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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第2章、妖精2匹と巫女の異変
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些細な猛特訓

「ご主人、おはようございますです」


俺が居間から出て、寝室に戻ると、そこにはキキが人間の姿で待っていた。


「何だ? 何で俺の部屋にいるんだ?」

「ご主人! キキの練習に付き合ってくだされ!」

「まぁ、良いけど、練習って何するんだ?」

「片足立ちを!」


そう言うと、キキはその場で片足立ちを始めた。

が、少し上げると、すぐにバランスを崩して倒れかかる。


「む、むぅ・・・やはり、難しいですのぅ・・・」

「なぁ、なんで片足立ちをしようとしているんだ? それも、俺の部屋で」

「いえ、片足立ちをマスター出来れば、人間になれる時間が延びると思いまして!

 ですが、2本足で立つのも少ししんどいというのに、片足立ちというのは、厳しいですなぁ・・・」


そうだな、キャンは狐だからな、元々は、だから、人間状態だとバランス感覚が厳しいのか。

そう言えば、少し前に何も無い所で思いっきり転けていたな。

走ろうとしても、すぐに転けてたし、やっぱり、動物から人型になるのはしんどいのだろう。


「まぁ、厳しいだろうが、でも、なんで片足立ち?」

「前に、キャンの奴が練習していたのを見ましてな、あの犬が練習しておるのに

 キキが練習せぬのは悔しい気がしまして、だから、あの犬よりも早くマスターしたいのです!」


なるほど、闘争心か、そう言えば、キャンとキキはやけにそういうのが高いよな。

まぁ、狐も狼もそう言う闘争心が強い動物だからかもな。


「まぁ、良いぞ、練習に付き合ってやる」

「おぉ! ありがたき幸せ! これでキャンなんぞに敗れることはございません!」

「で、俺は具体的には何をすれば良いんだ?」

「キキの手を握ってくだされ」

「ん?」


何でこいつの手を握らないと駄目なんだ? と、疑問に思いながらも

手伝うって言った手前、やらないわけにもいかないから、とりあえず、キキの手を握った。

結構、柔らかいな、元狐だから、もっとゴツゴツしてるのかと思ったが

茜の手のひらと同じくらいの柔らかさだ、やっぱり、人間状態だとそうなるのか。


「それでは、いきますぞ!」


キキは俺の手を強く握りながら、少しぷるぷるしつつ、ゆっくりと片足を上げた。


「む、むぅ、むむ、むむむぅぅ!!」


自分の足下を見ながら、ものすごい唸ってやがるな。

どんだけ集中してるんだよ、それにしても、少しずつ、俺の腕に掛かる力が増してきてるな。

それだけ、転けそうで転けそうで怖いのか。


「む・・・むあぁぁ!」


キキは転けそうになったが、すぐに上げていた足を元に戻し、バランスを整えた。


「だ、駄目じゃぁぁ! キキには片足立ちは不可能じゃというのかぁぁ!」

「まだ1回だろ? 練習は何度もやってこそ意味があるんだって」

「た、確かにそうでございますな! キキはまだ諦めませぬぞ!」

「そのいきだ、ほれ、もう一回」

「わかり申した! ゆ、ゆきますぞ!」


キキは再び恐る恐る片足を上げた、そして、やっぱりぷるぷるしながらも、頑張っている。

でも、なんでキャンは片足立ちなんて練習してたのだろうか、キキが練習している理由は分かるが

あいつが練習している理由はさっぱりだ、後で、本人に聞いてみるか。


「ぬ、ぬぉぉぉ! ご主人! ご覧下され! かなり安定しております!」

「お、そうだな、さっきと比べると安定してるじゃ無いか」

「こ、このまま、ご主人の手を・・・は、離して・・・む、むむ、むぅぅ!!」


恐る恐る俺の手を離しているが、少しぐらついたらすぐに強く握ってくる。

これじゃあ、俺の手を離すなんて出来ないだろうな。

そうだな、こう言うときは多少強引にでも俺が手を離せば良いだろう。


「む、むぅぅ!」

「ほれ」

「ひゃわぁぁ! ご主人! は、離さないで下されぇ!!」


俺が手を離すと、一気にバランスを崩しながらも、すぐに俺の手の方に飛び、握った。

あれだな、片足で立つことが出来ないのに、この状態で少しだけ移動することは出来るんだな。


「はぁ、はぁ、お、恐ろしかった・・・」

「大丈夫だって、転けたって死にはしないだろ?」

「そ、そうでございますが・・・痛いのは痛いので・・・」


痛いのは痛いってどういう意味だ? 気が動転して、変な言葉を使うな。

しかし、まさかここまでパニックになるとは思わなかったな。

やっぱり、小心者なのかも知れない。


「ふ、ふぅ・・・す、すみませぬ、完全に我を忘れて・・・」

「いや、気にするな」


その後も何度かキキの片足立ちの練習に付き合うことになった。

何度もあと少しという所まで行くんだが、そのあと少しに届かない。

その度に何度か諦めかけるが、俺の方を見て、再び挑戦、この繰り返しだ。

そんなこんなで、30分くらいの練習の結果。


「や、やりましたぞ! 5秒も出来ましたぞ!!」

「あぁ、やったな」


まぁ、まだ5秒なんだけど、あんなにビクビクしていたのに、5秒も1人で出来るようになったんだし

成長はしたといえるだろう、後はこの小さな目標を少しずつ達成していけば

きっと、もう少し大きな目標を達成できるかもな、今回の内容は片足立ちの練習だけど。

その練習で、その内、本当にもっと長い間、人間状態になれるかもな。


「それではご主人! この事をキャンに自慢してきますぞ!!」


片足立ちが5秒間出来たのがかなり嬉しかったのか、キャンはすごい勢いで部屋を出て行った。

そして、その丁度良いタイミングに時音から、茜の準備が出来たと言う声が聞えてきた。


「あぁ、出来たか、上手く言ったか?」

「えぇ、何とかね、これで出血はしないでしょう」

「はい、これで巫女装束を汚さないですみます!」

「そうだな、でも、なんで巫女装束の心配なんだ? 布団とかじゃ無くて」

「布団は良いんですよ、私が使うだけですから、でも、この四宮神社の巫女装束は汚したくないんです

 私の仕事着ですし、圭介様に仕える者の正式な装束です、これ以上、汚すわけには行かないんですよ」


・・・茜はそんな事を思いながら、この巫女装束を着ていたのか。


「良い心がけね、でも、普通に色んな子がその巫女装束を着ているわよ?」

「確かにな、水希も着たことあるし、キキとキャン、花木、色んな奴が着てる」

「良いんですよ、それは、四宮神社がそう言う場所って言う証拠です!」


茜の奴、もの凄い笑顔でハッキリと言ったな・・・ま、良いかな。

何か真剣な表情で言われたり、暗い表情で言われるよりは、何十倍も良いだろう。

それに、笑ってる方が茜らしいし。


「ハッキリ言うわね、本当に四宮神社が好きなのね」

「はい!」

「そうか、それは嬉しいな」

「それじゃあ! 頑張って巫女の仕事を・・・あぅ・・・」


やっぱり、お腹が痛いみたいだな、仕方ないか。


「茜、しばらく休んでろ」

「そうだよ! 生理痛は痛いからね! あたいなんか動けなくなるもん!」

「水希ちゃんが動けなくなるほどの痛みなのかな・・・これ」

「個人差があるんじゃないか? 凄く痛む人と、そうじゃない人」

「そうでしょうね、ま、とにかく動くのがしんどくなるのは変わりないし

 あなたは休んでたら良いんじゃないの? ここの主もそう言ってるし」

「圭介様・・・」


茜が少し悔しそうな表情で俺の方を見ている。


「そんな悔しそうな表情をするな、辛いときくらい、しっかり休んだ方が良い」

「・・・はい、すみません」

「それじゃ、まぁ、主として格好付けてみるかな」


とりあえず、普段茜がやっている事をやることにしよう。

でも、そうだな、とりあえず、茜のありがたみを感じて貰うために

四宮神社で居候している奴ら全員を動員して、今日は家事をするかな。

たまにはそういうことをさせた方が良いだろうしな、あいつらには。

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