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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第7章、秋の始まり
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空腹の猫

「もう終わっていたなんて…うにゃぁー…」


先頭に立っていたチャイムが祭りが終わったと言う事を聞かされると同時にその場に倒れ込んだ。

どれだけ全力で走ってきたのか知らないが、化け猫の里の猫たち全員も同じ様だ。

と言うか、駄目だったと分かって全員がほぼ同時に倒れ込むとは仲が良いな。


「いやぁ、悪いわね-、終わってるって伝えるの忘れてたのよ-」


そんな化け猫達に対して、凄く棒読みで謝罪の言葉を発した

何というか、これ謝罪じゃ無いよな、完全におちょくってるよな。


「うぅ、謝っていただかずとも問題無いですにゃ…僕が早とちりしたのが悪いのですにゃ」


んで、チャイムは時音の超棒読みの謝罪を本当の謝罪だと勘違いしたらしい。

もう少し疑うという事を覚えれば良いのに、もしかして強い奴に対しては疑いを持たないのかもな。


「うにゃぅ…お腹が空きましたにゃぁ」

「チャイム様ぁ、ご飯が欲しいです~」

「が、我慢するにゃ、空腹は僕も同じにゃ…」


まぁ、祭り中ずっと寝てたらしいし、食ってないのか

それに猫は夜行性だし、飯を食うとしたらこの時間帯なのか。

で、飯を食おうとしたら祭りがって聞いて、急いで来たから空腹、とまぁ、こんな所かな。


「だそうよ、どうする? 圭介? 可哀想よ?」

「テメェが元凶だろうが、このドSが」

「いやねぇ、私はサドじゃ無いわよ? ただ相手を痛めつけるのが好きなだけよ

 あ、勿論軍神としてね、戦いは無慈悲に容赦なくってね」

「いや、これただの無意味な嫌がらせだろ?」

「そうとも言うわね」


俺の言葉に時音が悪戯な笑顔を見せた、はぁ、本当にこいつに振り回される奴は大変そうだな。

主に文月山の妖怪達は苦労しそうだ、でもきっとあれなんだろうな

巫女達が散々だから結構鬱憤溜まってるのかも知れない。

鬱憤を発散する為に目を付けられる奴は大変だな。


「本当に全く…仕方ない、ほら時音、お前が原因なんだ、テメェも手伝えよ?」

「分かってるわ、やるわよ、元々そのつもりだったしね」

「そうかい、じゃ、やるか、おいお前ら、仕方ないから俺達で飯を作ってやる」

「ほ、本当ですかにゃ!? 頭領様!」

「腹減ってる野良猫を放置するのはあれだしな」

「ありがとうですにゃ! でも、私達は野良猫ではなく、どっちかと言うと頭領様のペットですにゃ」

「テメェら、その姿で自分達の事をペットとか言うな、仮にも人の姿してんだ、自覚しろ馬鹿」

「では! ペットでは無く飼い猫ですにゃ!」


いや、殆ど意味変わってないだろ…でもまぁ、ペットよりはマシだな。

はぁ、これ以上なんか言っても迷宮に入るだけだろうし、放置しとこう。

それにそもそも最初にこいつらの事を野良猫って言ったの俺だし。


「じゃ、作るか」

「そうね、でも流石に数が多いわ、と言うわけで茜達にも手伝って貰いましょう」


はぁ!? ちょ、こいつしれっと何言ってんだ!? 


「お前、何言ってんだよ!? このメンバーには料理が壊滅的な奴が居るんだぞ!?」

「良いじゃ無いの、それにほら、ギャンブル性があった方が面白いわ」

「お前やっぱりドSだろ、ただでさえ空腹でヤバいチャイム達に追い打ち掛けて楽しむとかよ」

「だからサドじゃ無いわ、ただ相手の苦しむ顔を見るのが好きなだけで」

「だからそれをサドって言うんだよ! もしかしてあれか? お前意外と馬鹿?」

「し、真剣な顔で言わないでよ、冗談よ全部まとめて、苦しむ顔を見るのが好きなわけじゃ無いわ

 ただ、何か今日は気分良いし、悪戯したくなるのよ、特にほら、あの子達の泣きっ面見てると

 何か湧いてこない? もっと苦しんでる姿見てみたいとか」

「やっぱ、お前ドSだろ」

「うぐ…そ、そうかも知れないわ」


やっぱり自覚がなかったんだな、ただ、これで少しは心を入れ替えて。


「よし、そうね、もうあれねこうなったら心を入れ替えて全力で自分の趣味を肯定してやるわ」


悪い方向に心入れ替えた! 駄目な方に心入れ替えたよこいつ!


「お前良いのか? そんなんじゃ、その内ドS集団に信仰されるぞ? もしくはドM集団に」

「…何か嫌ね、やっぱり止めとくわ」


はぁ、何とか暴走を押さえてくれた、全くもって手の掛かる奴だ。

本当なんか普段は冷静そうな感じなのにテンション上がると面倒だな。


「でも、全員巻込んで料理はするわ! 面白そうだもの!」

「あぁ、やっぱ駄目かもしんね」


結局時音は強引に全員で料理をすることを強行した。

ただ今回は俺が何とか全員分をカバーすることで

チャイム達の食事がロシアンルーレットになる事は無かった。

その代わり、俺がかなり疲れてしまった。


「お、美味しいですにゃぁ!」


でもまぁ、化け猫共の嬉しそうな表情を見て、頑張った甲斐があったとは思った。


「うん、美味しそうに食べてて良いわね」

「お前はどっちなんだよ、苦しんでる顔を見たいのか幸せそうな顔を見たいのか」

「両方よ、気に入った奴の表情ならどっちだろうと構わないからね

 ま、今回はこの子達の嬉しそうな表情しか見れなかったけど、悪くないわね」

「そうかい」

「それと、苦しんでる表情も見れたし満足よ」

「あぁ? 誰が苦しんでんだよ」

「精々悩みなさいな、ま、答えは教えないけど」

「悩まねぇよ、正直どうでも良いからな」

「つまらないわね、ま、別に良いけど」

「それよりも意外だったのはお前がこいつらの事を気に入ってるって事だな」

「あ-、そうね、信者だし」


やっぱり信者のことは大事にするのか…大事? まぁ、そこは疑問だが、良いか。

とりあえず久々にこいつらの面も見れたし、まぁ、満足だ。

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