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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第6章、夏へ向けて
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とにかく暑い1日

それにしても、最近は日差しが凄い強いな、まだ暑い時期じゃ無い筈なんだが。

でも、結構な暑さだ、まぁ、暑かろうが俺は熱いお茶を飲むがな。

やっぱりお茶は熱くないと、飲んだ感じがしないし。


「け、圭介様」

「どうしたんだ?」


汗だくの茜が神社の奥から出て来た、よっぽど暑かったのだろう。


「いえ、その・・・・ちょ、ちょっと暑すぎませんかね?」

「そうだな、まぁ、流石にお前みたいになる程じゃ無いが」


俺はお茶を飲みながら茜の言葉に答えた、うん、やっぱりお茶は美味い。


「本当に、こんなに暑いのに、凄く余裕そうですよね、圭介様」

「まぁ、この程度の暑さなんかでへばりゃしない」

「はぁ・・・・でも、今までで1番暑いですよ? まだ夏じゃ無いのに」

「そうだな」


昨日は結構涼しかったんだが、今日は本当に暑いからな。

やっぱり春って奴は気まぐれで困るな、特に後半は。

昼はかなり暑いのに、晩は涼しいというか、下手したら寒いし。

こう言う気まぐれな天気の時は、本当に体調管理に気を付けないと風邪を引く。

まぁ、俺は何の問題も無い、風邪なんてこっちに来て1度たりとも惹いていないんだから。

きっと、神だから何だろうな、風邪を引く神なんて聞いたこともないし。


「それに、キャン、キキ、刀子さんもバテてますし、あ、それとそこで睦月さんが」

「そうだな、暑いなら神社に来なけりゃ良いのに」

「いや、ハッキリ言うわよ、正直神社の方が涼しいわ・・・・私の家はもっと暑いんだから

 ここは結構高い場所だから風が涼しいし、風通しも良い、海も近いからね」

「え? こ、この暑さでもまだ涼しい方なんですか?」

「そうよ、もう村はものすごい暑いのよ、何かの天変地異じゃ無いのかしら?」

「天変地異は無いだろう、この程度で」


正直、この程度の暑さなら結構普通だ、こっちではレアかも知れないが

元の世界の方が絶対に熱い、この程度で暑いなんて言ってたら確実に死ぬ。


「こ、この暑さを程度って言えるって、凄いですよね」

「そうよ・・・・何で同じ神なのにキキとキャンはバテててあなたは無事なわけ?」

「何言ってんだ? サラと四季だって余裕そうじゃ無いか」


サラと四季は神社の境内で思いっきり遊び回っている。

正確には、サラが四季を振り回している感じだがな。

だが、その2人は一切汗もかいてないし、暑そうな素振りもしていない。


「うぅ、どうしてあんなに平気そうなんでしょう」

「聞いてみれば良いんじゃ無いか?」

「そうね、気になるし、何か秘訣があるなら聞きたいわ」


何故2人があそこまで暑いのが平気なのかに興味を持った2人は

サラと四季にどうして大丈夫なのかを聞くために暑い日差しの元に出て行った。


「うぅ・・・・あ、暑いです」

「あぁ、何でこんなに暑いのかしら」


何故あの2人はわざわざ暑いって行ってる日差しの元に出たんだろうか。

別に出なくても、呼べば済んだことだろうに、もしかして邪魔をしたくなかったからか?

それとも、暑さにやられて、そんな簡単な発想も出て来なかったのかもな。


「サラ、四季、聞きたいことがあるんだけど」

「ん? どったの? そんなしんどそうな顔をして」

「大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ? 汗も凄いし」

「いや、暑いから」

「じゃあ、なんでここまで来たの? 呼んでくれれば行ったのに」

「「・・・・あ」」


どうやら、気が付いていなかったようだ、やっぱり暑さにやられてたのか?


「そうだった・・・・何でこんな簡単な発想が・・・・」

「うぅ、戻ろうにも神社の縁側が遠いです・・・・」

「え? 遠いかな・・・・でも、遠いって言うんなら、木陰にでも隠れる?」

「「うん」」


かなり不安定な足取りで、2人は近くにあった木陰の方に歩いて行った。

てか、遠いって行ってたけど、普通に会話が聞える距離なんだよな。

そんなに遠くはない、正直、10歩程度で戻れる距離だろう。

本当に暑いと冷静な判断が出来なくなるんだな。


「ふぅ、涼しい」

「えっと、聞きたい事って何ですか?」

「あ、そうだった、その、2人はどうして暑いのが平気なの?」


茜の疑問を聞いて、四季とサラは凄く不思議そうな顔をした。


「・・・・暑いの?」

「へ?」

「えっと、正直私達は全く暑くないです」


はぁ、まさかの全く暑いと思っていなかったか、凄いもんだな

俺でも割と暑いように感じているのに。


「な、何で? こんなに暑いのに?」

「え~? うっそだぁー、こんなのが暑いわけ無いじゃん、むしろ気持ちいい!」

「ど、どうして!? え?」

「わ、分かりません」


ふーん、気持ちいいね、あぁ、なるほどな。


「そうだな、多分2人が妖精だからだろう」

「よ、妖精は暑さを感じないんですか!?」

「いやいや、そうじゃなくて、サラは植物の妖精だ、強い日差しは良い食事だろう」

「うん! お日様は私の大切なご飯だからね!」

「じゃあ、四季はどうしてなの?」

「そりゃあ、四季は土の妖精だからな、土が溜める熱量は結構な物があるし

 この程度の暑さで音を上げるわけが無いんだろう」

「はい、土だったころ、この程度の暑さはいっつも感じてましたから」

「そ、そう言う・・・・」


これはどう考えても種族特性みたいな感じだな、だからどうこうは出来ないだろう。


「あぁ・・・・じゃあ、私達はこの暑さを凌ぐことが出来ないんですね・・・・」

「何てこと・・・・この地獄の業火に焼かれ続けないと行けないなんて」

「・・・・そう言えば、睦月さんの周りって涼しいですよね」

「そうなの? 感じた事無いけど」

「私が居るからね」


今まで全く会話に参加してこなかった睦月の背後霊、昭子が姿を現した

さっきまで何処にいたんだろうか、姿でも隠していたのか?


「何処にいたの?」

「そうだなぁ、お姉ちゃんの体の中?」

「・・・・幽霊って便利ね」

「それをお前が言うか?」

「・・・・そう言えばそうだった、私は幽霊だった時期があったわね

 でも、誰かの体内に入った記憶は無いわ」

「だって、魂の性質が似てないと入れないんだったかな? だから姉妹じゃ無いとね」

「そうなの?」

「知らん、幽霊によるんじゃ無いか?」


幽霊が他の人に取り憑いて操るって聞いたことあるしな。

だから良くは分からない、本当にさっぱり分からないな、幽霊って奴は。


「まぁ、正直そんな事はどうでも良いわ、大事なのはこの地獄をどう切り抜けるかよ」

「そうですよね、このままだと干からびてしまいます、干物にはなりたくありません」

「・・・・じゃあ、川で水遊びでもしてくれば良いんじゃ無いか?」

「それよ! 川での水遊び! そうよ! これなら涼しくなれるわ!」

「そうですね! 流石は圭介様! さえてます!」


そんなの、最初に出てくる発想なんじゃ無いか? やっぱり暑いと冷静さが無くなるのか。

多分、そんな風に思っているのは俺だけじゃ無い、きっと四季もそう思ってる。

そんな風な表情を見せてたしな。


「川遊び!」

「よっしゃぁ! それだぁ!」


茜と睦月の叫び声が聞えたのか、さっきまで神社内部で溶けかけていた2人が反応した。

ただ、キキだけは未だに溶けかけている、きっと聞えてないのだろう。


「キキ! 川だ! 川に行くぞ!」

「何じゃ、化け狼、川なんぞに向う必要は無いのじゃ、妾は余裕なのじゃ、この程度の暑さなど

 我々狐の前では氷水じゃ、この程度で音を上げるなど所詮は化け狼じゃなぁ」

「キキ、お前にかなり堪えてるな、普段は馬鹿犬なのに今は化け狼、一人称も

 普段は自分の名前のくせに今回は無駄に偉そうにしやがって、そんなんだから

 お前はぐうたらなんだ、少しは僕を見習えよ」

「お、お主もじゃないか、何じゃよ僕って、馬鹿なのか? やはり馬鹿狸じゃなぁ」

「わ、わっちは犬じゃ無い、狼だ・・・・うぅ」


・・・・やっぱり、暑さって奴はかなりヤバいんだな、あの2人の性格がおかしくなってるし。

てか、会話もあまり成立してないし・・・・こりゃあ、対策練らないと不味いな。

とりあえず、今日は川に向うとして・・・・明日も暑かったらどうするか。


「・・・・はぁ、とにかく行くぞ、暑さにやられてるようだし」

「こ、この程度の暑さ、き、キキは一切問題ないのです、ここの馬鹿な狼と一緒にしないで欲しいのです」

「は、はん、偉そうに、強がってるだけじゃ無いか、でも、わ、わっちは大丈夫です

 ここの馬鹿な狐なんかよりも強いですから」

「な、何じゃと、この犬めぇ!」

「う、うるさい、お前なんか体毛全部燃えれば良いんだ」

「それはこっちの台詞じゃ、お主なんぞ無駄にもふもふした体毛全部焼けて

 涼しげな姿で犬らしく自分の尻尾を追いかけ回しておれば良いのじゃ!」

「何おぉぉ! お前なんか涼しげな姿でお肉~、とかやってれば良いんだ!」

「言わせておけばぁ!」


何だか小学生・・・・いや、幼稚園児レベルの幼稚な口喧嘩が始まったぞ。

こりゃあ、本当に不味いみたいだな、さっさと川に行くとするか。

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