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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第4章、花見の為の準備
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四宮神社の勉強会

「さて、お前ら、今日は軽く勉強をするぞ」

「はーい!」


今日は花木達に勉強を教えることにしよう。

結構重要な課題だし、少なくとも漢字くらいと軽い計算は覚えていて欲しいしな。


「今日は勉強会か、やることが多いみたいだね」

「そうだな、結構多いかな」

「・・・・あの、話は変わるが、圭介、その、昨日のことは忘れてくれ」

「あぁ、覚えてた? じゃあ良かった」

「あぁ~、昨日は久里が乱れていたからね~」

「その言い方は止めてくれ」


あの言い方はちょっとな、もう少し言葉を選べば良いのに。


「それじゃあ、あたしは仕事の方をしておくから」

「勉強はしないの~?」

「あたしはこう見えても漢字や数式には強いんだ、色々と取り仕切っているからな、お前と違って」

「あはは~、酷いなぁ~、これでも私も色々と勉強してるんだよ~?」

「自分の名も分からないのにか? 商品名もひらがなだし」

「漢字なんて必要ないって思ってるし~、ひらがなでも伝わるんだからさ~」


まぁ、うん、確かに漢字はあまり必要とする場面は無いよな。

だが、言葉ってのは発声が同じで文字も同じな物もある。

だから、ひらがなだけでは無く、漢字も覚えていないと駄目なんだよな。


「ひらがなだけじゃ、迷うことがあるからな、漢字は覚えていた方が良い

 それと、簡単な計算もだ、今回はその2つを教えるから、しっかりと聴けよ」

「分かってるさ、流石に基本の勉学ぐらいは覚えていたいと思ってたしな」

「圭介が何かしてくれるなら、あたしは喜んで!」

「私もです、しっかりとサラちゃんと一緒にお勉強します」

「キキもですぞ!」

「わっちもです、茜様と圭介様のお二方と何か出来るというのなら、喜んで」


うん、どうやら、皆やる気らしい、しかし1つ疑問がある。


「茜、なんでお前も勉強を? 必要ないだろう?」

「私も学びたいことがあるんですよ、漢字の読みは殆ど覚えているんですけど

 書けませんし、計算も足し算と引き算は覚えているんですけど

 かけ算とか、割り算という物は分かりません、あと、何割引という物も分からないんですよ

 たまにお店に行ったときに、茜ちゃんには特別で1割引だって言われるんですけど、理解できませんし」


漢字の読みは出来て、書くのは苦手か、うん、良くある事だな。

茜は物を書くことはあまり無いし、手が覚えていないんだろう。

で、数学は基本の2つは出来るが、かけ算とかは出来ないと。

どうやら、買い物をするための基本スキルだけはあるみたいだ。


「まぁ、お前が勉強をしたい理由は分かった、だが、しばらくはこいつらに

 基本中の基本を教えるから、暇になるぞ?」

「大丈夫です、足し算とかは分かるので、教えるのに協力しますよ」

「おぉ、そいつはありがたい、1人だけでこいつらに教えるのは大変そうだと思ってたんだ」

「お任せください! 物事を教えるというのはした事がありませんが、やってみます!」


茜はものすごく自信満々でそう言い放った、しかし、少し不安だな。

今まで何かを教えたことがない奴が、いきなり物事を教えられるのか?

俺は茜に色々と教え込んだりしてきたから慣れているが。

だが、これも茜の成長のためか、至らないところは俺がカバーするようにしよう。

何事も経験ってね、何かを教えるのも大切な経験だろうしな。


「それじゃあ、とりあえず軽くお前達に文字という物を教えよう」

「はい!」


俺は机の上に敷いた大きな紙にまずは五十音を書いた。

流石に花木はひらがなを把握しているようだが

サラ達は分からないかもしれないしな

何事も、基礎がなっていないと何にも出来ないし。


「これがひらがなという物だ、分かるか?」

「何て書いてあるのかさっぱりわかんない!」

「それを噛み砕いて教えていく、まずは軽い発声だな、俺の後に続いて言ってくれ」

「分かりもうした!」


俺は全員の前で発声する文字を指差し、声を出してこれがどんな言葉かを教えていった。


「どうだ? 分かったか?」

「うん、普段使ってる声? って、これを言ってたんだね、あたし達」

「そうだ、普段当たり前の様に喋ってる言葉、それを文字にしたらこうなる

 で、字を書くときは、この文字を組み合わせるんだ

 そうだな、最初の内は書きたい文字を口に出してみろ

 で、その文字が何だったのかを、この中で調べて組み合わせて書いてみろ

 これはなんて言うのか忘れたら、俺達に言ってくれ、教えるから」

「分かった! じゃあ、最初は自分の名前で、さらだね!」


そう言って、ひらがなが分からない組は、俺が言った通りに

まずは自分が書きたい言葉を口に出して、五十音表を見て、書いていった。

この作業は3時間ほど続いた、そして。


「うん! 分かった! これがひらがなだね!」

「あぁ、そうだ、分かったようで良かった」


サラはようやく五十音をマスターしてくれた様だ。

じゃあ、最終試験、と言うか、軽い確認と行くかな。


「じゃあ、この紙を裏返す、で、俺が言ったひらがなを書いてくれよ? 覚えたなら出来るよな?」

「うん! 何でも来てよ!」

「じゃあ、く、だ」

「えっと、くは確かこうだ!」


サラが書いたのはくではなく、へだった、うん、凄く惜しい! とんでもなく惜しい!


「どう!? どう!?」

「えーっと、惜しい! それだとへだな」

「あぁ! 違うの!?」

「あぁ、だが、結構惜しいぞ、くはそのへを立てた字だ」

「え? それはへじゃないの?」

「それが、く、なんだ、惜しいな」

「うーん、似た文字は嫌だなぁ」


本当は覚えやすいだろうから言ったんだが、まさか覚えていないとは。

まぁ、確かに形は瓜二つだしな、立てるか寝かせてるかの違いしかないし。

やっぱり迷っちまうんだろう。


「じゃあ、ちゃんと練習するか、10回ずつ、へとく、を書いてくれ、声に出して書くんだぞ?」

「分かった! えっと、くはこっち、へはこっち」


うんうん、ちゃんと迷わずにくとへを10回ずつ書けたな。


「書いたぁ!」

「うん、よろしい、じゃあ今度は別の言葉だ、今度は、わ、だ」

「うん! 確か、こうだね!」


よし、1回で書けたな、わを覚えていたようで良かった。

やっぱり似ている字があると迷うが、なければ即決できるようだな。

その後、俺は何度か書かせた、結果正解ばかりだった、で、時間差で、く、を試した

その結果、しっかりと、く、を書くことが出来た、うん、3時間の成果は出ているな。


「よし! サラよくやった! これでひらがなは完璧だな!」

「圭介のお陰だよ! うん! 嬉しい!」


これで、俺が教えたメンバーは全員ひらがなをマスターしたわけだ。

そして、茜が教えていたキャンも何とかマスター出来たらしい、

ただ、茜が酷く疲れた顔をしているがな。


「茜、どうした? 随分と疲れてそうだな」

「あぁ、圭介様・・・・そのですね、何かを教えるというのは、しんどいですね

 やってみて分かりました、本当に私に色々と教えてくださった圭介様やお師匠様を尊敬しますよ」

「ま、良い経験になっただろう?」

「はい、本当にそう思います」


少し付かれた顔をしながらも、俺の言葉に笑顔で返してくれた。

さて、じゃあ、今度は足し算を教えるとするかな。

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