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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、新春の神社! 1年の終わりと1年の始まり
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忙しいお正月

大晦日が終わったからと言って、休む暇は無い。

この時期は大晦日にお正月、連続してくるから大変だ。


「よし、さっさと屋台を出していくぞ」

「はい!」


零時を過ぎてから、俺達は屋台の準備を始めた。

準備と言っても、ただ完成した屋台を境内に出すだけだ。

結構境内も広くなってきているから、かなりの屋台を置ける。


「よしよし! やっちゃうよ~!」


で、この屋台でやる気を出しているのは当然ながら花木だ。

こいつは普段はぐーたらだから、その反動でこう言う祭りでは

異常な程の持久力を持ち、恐ろしい程のテンションになる。

更に能力を完璧に発揮できるからか、団子も普段よりも美味しい。


「行くよ~! 総動員だ~!」

「はい!」


だが、あの何処か抜けた話し方は、あまり変わらない。


「キキは一体どれだけの時間…こうやっておればよいのじゃろうか」

「じゃあ、この勝負はわっちの」

「何を!? キキは負けておらぬ!」


あの2人にとっては初めての大晦日と初詣だな。

神様になってまだ間もないからな、変化したのは今年だし

確か睦月が帰ってくる少し前くらいだったかな、確か1月の4日だ。


「2日連続であの体勢で立ちっぱなしってのはキツそうだな」


座っている体勢だとは言え、同じ体勢をジッと取っていると言うのは

かなりキツいはずだ。

同じ体勢、と言うのはやっぱりしんどいからな。


「で、茜も結構大変そうだな」


何年間もやっているとは言え、いつもこの時期はかなり大変そうにしている。

いや、今年は初めての試みかもしれない、今までは水希にも協力して貰い

交代交代でお祓いをしていたんだからな。

だが、今回からはお互い1人、交代することは出来ない。

休む時間があれば良いのだろうが、四宮神社は結構信仰がある。

だから、この時期は休む暇が無い程の人数がやってくる。

それが3日間続くんだ、茜1人だと大分キツいだろう。

…でも、どうする? 援護を頼めそうな奴は居ない。

ここら辺にそう言った神職は居ないしな。


「ふぅ、賑わってるわね、本当、私が居た頃とは大違いね」

「葵! 良いところに来たな!」

「ん? え? 何?」


丁度良いタイミングに葵が四宮神社にやって来てくれた。

本当に助かった、今は絶望的なほどに人手が足りないからな。

妖怪兎たちも大忙しだし、久里達は参拝客の誘導と安全確保とお守りの購買

サラと四季も人数の問題でやって貰ってるし

刀子は化け狸達と協力してお守りの購買でリーダー的ポジションだ。

キキとキャンは狛犬として振る舞って貰ってるしな。


「あのな、実は茜がかなりキツそうでな、流石に3日間休まずに

 この数を捌ききるのは無理があると思うんだ、だが、人手は足りない」

「まぁ、そりゃあ、この盛況を見れば分かるわ、妖怪兎と化け狸達を

 総動員してもギリギリと、人気すぎるのも辛いわね」

「まぁな、で、だ、祝詞を上げたりするのが今は茜しかいないんだ

 四宮神社に神主は居ないし、居るのは茜だけだからな」

「なる程ね、そこで先代の四宮の巫女であり、茜の師匠である

 この私の出番という訳ね、でも、今までは…あぁ、そうか

 そうよね、山明神社の方も今は人の信仰も回復してきているし

 忙しくなって、手を貸して貰えないという訳ね」

「そう言う事だ、まぁ、多分、向こうもかなり大変だろうけどな」


まともに動いてくれる奴があまり居ないわけだし、かなりキツいだろうな。

こっちは花木率いる妖怪兎達、久里率いる化け狸達と言う、優秀な助っ人が居るが

向こうはあまり統率が取れてないみたいだし。


「そうね…じゃ、良いわ、手伝ってあげる、久々に巫女をするのも良いでしょう」

「ありがとよ」

「でも、半分妖怪である私が巫女ね、良いのかしら」

「そんな事を今更気にすると?」

「ま、そうよね、ここで動いてる殆どが妖怪だし、今更か」

「そう言う事だ、頼むぞ…あ、キツくなったら言ってくれ

 一応、俺が姿を変えてその間やっておくから」

「じゃあ、最初からそうすれば…」

「一応、俺が四宮神社の象徴的な立場だし、あまりにも長く姿を消していると

 参拝客が動揺するからさ、あまり変わってはいられないんだ」

「まぁ、そうよね、3日間の睡眠時間も考えるとあなたが茜の代わりに

 となると、かなり長い間姿を消すことになるし、仕方ないか」

「そう言う事だ、頼むぞ」

「分かったわ、出来る事は全力でやってやろうじゃ無い」


葵がかなりやる気を出してくれて、さっさと準備を整え

茜の方に走っていった。

茜は葵の姿を見た途端、かなり嬉しそうな表情になり

葵と少し会話をした後、さっさと席を立ち、神社の中に姿を消した。

その代わりに俺のお願い通り、葵が参拝客の相手をして居る。


「よし、これで茜は休めるな」


とりあえず、俺は今度、何処に行こうか…周りが働いてるのに

自分だけ縁側でのんびり、と言う訳にはいかないし。

でも、全体的に人では足りているようだからやることは無い。

まぁ、俺の仕事は現場管理みたいな物だし

縁側で神社全体を見て状況を確認しておくとしよう。

何かハプニングがあったら動く感じでな。

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