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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第5章、四宮花見祭り
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美しい儚さを象徴する花

それから、しばらくの時間が経過した、桜の花はもうそろそろ全て散り始めている。

やっぱり、桜の花が満開なのは短い間らしい。

流石は美しさと儚さを象徴する花だ、花が散る度に人が減っているのを見て余計そう思う。


「そろそろ桜も完全に散るか」

「そうね、美しい儚さを教えてくれる花だから」

「結局、終始忙しくてお洒落大会出来ませんでしたね」

「あぁ、そう言えばそんな話してたっけ」

「忘れないでくださいよ」


茜に言われるまでそんな話があったのを完全に忘れていた。

ずっと忙しかったからそう言う話をしていたことを忘れていたんだよな。


「とんでもなく忙しいと楽しみを忘れちゃう事ってあるからね」

「それは非常に良く分かる」


結構あるよな、長い間忙しいと、楽しみにしていた番組を忘れたり。

楽しみにしていたはずの約束が面倒くさく感じたり。

そんな風になっちまったらかなりヤバいのかもな。


「はぁ、しかしあれだな、こんな殆ど散った桜の花の下でしてもな」

「ふふ、そうでも無いわ」


時音は小さくそんな言葉を呟くと、指を鳴らした、すると俺達の周りに花木達が姿を現した。


「あれ!? どうしてここに!?」

「時音、なんでこいつらを集めたんだ?」

「それじゃあ、山明神社に行きましょうか、圭介ちゃんと皆を連れてきなさいよ」


そう言って指を鳴らした、すると今度は文月山のメンバーが同時に姿を消した。

あいつらを全員山明神社に移動させたのか?


「消えちゃいましたね、どうするんですか?」

「そりゃあ、追いかけるとりあえず留守を誰かに守って貰わないとな

 そうだな、分霊でもしてみるか」


一応神様だし出来るだろう、でも問題は何に宿すかなんだけど・・・・

とりあえず、そこら辺の座布団にでも。


「分霊?」

「とりあえず分身見たいな? 神様なら出来そうだし」


でも、問題はどうするかだよな、どうやったら分霊って出来るんだ?

とりあえず、こう、何かを分ける感じに。


「・・・・?」

「おぉ!」


よく分からないけど座布団が人型になった! だが、かなり雰囲気がおかしい。


「・・・・なんだ?」

「小っちゃい圭介様・・・・ですか?」

「女の子っぽいね~」

「いや、そんなはず無いだろ? 俺は男だし、と言うか耳が生えてるんだが?」

「あ! 今気が付きました、その座布団ってキキちゃんがいつも座ってる座布団です」


あぁ、そうかそうか、女の子になったのか、しかしなぁ、あれだよなこの子

俺が女の姿に渋々変化したときの姿にキキの姿を会わせた感じなんだよな。

言うなれば、茜似の少し凜々しい女の子にキキの童顔と耳、尻尾を良い感じに混ぜた感じだ。

目の色は茜基準で、髪の毛はキキの髪の毛と同じ、耳はキキの髪の毛の色、尻尾は黒色か。


「何となく綺麗な色ですな、それに少しキキに似ております」

「あれだな、分霊した対象がキキの座布団だったからか

 だから性別変わって、キキの影響を受けたって感じか」

「ご主人様、お留守はお任せくだしゃいませ!」

「・・・・あぁ、喋り方は見た目通りなのか、なんか噛んでるが」

「ご主人様、私のお名前を付けてくださいませなのです」

「え? 俺の分霊なら」

「駄目なのです! 私はあなたであってあなたじゃ無いのです! スーパー私なのです!」

「すーぱー?」


よく分からないんだけど、性格が変な風に融合してしまったようだ。

俺の性格に、キキの性格が変な風に融合してしまって、無駄に自信家な感じになってしまった。


「・・・・もう名前を考えるの面倒だし、けいで良いんじゃね?」


俺の圭介のけいの部分を取って惠、俺の分霊だしそんな感じで良いだろう。


「駄目なのです! 単純すぎるのです! もう少し捻ってくださいませなのですじゃ!」

「本当にこの子圭介様の分霊なんでしょうか? 全然性格が違う気がするんですが」

「こら! 茜! 私はスーパー私なのじゃぞ! お前が使えるべき神の半分なんじゃぞ?」

「おぉ! 少しキキちゃんに口調が似てますね」

「キキはあのような喋り方なのですかの?」

「なんだ、自覚無かったのか? この馬鹿」

「「馬鹿じゃ無い!」」

「ちょ! 2人はズルい!」


よく分からないが、あの分霊の方もキャンの言葉に反応して、あいつに体当たりしていった。

どうやら、俺とキキを奇妙な感じに混ぜた感じなんだな。

その結果、あんな幼稚な感じの姿、性格になったか・・・・訳が分からない。


「・・・・本当に圭介様の分霊なんでしょうか」

「そうなんじゃ無いか? 雰囲気全く違うけど」


さて、あんな暴走している姿を見て何となく名前が出て来た。


「よし、おい! お前!」

「なんでございますでしょうか?」

「お前の名前は伊央いおだ、今度からお前は伊央だ」

「伊央・・・・分かりましたです! 今日から伊央は伊央です!」


あ、一人称もキキっぽくなったな、自分を呼ぶときに自分の名前ってな。

やっぱり結構キキに影響されている感じなんだろう、性格は。


「あはは! 今度から私はスーパー伊央なのです!」


こいつは腕を組み、大きな声でそう叫んだ。


「あはは~、面白いね~、圭介の分身とは思えないほどにね~」

「あぁ、全くそう思う、どんな超反応を起こしたらここまで変わるんだか」

「でも~、案外圭介が女の子だったら~、こんな感じかも知れな、い!」


花木の馬鹿が非常に失礼な事を言いやがったから、俺はこいつの頬をつねってやった。


「お前、俺を馬鹿にしてるのか? えー? おい!」

「ほ、ほんなはへないほ、ほの-、ほの、はなひへふへはいはな~?」

(そ、そんなわけないよ、あのー、その、はなしてくれないかな~?)

「あ~? なんて言ってるんだ? えー? もう一度、ハッキリ言え!」

「ごめんなはい~!」

(ごめんなさい~!)

「なんだ、少しはハッキリ言えるんじゃ無いか」

「ひ~、痛い」


こいつの謝罪を確認して、俺はこいつをつねるのを止めた。


「さて、それじゃ、留守を頼める奴も出来たし、さて、行くか」

「そうですね」

「じゃ、行くぞ」


俺は伊央以外の全員を山明神社に移動した。


「良く来たわね」


移動してすぐに目に入ったのは、異常な程に満開の桜たちだった。

・・・・何故かは知らないが、山明神社の桜は不自然すぎるほどに満開で

殆ど散っていない、と言うか、今散り始めているタイミングだった。


「これは・・・・」

「ふふ、それじゃあ、始めましょうか! 私達だけの最高の祭りを!」

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