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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第9章、成長への躍動
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朝の会話

「ふぁ…あ、良い匂い…」

「あ、おはようございます、お姉ちゃん、ご飯出来てますよ!」

「あ、ありがとう…あれ? お皿が少ない気がする…」

「あ、私の分が出てないだけですよ、まぁ、良いかなって」

「いや、良くない…自分を二の次にしすぎ」

「あ! て、手伝わなくても、こ、これは私が!」

「お皿くらいは出すよ、茜の分が1つ出てないだけだし」


とりあえず藜が茜の分を出してくれたようだ。


「あ、ありがとうございます…」

「明日は手伝わせて、いつ起きてるの?」

「え? いや、良いですよ…お料理は全部私が」

「駄目、ちゃんと皆で協力しないと。

 自分1人で全部やろうとするのは駄目だよ」

「うぅ…ご、ごめんなさい」

「謝らないでも良い、駄目な所を直すのが今回の修行だし」


周りで協力して、お互いを高めていくのが大事だろう。

それが今回の目的だからな。


「お昼は一緒に作ろう」

「はい!」

「ふぁぅ…美味しそうな匂いがする!」

「水希ちゃんも起きたんだ」

「うん!」

「そう言えば、あなたは普段ご飯はどうしてるの?」

「時音様が作ってくれてる!」

「神様に料理させて良いの?」

「…わ、私も最初は圭介様に作って貰ってたなぁ…

 今も、たまに圭介様が作ってたりするけど…」

「へぇ、圭介様って料理出来たの?」

「うん! 私よりも断然お料理上手ですよ!

 私もいつか圭介様みたいに美味しい料理を作るんです!」


と言っても、性質上、俺はいつでも茜の上になるんだよな…

必死に努力してる奴よりも何もしてないのに上に立つ。

どうも、罪悪感が大きいな。


「へぇ、圭介様ってそんな事出来るんだ、何でも出来るね」

「うん!」


憧れに影響されるからな、どうしても何でも出来るようになる。

性格その物に影響が出ないみたいで助かったという感じかな。

……いや、もしかして本来の四宮の神はかなり影響受けてたりするのかも?

俺の場合、男の俺は茜の信仰の力に強い影響を受けてるみたいだから

性格に大きな変化は無いが、根本にあるであろう四宮の神には影響があるのかもな。


「やっぱり神様は凄いんだなぁ」

「うん!」

「…時雨様だって、沢山の事を知っていますよ」

「あ、恋歌さん、おはようございます!」

「お、おはようございます…」


どうやら、茜たちが会話をしていると恋歌が目を覚ましたようだった。

このメンバーの中で1番起きるのが遅いんだな。

1番起きるのが遅いのは水希かなと思ったが。

考えてみりゃ、あいつはしばらくの間はサバイバルをしていたし

時音の巫女だ、規則正しく起きるのはまぁ、当たり前なのかも知れない。

時音は軍神、軍に置いて、規律をしっかりと取るというのは重要な事だ。

足並みを揃え無いと、腑抜けが出て来てそいつの命を失うし

更にはそいつのせいで周りが巻き込まれる危険性だってある。

当然、戦いや軍の神であるなら、そこら辺はしっかりと理解しているはず。

ならば、その巫女である水希もしっかりと躾けるか。

逆に叡智の神である時雨の場合はしっかりとした睡眠を取らせようとするかな。

睡眠は頭の回転にも必要不可欠な行為だ。

中途半端に寝ては寝ぼけるから頭に知識が入ってこないだろう。

逆にしっかりと寝ていれば、知識の吸収も早くなるだろう。

だが、寝過ぎる場合は脳が目覚めないだろうから効率は悪くなる。

その丁度良い睡眠を毎日恋歌に強いているのかも知れない。


「ふぁぅ…しかし、眠たいですね…」

「そうですか?」


だが、どうやら今日はあまり眠れては居ないようだ。

恐らくは毎日規則正しい時間に寝て起きているのだろう。

しかしながら、昨日は全員で枕投げをしたから寝る時間が遅くなった。

それでも毎日起きる時間には目を覚ますから、この時間に起きたのだろう。


「はぁ、しかし昨日は散々でした、普段通りに眠れないなんて…」

「普段通りに眠れないのは当たり前だよ、むしろ普段通りに眠れることは

 感謝しないといけない事なんだよ? 普通はいつもの時間に眠ることは出来ないよ。

 問題が起きて、それに対処している間に時間は過ぎるのが普通なの」

「いや、無いでしょう?」

「でも、時音様はそう言ってたよ? 戦いにおいてはそれが当然だって。

 普段通りに起きて、普段通りに食べて、普段通りに遊んで、普段通りに寝る。

 これが出来る事は本当に喜ばしいことなのよ、戦いに身をおく以上

 想定外の事は絶対にあって、その想定外で普段通りがもう出来ないこともある。

 普段通りをその内出来るように、普段通りを誰かが自分で捨てて

 誰かの普段通りを守ってる。

 だから、普段通りの毎日は本当は感謝しないといけない事だってさ。

 戦いに身を置くなら、誰かの普段通りを守れるようになりなさいとも言ってた」

「圭介様も似たようなことを言ってたきがします」


言ってたっけ、まるで記憶が無いが。


「ふーむ、普段通りが尊い、あまりそう言う考えを抱いたことはありませんね」

「そうなの?」

「はい、食事も信者の方々が全て用意してくれていました。

 問題が起こったこともありませんしね」

「え…」


そりゃまぁ、信者達からして見れば、礼奏神社は生命線。

そこの巫女に何かがあったとなれば、自分達の命も危ういからな。

巫女が居なけりゃ神も力を貸してくれないと考えていても不思議じゃない。


「あなた達は違うのですか?」

「えーっとね、山明神社はそう言うの無かったかな。

 あ、でも、外に出られなくて困ってるときが多かったんだけど。

 そう言うときは大体鳥居の前に食べ物が落ちてたな-」

「食べ物?」

「そう、死んだ猪とか、死んでる鳥とか、そう言うのが落ちてたの。

 野菜が落ちてたときもたまにあったかも」

「え? 誰かが持ってきてたって事ですか?」

「分からないけど、あったんだよね、気配はしなかったけど」

「…誰だろう、水希ちゃんを必死に助けようとする人…沢山居そうだけど」


だが、その時は文月山を回ってなかったし、動いてくれそうなのは……

いや、あまり考える必要も無く分かるかな、あの時から山にいて

水希と交流が合って、何だかんだで気を遣ってる奴は1人しか居ないだろう。


「……多分、イーリアさんかな」

「お? 何でイーリアが?」

「イーリアさん、あまり口には出さないけど、水希ちゃんの事心配してるみたいだし

 戦ってる時も、傍若無人に振る舞って、ただ戦ってる振りをしてたけど。

 結局、水希ちゃんの弱点も把握してて、私達の事も考えてたし」

「…確かにイーリアならあり得るかも…今日会ったらお礼を言おう!」

「多分、自分じゃ無いって言うだろうけどね」

「そうなの? 何で?」

「恥ずかしいからかな、予想でしか無いけど」

「へぇ」


茜の知り合いに対する予想は大体当るからな、きっと茜の予想通りの反応をするだろう。

俺も何となくあいつはそんな反応をしそうとは思うしな。


「…所で、そろそろお腹が空いたのですが、もう食べても良いでしょうか?」

「あ、そうですね、長くお話ししちゃってすみません。

 それじゃあ、食べましょうか」

「よーし! いただきます!」

「いただきます」


水希の大声に続いて茜たちも同時に挨拶をして食事を始めた。

そう言えば、俺は飯を食ってなかった…とりあえず四宮神社に戻って食うかな。

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