祭りの準備
信仰集めの為に祭りを開催することにした俺達。
ただ、すぐに祭りを開催なんて難しいだろうが、信仰の為だ。
それに、俺も参加側じゃ無くってたまには準備側に回ってみたかったし、丁度良い。
「よし、とりあえず、屋台を組み立ててみるか」
「はい!」
茜は元気よく返事をして、神社にあった木材を使い、屋台を組み立てようとした。
しかし、まぁ、まだ6歳だし、そんな上手くいくはずも無く。
「うーん、全然上手くいきません・・・」
「まぁ、無理も無い、そうだ、睦月に教えてもらえ」
「え!?私が教えるの!?」
「おぉ!確かにそうですね!お姉ちゃん!教えてください!」
茜は真っ直ぐな笑みで睦月にお願いをした。
睦月にも、この笑顔には勝てないようで、喜んで了承した。
「じゃあ、教えてあげるわ!」
「やったぁ!お姉ちゃん!ありがとう!」
「よし、それじゃあ、圭介!詳しく教えて!」
「は?」
睦月は突拍子も無く俺に教えてくれと言ってきた。
「な、何でだ?」
「だって、私大工仕事なんてした事無いし」
「じゃあ何で了承したんだ!?」
「あんな笑顔でお願いされたら受けるしか無いじゃない!」
「2度手間じゃん」
俺は少し面倒だったが、教えることにした、と言っても俺も詳しいわけじゃ無い。
俺が知ってるのは学校で習った基本知識だけだ。
まぁ、それでも教えないよりはマシだと判断し、俺は軽く説明をした。
「分かったわ!」
「これは基礎だからな、これを知ってても全部出来るわけじゃ無いぞ?」
「大丈夫よ、多分ね」
「そうかい」
俺は少し呆れたが、まぁ、大丈夫だろう。
俺は俺で屋台を組み立てるとするか。
俺達が屋台の組み立てを行い、しばらく経った。
「おぉ、頑張ってるねぇ~」
花木が姿を現した、それと1人、花木以外の人型の耳と尻尾が生えた妖怪がいた。
「その妖怪は?」
「この子は私の妖怪友達だよ~、何かを組み立てるのが得意だそうでねぇ~」
「どうも、あたしは狸の妖怪だよ」
その妖怪は大きな狸の耳と尻尾が生えている、服装は茶色と黒のしましま模様の和服で
下駄を履いている、髪の毛も茶色く、髪の毛の長さは少しだけ長い。
目の色も茶色、まさに狸って感じの見た目だ。
「狸の知り合いが居たんだな」
「うん、昔、同時に妖怪化してねぇ~」
「近くにこの子がいたもんだから仲良くなったのさ」
ほう、完全に偶然の出会いだったんだな。
しかし、同時にって事はこの狸も昔の戦いは知ってるのか。
「あぁ、そうだ、あたしも名前が無いから、つけておくれよ、神様」
「え?俺がか?」
「あぁ、神様が名付けの親ってのも面白そうだしね」
「面白いって・・・まぁ、良いか」
俺はこの狸の名前を考えることにした。
花木の友人だし、似たような物の方が良いよな、花木の名前は柿から取ってるし・・・そうだ。
「よし、久里で良いんじゃないか?」
「栗?まぁ、面白い名前ではあるが」
「いや、久里だ、まぁ、言葉で言っても難しいだろうし、ちょっと紙に書く」
俺は久里と名前を書いた。
「ふーん、そうかい、確かに名前っぽいね」
「だろ?」
「良かったねぇ~、名前が出来てさぁ~」
「そうだね、これであんたからたぬちゃんなんて言われないですむよ」
花木はこいつの事をたぬちゃんなんて呼んでいたのか。
まぁ、花木っぽいがな。
「それじゃあ、名前もついたところで、あたしも手伝うよ、なに、物を組み立てるのは得意さ」
「あぁ、頼んだ」
「あぁ、そうだ~、木材は後ろの倉庫に置いてきたよ~」
「そうなのか?ちょっと確認してみる」
少し不安はあるが、まぁ、多分大丈夫だろう、一応確認はするが。
俺は念のために四宮神社の倉庫を開けると、思った以上に沢山の木材があった。
それも、普通に使えそうな木材ばかりだ、予想では木の棒程度の奴が沢山あって
その中にちょっとだけ使えるのがあるかも?だったんだが、良い意味で予想が外れた。
「これは・・・普通に質が良いな」
「私達、兎を甘く見ないでねぇ~、これでも杵や臼を作れるんだからさぁ~
人間なんかよりも木材を集めるのは得意なんだよぉ~」
「あ?杵や臼を作れるのか?」
「うん~、私が妖怪になって、傘下の兎の一部も人間になれるようになったんだからねぇ~」
「前にこの神社に来た兎は1羽も変化しなかったが?」
「あはは、照れてたんだよ~、兎は結構恥ずかしがり屋さんなんだからさぁ~」
意外だ、兎は頭領が妖怪かしたらその傘下も人間に変化できるようになるのか・・・
兎の可能性、恐ろしいな。
「あ、それとねぇ~、狸も同じなんだってさぁ~」
「そうなのか?」
「うん、まぁ、狸は人間に化けられるし、当然なんだけどねぇ~」
そういえば昔話でも狸が人間に化けるのは良くあるな。
それが事実なのか・・・うん、世界は不思議で一杯だ、まぁ、神様になった俺が言えた口じゃ無いが。
自在に姿変えられるし、普通の人には見えないし、なんか変な力があるし・・・
「とりあえず、動物は皆頭領が妖怪化したら影響されるのか?」
「うん、すごいでしょ~?まぁ、人間みたいに集団の力で妖怪を作ったりは出来ないけどねぇ~」
「は?どういう意味だ?」
「えっと、たまに人間達の集団の認識が強くなると、人間は妖怪を作っちゃうんだよね~」
・・・人間も結構すごい力があったんだな、もしかして、俺が死ぬ前の世界でも
同じ事が出来たのかもしれないな、ただ、誰も妖怪や神様を心の底でから信じてなかったから
妖怪は姿を消し、神も仏も居なくなったのかもしれない。
「まぁ、それは良いよね~、今はお祭りの準備をしないとね~」
「そうだな、さて、頑張るか」
俺達は、信仰の為、外の人間の為にもこの祭りを開催しないといけない。
さて、準備を頑張るか。




