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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第8章、動き出した世界
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新入りの紹介

「…こ、こんにちは…し、四宮 藜です」

「……」


四宮神社に戻り、俺達は四宮神社でグータラしてた

兎たちを引き連れ、山明神社に茜達巫女を連れて行った。

キキ達には見張りをして貰ってる、見張りと言うよりは

時雨が来たときに色々と伝えて貰う為だ。

だから今回は山明神社のメンバーと花木達兎メンバー。

で、偶然山明神社に居合わせた天狗コンビとチャイム。

イーリアも稻もいて、今回は結構な大所帯だ。

ま、出来れば全員に伝えたいが都合があるからな。

とりあえず俺はこいつらに藜の話をした。

彼女が元四宮の巫女候補で、現在は妖怪になっていると言う事。

葵と茜との関係などを事細かに伝える。


「…い、いやぁ、な、何だか茜ちゃんと瓜二つだったから驚いたよ~」

「いやまぁ、雰囲気は分かるけど」

「……ふふ、うちには分かるで! そっちが茜ちゃんや!」

「藜です」

「ふふふ、師匠は甘いね、あっちが茜!」

「さ、流石に分かって当然というか…」

「ふふん、流石あたい!」

「いや、流石に分かるだろ、水希…得意げになるなよ。

 そもそも、俺とかだったら1発で分かるさ、気配で」

「妖怪と人間だしな」

「むぅ、しかし元人間が多いわね、しかも揃いも揃って全員超強いし…」


葵に水菜、そして藜、どっちも元巫女だというのが特徴かな。

実際、葵の実力はかなりだし、鬼とタイマンも張れる。

同じく水菜も鬼と一騎打ちだって出来る程の実力者。

藜は…最近じゃ鬼にも匹敵しそうなレベルに成長している

水希と互角以上に渡り合える茜と互角に戦ってたわけだから

実力は水希以上茜以下って所が無難か。

こう考えてみると、茜って相当強くなったと思う。


「水菜は大した事無いですよ」

「なんやて、言ってくれるやないか」

「擂様! け、圭介さんの前です!」

「あぁ、そうか…申し訳ない」

「ちぇー、まるーなってもうて」

「…いつかケリを付けてやるからな」

「せやな、ま、うちの圧勝しかないがのぅ」

「ほぅ、まだ言うか?」

「巫女時代のうちと互角、今のうちは半妖、勝負は既に決しとるで」

「やってみないと分からないと思うが?」

「ええで、ほんならはよ」

「止めなさい!」

「うっぷ! ちょっと葵! 何でうちだけなんや!」

「原因があなただからよ脳筋、開幕から喧嘩腰ってどうよ

 私の大事なもう1人の家族の顔を見せようとしたんだから!」

「藜ちゃんか、ま-、大分実力はありそうやな

 茜ちゃんと瓜二つやからかもしれへんがな」

「馬鹿ね私の弟子よ、確実に伸びるわ! いや、伸ばすわ!

 私は茜と藜、2人の可愛い妹達を大きく成長させる義務があるの!」

「藜ちゃんをおって茜ちゃんを放置してたのに~?」

「うぐ!」

「圭介が来なかったら、茜ちゃん死んでたかもだよ~?」

「うぅ…本当に深く反省してるわ…はぁ、1つの事ばかりに

 夢中になる…私の最大で最悪の弱点よ…く! 私の馬鹿!」

「待って師匠!」

「お、落ち着いて! 自分を殴ろうとしないで!」

「うぅ、でも、私はぁ、結局あなた達を1度だって救えてないのよ?

 むしろ、あなた達に苦労をさせたのはこの私なのよ…

 藜が1度死んじゃったのも、私がしっかりと見守っていなかったからで

 藜を追いかけたときも結局助けられなかったし。

 それで茜も命の危機に追いやって…私は本当に無能な師匠なのよぉ…」

「泣かないでお姉様…」

「師匠、気にしてませんよ、現に私は大丈夫でしたし

 お姉ちゃんもこうして四宮神社に戻って来れたんだから」

「でも、全部圭介のお陰だし……私は何も出来てないわ…」

「お前が必死に動いた結果がこれなんだろ?

 お前が藜を助けたいと追いかけなかったら俺は多分ここにはいない。

 多分藜だってお前に出会ってなけりゃこっちまで来なかっただろうしな。

 無駄だったなんて事は無いんだよ。

 今が幸福ならば、過去の行動は全部正解で良いのさ」

「……でも、その理屈だと今が不幸だと過去の行動が全部不正解に」

「そうなるな、だからそうならないために今を幸福にしようとするんだろ?

 何も出来なくって、全部失敗だったなんてプライドが許さないしな。

 さて、聞くまでも無いが質問だ、お前は今、幸せかい?」

「……本当、愚問ね、大事な妹達がこの場にいるのよ、幸せに決ってるわ!」

「なら、お前の行動は正解だ、茜や藜がそう言ってるんなら確実だぜ。

 2人が何か文句を言ってたりするならしっかりと反省しねーと駄目だがな」

「分かってるわよ、そんな事」


何とか葵が立ち直ってくれた、やれやれ、世話が焼ける巫女だ。


「ほーん、葵って結構脆いんやな、過ぎた事を騒いでもいみな」

「ふん!」

「あだぁ!」


水菜がそこまで言うと、さらっとイーリアの拳が水菜の頭上に入った。


「な、何するんや!」

「お前は少しくらい反省しろ! お前の自分勝手で水希が死にかけたんだぞ!?」

「大丈夫や、今が幸福なら過去の選択は全てせいか」

「ふんぬ!」

「がはぁ! く、わ、わかっとるわ! うちの行動が間違いやったって!

 さ、流石に後先考えずに動きすぎたわ…うちの自分勝手に付き合わせてすまんな」

「……?」


しかし、水希は何故自分の師匠がしんみりしているか分かってないようだ。

多分こいつ…自分が空腹で倒れてたことを覚えてない。


「なんの事か?」

「え? 神社で倒れとったって」

「え? 覚えてないよ? あたいそう言うのすぐ忘れるの!」

「え? 何でや?」

「師匠が嫌な事は全部忘れりゃええで、面倒やしって言ってたから」

「そこは覚えとるんやな」

「大事な事は覚えてどうでも良い事は全部忘れてるの!

 意味ないもん!」


こ、こいつは例えどんな環境でも生きていけそうな気がするな。


「本当、大した根性ね」

「あぁ、時音…やっと出て来たか」

「ま、暇だしね、で、その子が藜だっけ」

「は、はい! し、四宮 藜です!」

「そんな冷や汗を出さなくても大丈夫よ、何もしないから。

 そもそも、私が既にあなたに敵対してるなら

 …あなたはもう居ないわよ?」

「……は、はい!」


藜から大粒の汗がいくつも流れてきた。

いやまぁ、相手は軍神だからな、そりゃゾッとするだろう。


「じゃあ、とりあえずのんびりしてって」

「はいはい、こっちに来るのは久しいな」

「久しく腕を振るってやるわ…てか、なんで神である私が料理なんか…

 こう言うの、普通は巫女の仕事だと思うんだけど?」

「えっと、丸焼き料理なら」

「焦げてまうかもしれへんけど、それでええなら」

「…藜、あなたは料理出来るの?」

「は、はい」

「なんで私の神社の巫女共はここまで役に立たないのよ!」

「水希は少しずつ上手くなり始めてるだろ」

「ふ、師としてうちも鼻がたこうなるわ」

「お前は師として失格だがな」

「いたぁ!」


イーリアがいるから水菜にツッコミを入れてくれて楽だな。

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