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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第2章、妖精2匹と巫女の異変
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昼飯の準備

「おい、食事の用意は順調か?」


俺は不安を覚えて、神社の台所に移動して、その中に入ってみた。


「・・・これは?」


まぁ、そこでは刀子がまな板でものすごい速度で魚を切っている姿があった。

と言うか、もう魚であったという原型は殆ど無い。


「えっと・・・何してる?」

「えっとですね、刀子さんが暴走しないように、このお魚を切っていてくださいと言ったんですよ」

「そうなのか?」

「はい、私はその間に料理を作っていたんですけど、少しして後ろを見たら、こんな事に・・・」

「ぬぉぉぉぉ!!」


・・・もう、魚の面影のないものをひたすらに切っている刀子。

あぁ、ミンチ並みに酷いことになっているな。


「まぁ、うん、被害がこの魚だけですんでよかったな、あ、あとまな板か」


当然、その衝撃を受けていたまな板も凄いことになっているだろう。

見えないが、きっと、あと少しでかち割れるほどの被害を受けているはずだ。


「ふぅ、よし、サラ! 魚は完璧だ! って! 圭介! いつの間に!」

「気が付いてすらいなかったのか・・・じゃあ、気が付いてくれたし、質問するが、これは何だ?」

「何処をどう見ても魚じゃないか、どうしたんだ? そんな事も分からないなんてよ」

「いや、まぁ、魚なんだろうがよ、どうしてそんなにぐっちゃりとなってるんだ?」

「切りまくったからな! まぁ、これでどんだけ調子が悪かろうと食えるぞ」


・・・美味ければ、だろうけどな。

だが、こんなぐっちゃりとなった魚を使う料理なんて・・・あったっけ?

まぁ、候補はあるんだがな・・・


「う、うーん、どうしましょうか・・・このお魚・・・」

「何だ? 候補がないのに切ってくれって言ったのか?」

「いえ、そういう訳じゃないんですけど・・・まさか、ここまで酷いことになるとは思って無くて・・・」

「そうか? そんなに酷いかな・・・あ、そうか、まだ切らないと駄目なのか!?」

「違います! 逆ですよ! 切りすぎなんですってば!」


刀子は切ることに関しては凄いんだが、加減が出来ないのが難点だよな。


「なぁ、四季は本来どんな料理を作ろうとしていたんだ?」

「そうですね、ご飯に、味噌汁に、野菜のお新香、それに、お刺身を少々にするつもりでした」


ご飯に、味噌汁に、野菜のお新香、刺身を少し・・・地味だな。

いや、俺も結構そんな感じの料理を作っている気がするが。

で、だ、俺達の人数から考えて、味噌汁とかも多めに作るのが普通だろうが。

ここにある鍋とかはあまり大きくないし、白飯もあまり炊いていない。

お新香を作っている場所を見ても、そんなに多くは無さそうだし。

四季が刀子に切ってくれと言ったと思う魚も多分1匹だけ。

明らかに、全員分を作れる気がしない。


「全員分、作れて無さそうなんだが?」

「大丈夫ですよ、お昼はあまり食べないでも問題ありませんし!」


・・・そういえば、四季って結構小食だったっけ。


「えっと、もしも全員に配るとしたら、皿の大きさはどれ位だ?」

「サラちゃんには少し多めに配りますよ? あの子、よく食べますから」

「あぁ、すまない、言い直すよ、お皿だ、全員に盛るお皿の大きさだ」

「あ、そっちですか、いやぁ、サラちゃんのことだと思いました、えっとですね

 みなさんに配るお皿の大きさは」


四季はそう言いながら、皿が置いてある場所を探し始めた。

そして、かなり小さめの食器を取り出した。

こう、両手を引っ付けた時と同じサイズの皿だ。

普段四季に盛っている食器よりは、少しだけ大きいな。


「これ位ですね」

「・・・少なすぎないか?」

「そうだぞ、これは流石に少ないって」

「へ? 多いじゃないですか?」


あぁ・・・四季、本当に、かなり小食なんだな・・・

あ、そうだ、今考えてみれば、前、俺と茜が依頼で留守にしている間

サラ達の料理を任せたときに、俺達が少しだけ速く帰ってきたというのに

サラはお腹を空かせていたんだったな・・・そうかそうか、そういうことか。

そりゃあ、腹も減るな・・・この程度の量しか食べてないんだからな。


「・・・えっと、仕方ない、俺が指示をするよ、四季は味噌汁とお新香を作ってくれ」

「あ、はい! 分かりました! 圭介さんもお手伝いをしてくださるなら安心です!」

「よし、俺に任せてくれ、さて、それじゃあ、刀子、魚を刻んでくれ」

「お、分かった!」


俺は2人に指示を出しながら、料理を作る事にした。

正直、不安は多いんだが、サラと花木とキャンとキキの4人とか・・・

でも、料理があまりにも質素な事になりすぎると困るしな。


「よしっと、とりあえず、これで良いか」


少しして、料理が完成した、今回の料理は海鮮丼だ。

刀子が刻みすぎた魚の叩きをご飯の上にかけて、その上に更に別の刻んだ魚を置く。

ちょっと昼飯にしては豪勢すぎる気もするが、食い物を粗末にするわけにはいかないからな。


「美味そうだな!」

「あぁ、しかし、予想の何倍も速く完成したな」


白飯の上にかけるための叩きを作るのに時間が掛ると思っていたが

刀子がそれを作る速度は凄まじく、ものすごい速く出来た。

その代わり、まな板はボロボロになってしまったがな。


「まぁ、これで完成だな」

「うーん、多すぎる気がするんですけどね・・・」

「あいつらの消費エネルギーはかなりの物だからな、これ位はないと駄目だろうよ」

「確かにそうですね、でも、茜さんとかはもう少し少なくても・・・」

「いやいや、茜もああ見えてよくエネルギーを使ってるからさ」


まぁ、今は調子が悪いようだし、少なめに盛っておくがな。


「さてと、皆! 料理が出来たぞ!」

「あぁ、出来たのね、お腹が空いてたし、よかったわ」

「ぜぇ、ぜぇ、馬鹿犬、続きは・・・食事の後じゃ・・・」

「ぜぇ、い、犬じゃない、ぜぇ、狼だ・・・馬鹿狐・・・」

「何じゃとぉ~」

「負けるかぁ~」


キキとキャン、スゲーヘロヘロだが、どんだけ暴れ回ってたんだよ。

と、思ってみたが、よくよく見てみると、神社が結構綺麗になってる。

壁とか、床とかが茜が掃除をした時と同じくらい綺麗だ、まさか、掃除対決でもしていたんじゃ・・・

だとすれば、やっぱり、あいつらは2人で一緒に喧嘩していた方が強い気がするな。


「まぁ、とりあえずお前ら食えよ、今日は少し豪勢にしたからさ」

「海鮮丼ですね! 久し振りだなぁ、嬉しいです!」


俺は全員を呼んで、居間にある大きな机の上に海鮮丼を置いた。


「いただきます!」


そして、食事を始めることにした、皆はかなり喜んでくれているようだ。

刀子と四季が失敗したときは、どうなるかと思ったが、事なきを得てよかったぜ。

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