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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第8章、動き出した世界
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外の状況

本日から毎日この時間に投稿を再開しようと

思います!

長くお待たせしてしまい、申し訳ありません!

「さて、では早速情報交換…と、行きましょうか」

「情報交換も何もねぇ」

「確か外は散々らしいわね」

「えぇ、穢れで完全に汚染されていますね」


うん、やっぱり結界の外は殆どの人が生き残ってないと。


「そして、結界の外に住む人間達は殆ど妖怪になっています」

「妖怪になったのか!?」

「死んだ、とかじゃないのね」

「えぇ、強すぎる穢れに当てられ妖怪となっていますよ。

 一部の人間は力ある神社に逃れ、生き残ってますがね」


結界の外にどれだけの神社があるかは分からないが。

…それでも、なんとかなっていると言うことか。

それは一安心と言った所かな。


「はい、お茶です、どうぞ」

「あら、ありがとうございますね、可愛い巫女さん」

「ありがとうございます」

「…動じませんね」

「茜ちゃん、スルースキル結構あるから」

「まぁ、周りが結構な物だからな」


そりゃあ、あんな環境で育ってたらスルースキルも増すだろう。


「ま、まぁ、それは良いとして、おほん、結界の外の状態を伝えましょう」

「お願いするわ」

「では、まずは外の世界で残っている神社についてです。

 現状、結界外で辛うじて残っている神社は2つだけです。

 1つは御園神社みえんじんじゃ、食事を司る神社ですね。

 この神社の神である御園みえん 時江ときえは料理の達人らしいですよ。

 流石は食事を司る神ですね」

「時江ねぇ」

「そして、もうひとつは美寿恵神社みすえじんじゃ商業を司る神です。

 その神社の神である美寿恵みすえ 音時花おとは、商業の神だけあって

 かなり取っつきにくい性格ですよ、多分、私の方が取っつきにくいですが」

「ふーん、音時花、時江か…しかしなんだ、妙な共通点があるな」

「おやおや、そうですか?」

「あぁ、ことごとく時が入ってるな、時音、時雨、時江、音時花だしな」

「そうなると、あなたのお名前だけは妙に不自然ですね、圭介さん」

「そうだな」


元々、圭介という名前は俺の名前だからな。

多分だが、本来の名前には時という感じが入っていたんだろう。

本当は四宮幸時とか、そんな感じだったりして。


「…さて、まぁ、私も本当はかなり疑ってたことでもありますけど。

 ふふ、そうなると、少しだけ確信に近付きますね」

「なんだよ」

「…圭介さん…あなた、本来は四宮の神ではないでしょ?」

「……」

「は? どう言うことよ!?」

「いや、彼が今、四宮の神だというのは間違いない事実ですよ。

 完全に神です、その存在感も実力も神であるのは違いありません。

 ですが、私の予想では、彼は本来の四宮の神ではない。

 何かしらの要因で、存在が消えかけていた四宮の神と融合した」

「はぁ!?」

「恐らく、四宮の神自身の意志でしょうね。

 この世界を司る筈の四宮の神、その消失は世界にはあまりにも大きい。

 私達はまだ消えても復活は可能でしたが、四宮の神は厳しかった。

 結界の維持、その為にも四宮の神という存在は必須だった。

 だから、四宮の神は依り代を探した、自分と言う自我を消滅させてでも

 この世界を存続するために…そして、その依り代に選ばれたのがあなた」

「…面白い考察だな、時雨…だがまぁ、その問いに答えはないぞ」

「と、言うと?」

「俺も知らないからだ」


俺も何故ここの神になったかは知らない、本来の神の姿も分かりゃしない。

だから、この問いに答えることは出来ない、だって、俺にも分からないんだから。


「なる程、完全に偶然、そして強制的にあなたは依り代になったと」

「そうだな、だが、殆どあってるぞ、俺は本来は神じゃない。

 いつの間にかここで目が覚めて、神と言う事になってた。

 そして、今じゃ正真正銘の神だ」

「言わば、転生と言う奴ですか?」

「まぁ、そうなるのか? 転生というか転移っぽいけど」

「…しかし、四宮の神は殆ど力など無かったと思いますけどね。

 あの禍津神との戦いで力はほぼ全てを失い信仰も失っていたはず。

 それが、何処からか人の身体を見つけ出し、こうして力を与え

 ここまでの実力を与える事など不可能だと思いますが…

 確かに四宮の神は規格外の実力を持っていますが。

 それでも、これほどの力は残っては居ないはずです。

 仮にも禍津神の殆どを封じたのです、もはや力は無いはず。

 出し惜しみなどと言う事をするとも思えませんしね」

「もう禍津神は居ないのか?」

「えぇ、もうね、少なくとも存在力は殆どありません。

 四宮の神を筆頭とした神々に封じられています。

 しかしながら、穢れは蔓延し、神々にももはやその穢れを払う力は無い。

 手の届く僅かな範囲しか払えないほどに弱くなっていたはずなのですよ。

 それがどうでしょう、あなたはその穢れを払いながら守護範囲を広げている。

 現にそのお陰で私、礼奏時雨が守護する礼奏神社も救われた。

 そして、あなたもですね、山明時音さん」

「そうね、存在までも復活したわけだし」

「あなたには異常な程の力があるという事ですよ、圭介さん。

 元の四宮の神さえも越えかねないほどの力をね」

「…喜ぶべきなのか?」

「いえ、疑問に思うべきです、元の神さえも越える力を何故あなたが得たのかを」


確かに、元の四宮の神から力を渡されたというなら

その四宮の神を越えるのは難しいんじゃないか?

だが、時雨の言うとおりだとすれば、俺は何故か四宮の神さえも越えている。

それが何故か…確かに疑問に思うところだ。


「あ、お菓子をどうぞ」

「あ、ありがとうね、あれ、お団子」

「はい、知り合いから貰ったお団子です」

「それはそれは、ありがたいですね、では遠慮無くいただきましょう」


時雨は茜に出された団子を口に運んだ。


「こ、これは…美味い!」

「あ、良かったです!」

「へぇ、流石花木、叡智の神さえ唸るとはね」

「これは…何処で!? 一体誰が!」

「はい、人里でお団子屋さんを経営してる友人です」

「ほぅ、では、今すぐそこへ行きます!」

「いや、情報交換は?」

「う、た、確かに情報交換は…しかし、もっと食べたいとも」

「それにほら、多分そろそろ来るから」

「え?」

「いやぁ~ 今日も大変だったね~」

「…まさか、あの姿」

「そうだ、その団子を作ったのは妖怪兎でね」

「…う、う~ん、どうもすごい気配だな~」

「おやおや、私の気配が分かるのですね」

「…み、見た感じだけでも、すごいのが分かるよ~」

「さて、あなたは? あ、私は礼奏時雨

 最近、この結界の中に入ってきた神ですよ」

「範囲が広くなってるのは知ってるけど~」

「と、頭領様、あの人、絶対すごい人です!」

「それは分かるよ~、でも、圭介の方がすごそうだけどね~」

「良い勘をしてますね、他の妖怪兎よりも聡明と」

「…聡明って初めて言われたよ~」

「まぁ、やる気が無さそうですしね」

「あ、あはは~」


実際、花木はただの妖怪と比べれば聡明ではある。

やる気は全くないが、その代わり人望は圧倒的だろう。


「しかし、やはり妖怪が何人も来るというのは間違いない様ですね」

「人には危害を加えない妖怪だけだがな」

「当然でしょうね、それは」


流石に人に危害を加える妖怪を境内には置いておけないからな。


「さて、ではそこの妖怪兎さん達、お話し、しましょうか?」

「…う、うぅ~」


どうやら花木は時雨の事を警戒しているようだ。

まぁ、こいつと話すって言うのは大分大変だろうからな。


「おやおや、嫌われちゃいましたか」

「近寄りがたいだけよ、あなたがね」

「そんな気はしてましたよ、まぁ、ご安心ください。

 会話の中であなた達の事を知ろうとしているだけですよ。

 私は何でも知りたいんです、あなた達の事も何もかも。

 それが叡智の神である私の役目であり、存在意義ですからね。

 知識の探求、ただひたすらにそれをしたいだけですから。

 別に危害は加えませんよ…意図的には」

「意図的以外には危害を加えるのか?」

「意図的な事以外は約束できませんからね、偶然という物は存在します。

 例え神であろうとも、偶然をねじ曲げることは出来ませんよ。

 運命を操ることも…本来はね」

「ほぅ、例外でも居るのかい?」

「えぇ、今、私の目の前に」

「大体分かってたよ」

「全ての憧れの象徴である圭介、そりゃあ、運命操作も可能かもね」

「まぁ、興味無いからしないかもだけどな」

「簡単に干渉されてはたまった物じゃありませんし丁度良いですよ」


簡単に運命を変える…簡単に言ってるが、重大すぎることだな。

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