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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第9章、成長への躍動
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修行依頼

「えー、おほん、さてと、気を取り直して

 まぁ、うちの巫女が負けたのはただの運動不足でしょう。

 霊力が搾り取られてたようですが、まぁ、命に別状はありませんしね。

 しかし、もう少し実力を…とは思いますが

 まぁ、四宮の元巫女相手なら仕方がないのでしょう」

「…す、すみません」

「いやいや、別に謝ることはありませんよ。

 しかしまぁ、もう少しうちの巫女を鍛えた方が良いかもですね。

 このままでは四宮の巫女にも山明の巫女にも負けてしまう。

 一応、叡智の神という位的には上位である訳ですし

 その巫女があっさり見せ場もなく敗北では味気ない。

 敗北自体は問題はありませんが、一方的な敗北は問題ありです。

 それで礼奏神社の評価が落ちてしまう可能性もありますしね」

「そんなんで落ちるか?」

「さぁ、どうでしょう、でも可能性はあります。

 ですので、少しうちの巫女を連れてくるので稽古をお願いします」

「……あなたですれば?」

「いや、私は神ですからね、相手になりませんよ」


叡智を司っているとは言え神だからな、実力が違うか。

なら、同じ様な実力である筈の茜や水希と稽古って感じかな。


「では、っと言っても、既に呼んでありますが」


そう言い、時雨が指を鳴らすと、妙な空間が現われ

そこから恋歌がいきなり出て来て、大きく尻餅をついた。


「うぅ…」

「さ、鍛えてやってください」

「え!? ここ何処です!?」

「…これまさか、無理矢理連れてきたんじゃ」

「…うぅ、ここ何処ですか、ボロい神社が…」

「……これ、私は怒っても良いのよね」

「恋歌、状況を理解するより速く悪口は言わない」

「は! 時雨様!」

「全く、誰に似たのでしょうね」

「十中八九あんたよ」

「え? あ、あぁ! ここ何処ですかぁ!?

 誰ですかあなた達は! 妖怪、妖怪ですね!」

「まぁ、妖怪ね」

「く、何故妖怪が…退治せねば!」

「…まぁ、売られた喧嘩は買うんだけど、お祓い棒程度で俺に勝てるかい?」

「妖怪退治は巫女の生業、いざ!」


しかしまぁ、相手はイーリア、そんじょそこらの妖怪とは訳が違う。

恋歌はすぐにイーリアに戦いを挑み、1回も攻撃を当てる事無くダウンした。


「はぁ、はぁ、つ、強い!」

「…いや、俺は何もしてないけど」

「イーリアさん相手に1対1とか絶対に無理ですよ」

「イーリア強いし」

「…お、同じ巫女が…私と一緒にあの妖怪を退治をしましょう!」

「え? いや、それは」

「おー! 良いよ! あたいイーリアと久し振りに戦いたいの!」

「…わ、私はあまり戦いは…」

「お願いします! 私の恩人!」

「覚えてたんだ…でも、イーリアさんと戦うのはなぁ…いやだよ、大変だもん」

「さ、流石の俺でも3人相手はちょっと悩むが、良いぜ、やってやろうじゃん」

「あれ? 自然な流れで私も人数に入ってる!?」

「3人なら勝てます!」


…あの3人とイーリアの戦い、面白そうではあるな。


「しかし、恋歌って、結構馬鹿キャラ? 意外と短絡的で周囲見えてないし」

「パニックなんでしょうね、あの子は不意の事態に弱いんで」

「弱すぎでしょ、仮にイーリア倒せても周囲は妖怪だらけだっての」

「他にも鬼もおるし天狗も大天狗もおるからな、あげく半妖であるうちと葵もおる。

 後は藜ちゃんか、どう考えても勝てへんやろう。

 茜ちゃんが圭介はんを降ろせば余裕やろうけどな」

「ちょ! お前ら強くなりすぎだろ! 2人で組んでるとき超強えー!」


イーリアが茜と水希の猛攻撃にかなりの苦戦をしている。


「うりゃうりゃりゃぁ!」

「ち! 無茶苦茶してんじゃ!」

「水希ちゃん、もう少し位は防御を考えようよ…」

「ちょっと! お前らどんだけ強くなってんだよ!

 師匠達よりも強ーだろ!」

「お? そりゃ聞き捨てならへんなぁ、のぅ、あお…」

「うぅ…茜、立派になって…」

「…あかん、親バカや」

「……」


実際、茜の実力は相当ではある、だが、正直イーリアを圧倒できるほどの

実力はまだ無かったはずだ、そもそも攻撃が出来ないからな。

当然、水希もイーリアには遠く及んでいない。

攻撃ばかりに気を取られるからいつも防御が疎かになる。

イーリアとの戦いになれば、当然そこを突かれて敗北する。


「2人の実力をただプラスしただけじゃ当然イーリアには届かないでしょうね

 でもまぁ、なんで圧倒してるのか、それ位はすぐに分かるわね」

「あぁ、流石にな」


2人の事を知らなくても、圧倒している理由はすぐに分かるだろう。

お互いがお互いの弱点を完全にフォローしているからだ。

意図的に相手をフォローしているのは茜だけだが

水希はその行動その物が茜の弱点を補っている。

水希の超攻撃的な戦いと相手の動きを予想して防ぐ洞察力を持つ茜。

相性が良いのは間違いない…まぁ、茜は大体の相手と完璧な連携が出来るだろうがな。


「ち! 水希の攻撃を避け続けるのはしんどい

 反撃を仕掛けたとしても、その反撃は茜に完璧に防がれる。

 こいつ、俺の動きと水希の癖、両方を完全に把握してやがる!」

「うりゃぁい!」

「ち!」


こう言う場面ではまず最初に茜を潰すのが最も最善の策だろう。

だが、茜を落とすのは正直かなり難しいのは間違いない。

茜は防御特化、力ではイーリアが勝ってはいるが

茜は流しによる回避を主流にしている。

がむしゃらな力で攻撃しては茜に捌かれ、大きな隙が生まれる。

その間に水希の攻撃が飛んで来れば、流石に回避は難しいだろう。

茜に攻撃を仕掛けるのは危険、なら水希に攻撃を仕掛けるしかない。


「本当相性良いな、お前らは…このままじゃジリ貧か」

「…そこだ!」

「あぁ、あと1人いたの忘れてた」


背後からの攻撃をイーリアは結構あっさりと回避する。

だが、その回避によるよろめきは大きかった。


「捉えたよ!」

「ちょ!」


水希の攻撃がギリギリイーリアの頬を掠めた、更に体勢が大きくブレる。


「そこです!」

「い!」


そのよろめきに対し追撃を仕掛けたのは

今まで防御に専念していた茜だった。

予想外の攻撃にイーリアは反応することが出来ず、大きく仰け反り尻餅をつく。


「うぅ、ま、負けちまった…完敗だな、まさか茜が動くとはね」

「やりました!」

「いえーい!」

「よし! このまま退治です!」

「いやいや、退治は止めなさい」

「時雨様! し、しかし相手は妖怪で!」

「まぁ、もし彼女を退治しようものなら、恐らくあなたは死にますよ?

 周囲を確認しなさい」

「え…あ!」


冷静になり、周囲を確認した時雨は自分の状況を理解したようだった。


「……す、すみませんでした」

「流石にこの戦力差は理解できたようで安心しましたよ」


いや、この状況を理解できないのはおかしいだろう…まぁ良いか。

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