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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第8章、動き出した世界
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神々の談話

とりあえず、時雨のお陰で外の状況は大体把握できた。

つまり、外を救う為には、単純に信仰を集めれば良いと言うことだな。

結界の範囲を広げ、穢れを消していく。

既に外を穢れだらけにした元凶はいないようだし

その穢れを全て排除すればそれで良いと言うことだ。


「ありがとうよ、色々と参考になった」

「全能の神である、あなたのお役に立てたのならば

 喜ばしい限りです」


やっぱり何処か裏がありそうな表情だが、まぁ、この際良いだろう。

ま、何とか解決方法も見付かって、その解決方法は

ただこのままいつも通り信仰を集めれば良いと言うことが分かった。

それなら、いつも通りに事を運んでいくとしましょうか。


「それで? あなたはどうするの? 自分の神社に帰るとか?」

「そうですね、ひとまずは周辺を回って、ゆっくりと帰ろうと思います。

 神である事を隠しながら、のんびりとね」

「ふーん、娯楽感覚なの?」

「そうですね、娯楽感覚です」


長い間神社の境内でしか過せなかったわけだしな。

広い範囲を行動出来るとなると、そりゃあ、娯楽を求めるか。

そうだな、考えてみれば礼奏神社で過ごしていた人達も

長い間その狭い範囲でしか行動出来なかったわけだし

折角広範囲を動けるようになったなら、娯楽を与えてやった方が良いかもしれない。


「そうか、じゃあ、お前の境内で過ごしてた信者達の為に祭でもすれば良いんじゃね?」

「え? あ、ま、祭をするために必要な物を買いに行こうとしてたんですよ」


嘘だな、何か耳がぴくぴく動いてる、後は視線が少しだけ逸れた。

どうやら、こいつは嘘を吐いたり恥ずかしい感情を抱くと

耳が動くみたいだな、いや、まだ1回目だし早計かも知れないが。


「嘘ね、何かあからさまに動揺してるし」

「動揺などしていませんよ、何を根拠に」

「耳、露骨に動いてるわよ、さっき話してた間は動かなかったのに」

「な!」

「ふふん、自分の癖も分からないのに叡智の神とは、笑っちゃうわ-」

「…お前は自分の癖を知ってるのか?」

「うぇ!? そ、そりゃ勿論よ! あ、えっと…わ、私は動揺したら

 ……あ、あれよ! 鼻がひくひく動くわ!」

「適当なことを言うなよ、頬をかきながら」

「え!?」

「ふ、ふん、そ、そう言うあなたも自分の癖を知らない様ですね!

 それならば、私をからかう資格などあなたにはありませんよ」

「なな! あ、あなたみたいに露骨じゃ無いし!」

「いや、お前の方が露骨だぞ、癖は」

「なぁ!」

「ふふふ、しかしながら、そこまで言うと言うことは圭介さん

 あなたは自分の癖、知ってるんですよね?」

「あぁ、そりゃ勿論、俺は考え事をする時には

 頬に手を移動させて、ちょっとだけ頬をつねってる。

 深く悩んでいるときは顎を手に乗せてる。

 動揺したときは頭をかく、こんな所だ」

「な、何故知ってるのですか!?」

「茜が指摘してくれるからな、俺の事を良く見てて

 何をしたいのかを読むのも得意で的確な行動をしてくれる。

 多分、茜はそろそろここに来て、お菓子の皿を取って

 新しいお菓子を置いてくれるだろう」


俺がそんな事を言って、少しして茜がお盆にお菓子を乗せてやって来た。


「はい、芋羊羹です、はい、時音さんお茶です。

 お皿、持っていきますね」

「あぁ、悪いな」

「いえいえ」

「…な、なんで私のお茶がない事を知ってるのよ、何も言ってないのに

 それに、丁度さっき飲んだばかりなのに」

「時音さんがお茶を飲む速度は分かりますよ、そろそろかなって

 思って持ってきました、いつも2杯は飲んでいますし。

 あ、でも、時雨さん、あなたの事はあまり知らないので…その…」

「い、いえ、構いません」


時音も時雨も動揺しているな、茜のサポート能力に。

こいつは本当に出来が良いからな、人の事をいつも気に掛けてる。

最初は壊滅的だった料理の腕も、今は優秀に成長してる。

あ、何か思いだしたら懐かしい気持ちが溢れてくるな。

そうか、これが父性って奴か、うん、本当に成長したな茜。


「それでは、失礼します」


俺達にお辞儀をして、茜は台所へ移動した。

お皿を洗うんだろう。


「な?」

「流石四宮の巫女、出来が私の巫女とは段違いですね」

「うぅ、水希も少しはこれ位…何もしてくれないし、あの子」

「教育の問題じゃねーの?」

「うぅ! た、確かに戦いしか教えてないわ…」

「私も勉強しか教えていませんでした」

「で、時雨の巫女はどんな感じなんだ?」

「えっとですね、私と同じくメガネをかけており

 巫女服は青と白ですね、髪の毛は長くして居ます。

 私に似せた感じと言った所でしょうか。

 頭は良いのですが、勉学しか教えてなかったためか

 気は利きませんね、本ばかり読んでいます。

 名前は礼奏れいそう 恋歌れんかです」

「ま、叡智の神の巫女なら頭が良くない取って感じかな」

「そうだとは思いますが」

「本当、茜が欲しいわ」

「水希が可哀想だろ? いや、あいつは別に気にしそうにないが」

「うぅ、1度神様交代したとき、本当にすごかったんだから

 何か元気なかったし! もう何かね…格の違いを思い知らされたわ

 私なんて神社に1日ぶりに戻ったのに別に何も無かったのよ!?

 何にも! 元気がないと思ったけど、むしろ元気だったんだから!」


茜は泣いてたからな…何か嬉しかった。


「…私の巫女と茜さんを交換したら…

 いえ、何も無かった場合が恐いから止めておきましょう」

「どう恐いんだよ」

「動揺も無かったら、何だか私の事とかどうでも良いのかと思いますし

 むしろ、1日だけで圭介さんに魅了されたらと思うとゾッとします」

「人をたらし見たいに言うな、1日で魅了とかあり得ないだろ」

「いや分からないわよ、あなたは憧れを吸収出来る神だし

 誰も彼もを魅了したいと憧れる誰かが居たら、と言うか多分居るし」

「……いや、ないだろ」


とは言った物の、もしかしたらあり得るかもと思ってしまった。

何かそれはそれで嫌な感じだ、憧れを吸収できるって恐いんだなと。


「無いとは言い切れないでしょう、性別を変えたときに滅茶苦茶デカかったし」

「デカいとは何処がでしょうか」

「ここ」

「……まぁ、時音さんよりは大きいのでしょうね」

「ぬぁんですって!?」

「おやおや、これはむしろ褒め言葉でしょう? 

 戦いの神であるなら、小さい方が動きやすいでしょう?」

「まぁ、その通りなんだけどね」

「と言うか、戦いの神なのに何で性別が女なんだろうな」

「…確かにそうね、何でかしら」

「……ふむ、信仰で復活したとすればやはり巫女に似るからでしょうか。

 巫女の姿が投影されて、復活する神は女になると言う感じ。

 現に、私も同じ様に女性です、やはり巫女に影響を受けてなのでしょう」

「そうかもな」

「となると、何故圭介さんが男性なのか、それはやはり不思議ですね」

「俺は元々男なんだ、転移する前から男なんだよ」

「……ですが、神という存在です、初期の段階から男性というのは少し…

 現に他の神々は全てが女性です、やはり姿が消滅して

 姿を知らなければ、やはり巫女の姿に依存する為、女性になるはずです。

 当然、姿が出来た後はその姿で固定されますから性別は変えられないはず」

「…圭介、あんたって性別変えられたわよね」

「あぁ、変るぞ、性別所か種族も変えられる、狼にもなれるし狐にもなれる」

「…やはり不思議な物ですね、特の出生…巫女の姿に依存されないなんて。

 ……そう言えば、最初期に信仰とかはあったのですか?」

「いや、無かったよ、神社もボロボロだったくらいだし」

「……余計に分からなくなりましたね、信仰が無いのに復活するとは。

 本来の四宮の神自身の意思だと考察はしましたが

 そこまでに信仰が無かったのに復活というのは。

 どのような状態で復活しました? 最初は?」

「目の前に茜がいたんだ、当時は5歳くらいだったかな」

「ふむ…うーん」


ここまで言って、何故復活できたのか、それが分かった気がした。

ついでに何故男として復活したのかも理解できた。


「…茜だな」

「え?」


俺が復活できた理由、俺がこの世界に神として転移するきっかけを作ったのは

間違いなく茜だ。

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