、分かってるよ」

「ご主人は食事の時、大体正座です…」

「あぁ、だから茜は正座なのね、まぁ良いわ、正座ね」

「分かってるって言っただろ?」


時音に言われたとおり、自分の席で正座をした。

普段は無意識にするが、言われると意識するからちょっと違う感じがするな。


「それじゃ、いただきます」

「いただきます」


こっちも時音の挨拶で全員が続けて挨拶をして、食事を開始した。

うん、時音の料理かなり美味いな、お袋の味って感じがする。

質素な感じなのに、確かな味わいが口全体を覆った。

俺もこれ位やさしめの料理を作ってみようかな。

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