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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第6章、夏へ向けて
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女難の相

「・・・・うぐぐ、ケロの天敵めぇ!」

「う、うーん、私、何か悪い事したのでしょうか」

「いや、お前は全然悪くない、全部こいつの嫉妬だし」

「嫉妬じゃないケロ! これは正当な抗議ケロ! ケロの努力を全て否定するのが悪いケロ!」


何というか、こいつの嫉妬は止まらないみたいだな、胸とか気にするのはよく分からないが。

てか、胸っておまけじゃ無いのか? 大事なのは中身だと思うが。

でもまぁ、俺がどうこう言っても説得力も何も無いし、火に油を注ぐことになりそうだしな。

俺が女の気持ちなんて理解できるわけが無いし。


「まぁまぁ、賢子さん、怒ったところで何も変わりませんよ、今は楽しまないと」

「ケロ! 茜は悔しくないのかケロ!? あんなデカ乳を見せられて!」

「く、悔しくないと言えば嘘になりますけど、嘆いても仕方ありませんし

 それに何処かで怒ってると胸が大きくならないという噂を聞いた気がします

 あと、色々と大変だったり、休む暇が無い場合や運動ばかりしてる場合は・・・・

 あ、あれ? 何でしょう、私、もう大きくならないんじゃ・・・・」


茜は基本休む事無く家事をして、何かと遊びに来る水希の相手に忙しい。

それに時たまやってくる葵とは激しい修行、後、水菜とも戦う事もあったりと

・・・・うん、成長しない要因しか無い気がするな。


「・・・・ま、まぁ、良いですし! 胸なんて無くっても良いですし!

 私はもう巫女として一生圭介様に仕えるんですから、彼氏とか必要ありませんし!」

「け、ケロ、茜、自棄にならない方が良いケロ、諦めたら全て終わりケロ

 大丈夫、毎日胸を揉んでみたり、毎日の様に牛乳を飲めばきっと大きくなるケロ!

 一緒に頑張るケロ、きっと大きくなるケロよ!」

「うぅ、賢子さん・・・・ありがとうございます!」


止めに入った茜が逆に賢子に慰められるというね

まぁ、立ち直ってくれたなら構わないが、茜、それで良いのか?


「とにかく! 今日は一生懸命遊びます! その為に湖に来たんですから!」

「ケロ、そうケロね、遊ぶケロ!」


2人は走り出し、湖の方に飛び込んでいった。

何とか遊ぶという行動に戻ってくれて良かった。


「はぁ、思春期の女の子は色々と大変ね」

「だな、でも、水希とかは問題無さそうだが」

「おぉ! よし! あたいも遊ぶよ! 待って茜!」

「あの子は戦う事くらいしか見てないし、あれよ、見た目はあんな感じでも、中身は小学生のままよ」

「それで良いのか?」

「まぁ、本人が幸せならそれで良いのよ」

「あだ!」


茜が再び泳ぎ始めるとやっぱり水希が茜の方に飛びかかり

茜にまたしても結構強烈な一撃を喰らわせた。


「あはは!」

「・・・・茜は大変そうだがな」

「ま、まぁ、そう言う星の下に生まれたのよ、振り回され系キャラって感じ」


キャラねぇ、何か久々に英語を聞いた気がする。


「ほう、キャラって言葉、知ってんのか?」

「まぁね、知らない間に覚えてる物よ、神様なんてそんな物でしょう?」


確かにたまに知識なんて無いはずなのに色々と出来たりするからな。

やっぱり神様ってそんな感じなのか、不確定な存在だな、全く。


「それじゃ、とりあえず私達ものんびりしましょうか」

「だな」


俺と時音はいつも通りに2人列んで座り、蓮の葉の上から皆の様子を見る事にした。

個人的には派手に遊ぶよりも、こうやって傍観者で全員を見守ってる方が好きだ。

楽しそうにしてる奴らを見ていると、それだけで楽しいと感じるからな。


「楽しそうよね、本当に」

「そうだな」

「こんな風に一瞬をずっと楽しめるのならさぞ幸せでしょう」

「・・・・こいつらをそんな風に幸せにするのは俺達の役目だろ?」

「そうね、時には保護者として、時には友として、そうやってあの子達の物語に参加する

 神様じゃなきゃ出来ないって訳じゃ無いけど、神様でも出来る事よね」

「だな」


俺達がのんびりと話をしていると、後ろの方から気配を感じた。


「やっぱ仲良いな、お2人さん」


後ろからイーリアが近寄ってきて、俺達の肩を持った。


「ま、同じ神だからな」

「えぇ、私達、今のこの範囲内で2人しかいない神よ、仲もよくなるわ」

「冷静に返されたか、やっぱり俺が近寄ってきてたこと、分かってたのか?」

「「当然」」

「・・・・気配は消したつもりだったが、流石は神だ」

「あら、あの程度で気配を消してたつもりなの? 駄目駄目ね、一切消えてないわ」

「そこまで酷かったか、もっと鍛えた方が良さそうだな」

「姐さん、神様相手だと仕方ないと思うんですが」

「相手が神だろうが、追いつこうと努力する、諦めてたら可能性があったとしてもゼロになる」

「大した向上心だ、まぁ、頑張れよ」

「今に見てろよ、いつか神相手だろうが互角に戦ってやる!」


互角以上じゃ無くて互角なのか、意外と謙虚なところがあるんだな。

いや、もしかしたらまずは互角に戦えるほどに強くなって、後から互角以上に成長するとか

そう言う感じの意味かも知れないが、どっちが正しいかはその時が来るまで分からないか。


「でもまぁ、今は水遊びを楽しむとするか、稻、行くぞ」

「はい! 姐さん! 何処までもお供しやす!」

「お前、たまに変な口調になるよな、まぁどうでも良いけど」


2人は楽しそうに笑いながら、湖に飛び込んだ、が、その時。


「わっぱぁ!」


丁度水面から上がってきた茜に直撃した・・・・ダメージがあったのは茜だけみたいだ。


「げ! あ、茜! 大丈夫か!?」

「・・・・うぅ、だ、大丈夫です・・・・なれてしまいましたし」

「そ、そうか・・・・なれるほど事故に遭ったって事か」

「あ、はい」

「茜ぇ!」

「あだ!」


今度は後ろから飛びついてきた水希の頭突きが茜の後頭部に直撃した。

・・・・茜、散々だな、あいつは水難の相でもあるんだろうか。

いや、水難の相と言うよりは女難の相か? 大体巻込まれ系だし。


「ぬぉぉ! キキが1番じゃ!」

「わっちじゃぁ!」

「あ・・・・」


・・・・今度はキキとキャンの喧嘩に巻込まれてる・・・・やっぱり女難の相なんじゃねぇの?

いや、まぁ、茜は女だし、女難の相と言えるか分からないが。


「あ、茜様ぁぁ! す、すみませんでしたぁ! 大丈夫ですか!? 息してますか!?」

「ぬぉぉ! ご無事ですか!? い、今すぐ手当をします!」

「・・・・茜、散々ね」

「だな」

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