信仰収集作戦会議
この世界の秘密を花木から聞いた俺達は、信仰を集めるために本格的に動くことにした。
しかし、信仰集めと言っても今まで依頼による信仰集めしかしてない。
その為、俺達はとりあえず信仰集めの会議をすることにした。
「さて、第1回信仰収集作戦会議を始める」
「はい!」
「おぉ~」
「あれ?何で私まで?」
「さて、何か良い案はないか?」
「はい!渡しに良い考えがあるよ~」
最初に手を上げたのは花木だった、妖怪の意見なんて大丈夫か?
そんな不安はあるが、こいつはなんだかんだで博識な妖怪兎だ。
もしかしたら何か良い案を持ってくるかもしれない。
「花木、意見を言ってくれ」
「それはね~、餅つき!」
「は?」
「信仰集めと言ったら餅つきだよ~!村の人を皆呼んでさ、餅つき大会をしようよ~!」
餅つき大会って・・・いや、まぁ、兎は餅をつくっていう話は昔話とかでたまに聞くが
まさか、本当に兎は餅をつくのか・・・まぁ、それは良いとして、無理だろうな。
そんな沢山の臼や杵を用意できるはずもないし。
「無理だ、そんな餅つき大会なんて」
「なんで~!良いじゃん~!餅つき楽しいよぉ~?」
「まず、そんな大量の杵や臼はこの神社にはない」
「あぁ、確かにね~、ここの神社寂れてるしね~」
「確かにそうだが、ハッキリ言うな」
まぁ、その状況を打開する為にもこうやって信仰集めの方法を会議してるんだが・・・
しかし、花木の意見は駄目だったな、まさかここまで兎だとは思わなかった。
「はい!圭介様!私にも良い考えがあります!」
「はい、茜、どうぞ」
「私が考えた信仰集めは、この神社の境内をお花畑にすることです!」
「は?」
茜が花木の意見よりも突拍子もない意見を発表した。
いや、まぁ、うん、まだ6歳だからな。
一応何でかも聞いておこうか。
「えっと、何でだ?」
「それはお花があったら綺麗じゃないですか!もしそんな場所があったら、私は行きたいと思います!
そして、そこに小さな妖精さんが楽しくワイワイ遊んでるんですよ、あぁ、良いなぁ」
茜が自分の世界に入り込んでしまった。
ていうか、妖精なんているのか?
俺は少しその事について考えてみた、まぁ、確かにいそうだよな、神様や妖怪もいるんだし。
俺がしばらく悩んでいると花木が話し出した。
「妖精かぁ~、確かに昔はいたんだけどねぇ~」
「あぁ、私も覚えてるわ、良く妹が追いかけ回してたわ」
「やっぱり妖精さんは実在するんですね!?お姉様に聞いたらそんなもんいるわけないでしょ?
って言って否定してたんですけど!いるんですね!?」
茜がもの凄く嬉しそうな表情でそう言った。
しかし、妖精っているんだな、こっちに来ても1回も見てないが。
「昔は居たって、いつから居なくなったんだ?」
「あぁ、それも禍津神との戦いの時にね~、それ以降、穢れが強くなり過ぎちゃってさ~
そのせいで、今の世界でいられるのは明確な生命がある生き物と
その穢れを打ち消せる神様しか居なくなっちゃったんだよね~」
「つまり、妖精に明確な生命はなかったのか?」
「妖精は自然の象徴だからさぁ~、明確な生命はなかったんだよね~」
ふむ、つまり、今の世界では妖精は生きることが出来ないのか。
いや、正確には生きるじゃなくって存在する、かもしれないが。
そんな事を考えていると、今度は睦月が意見を出した。
「まぁ、妖精云々は土地をあなたの力で浄化すれば良いとして、まずは信仰集めよ」
「まぁ、そうだな」
「そこで、私が提案するのは祭りを開催する事よ」
「祭り?」
「えぇ!いつの時代も神様が信仰を集めるのは祭りだと決まっているわ!」
確かにそれはある、俺が生きていた時でも、神様を信仰してなかろうと、祭りには行っていた。
それがきっかけで神様を信じてくれるって可能性もあるかもしれない。
特に、この世界みたいに神様や妖怪や幽霊が存在している世界ならなおさらな。
「そうだな、時間は掛かりそうだが、良いかもしれない」
「でしょ?まぁ、問題はお金と準備期間そして材料よね」
「うーん、屋台を建てる材料は私達兎がなんとかするよ~」
「本当か!?」
「うん、でも、その後でも良いからさ~、餅つき大会しようよ~」
「あぁ、その祭りの最中にしてやるよ、見世物としてな」
「本当!?やったぁ~!」
俺達は信仰集めの方法を確定した。
祭りだ!祭りをして、盛大に人を集めよう!
まぁ、問題は多いが、それは準備をしながら解決しようか。
「祭り!楽しみですね!頑張って準備しましょう!」
「あぁ!行くことはあったが、開催するのは初めてだ!楽しみだな!」
「よし!兎たちに話してくるねぇ~!」
「あぁ!」
妖怪達の力を借りたお祭りか、もしかしたら妖怪と人間の架け橋になれるかもしれないな。
さぁ、準備を頑張ろうか!




