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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
青年期、第2章、妖精2匹と巫女の異変
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看病を始めて4日目の朝

雨を降らして2日ほどの間、俺達はサラ達の看病を続けた。

その甲斐あってか、サラ達の体調は少しずつだが、確実に回復していった。

あまり目に見えての変化はないが、表情が穏やかなところから察するに回復しているのは間違いない。


「うん、回復して行ってるな」

「あまりハッキリとは分からないけどね~」

「でも、表情は穏やかだし、回復はしているだろう」

「そうだね~」


まぁ、回復して行ってるとしても、心配な物は心配だし、付きっ切りで看病はする。

花木もその意見には同意してくれて、俺達2人はサラ達の看病を深夜までやっている。

一応花木は妖怪だから、睡眠は必要ないらしいしな。


「そう言えば、茜ちゃんはどうしたの~?」

「あいつは何だか調子が悪いそうでな、今日は早めに寝てる」


あの雨乞いの日以降か、あいつの調子が悪くなったのは・・・

もしかして、久々に俺を降ろしたせいで、体に負担が掛かったのかもな。

だとしたら、悪いことをしてしまった・・・茜は大丈夫だと言うが、心配だな。

はぁ、サラと四季も心配だし、茜も心配か、まさか心配事が2つ同時に来るとはな。


「調子が悪いんだ、大丈夫かな・・・」

「まぁ、心配なのは心配だけど、茜にはキャンが付いてるし、大丈夫だろう」

「人型の状態だと、あまり動けないって聞いたけどな~」

「あいつは狼の姿で茜を見ていてくれるらしい、その方が眠らないで済むからな」

「あぁ、そうか~、人型だと辛いんなら、狼の姿でいれば良いんだね~」


狼の姿だと行っても、知識はあるし、意識もハッキリしてる。

だから、もしも茜の調子が悪化したら、吠えて知らせてくれるだろうしな。

まぁ、起きてたら、だけど。


「それじゃあ~、私達はサラ達の看病に集中しようか~」

「だな」


俺達はサラ達を眠らずに看病することにした。

1人だと退屈なんだろうが、花木がいるお陰で、暇はしない。

そして、看病をしていると、周囲がゆっくりと明るくなっていくのが分かった。


「・・・うーん」


明るくなり始めて、サラの方から、小さい声が聞えてきた!


「サラ! 目が覚めたか!」

「うーん、あ、あれ? 圭介? 何どうしたの?」

「よし、意識もハッキリとしてるな!」

「やったよ~!」


俺は隣で一緒に看病をしていた花木の方を向き、ハイタッチをした。

その光景を見ていたサラは、何がどうなってるの? という感じにキョトンとしている。

更に騒いでいる俺達の声で目が覚めたのか、四季もゆっくりと目を開けた。


「こ、ここは・・・神社? あれ? 確か、私はくるみちゃんの家で倒れて・・・」

「四季も目を覚ましたか! よかった!」

「圭介さん、花木さん、随分と嬉しそうですね、何があったんですか?」


あぁ、そうか、こいつらは状況が分かってないのか、じゃあ、説明しないとな。

俺達は2人にどうしてここにいるのか、とか、どうしてこんなに俺達が嬉しそうなのかを説明した。

2人はまさか自分たちが3日間も倒れていたとは気が付いていないようで、かなり驚愕していた。

そりゃな、俺も朝目が覚めたと思ったら、実は3日経ってましたなんて言われたら驚くだろうな。


「な、なるほど、だからあんなに喜んでたんだ」

「そうだ、3日だからな、さて、じゃあ、茜を起こして」

「きゃぁあぁーー!!」


俺が茜を起こす為に立ち上がろうとすると、茜の部屋から、かなり大きな叫び声が聞えた。


「うぉ! な、何だ!? 茜! どうした!」

「私も行くよ!」


俺達は急いで立ち上がり、茜の部屋の近くまで行くと、丁度茜の部屋の扉が開き

中から出てきた茜が、俺に抱きついてきた。


「うお! どうした!?」

「あぅ・・・ぐす、圭介様、私は幸せ者でした・・・今までありがとうございます・・・う、うぅ・・・」


茜は俺に抱きつくと同時にもの凄く泣きじゃくりながら、まるで別れの挨拶みたいな事を言い出した。


「どうしたんだ? 別れの挨拶みたいな事を言い出して」

「私はもうここまでのようです・・・あ、意識が無くなって・・・」


さっきまで力強く俺を抱きしめていた茜の力がいきなり抜けた。

ま、まさか、え? そんな馬鹿な!


「茜! おい! 茜!?」

「あ、あぁ、圭介! た、大変だよ! 茜の足下を見て!」

「んあ!?」


かなり焦っている口調の花木が茜の足下を見てみろという。

俺は急いで茜の足下に視線をやった、そして、その足下には真っ赤な血がしたたり落ちている。


「あ、茜! 何があったの!? ねぇ! 何で血を流してるのぉ!?」


俺は急いで茜の胴体の方を確認したが、当然ながら何処も怪我なんぞしていない。

血が出るような要素は・・・まぁ、心当たりはあるが、こんなに血が出る物なのか?

いや、実際こんなに血が出るのか? 女の体の構造にそこまで詳しくない俺には分からない。


「む、むぅ・・・な、なぁ、花木、茜のその、あそこを確認してみてくれないか?」

「な、何を言ってるの!? こんな状況で!」

「いや、心当たりがあるんだが、俺が確認するわけには行かないし・・・ほら、俺は男だからさ」

「心当たり? ・・・うん、こんな状況で圭介がふざけた事を言うわけ無いし、信じるよ」

「あぁ、頼む、確認は茜の部屋でやってくれ」

「分かった」


俺は花木に茜を任せて、とりあえず、確認が取れる間に茜が流した血を拭き取った。

俺がそんな作業をしていると、かなり急いでいるような足音と一緒に、刀子がやって来た。


「さ、さっきの声は何だ!? 茜に何かあったのか!?」

「刀子、さっきの叫び声で起きたか」

「あぁ! それより! 茜どうしたんだ!? って! な、なんでそんな血が付いてる

 手拭きを持ってるんだ!? やっぱり! 茜に何かあったのか!?」

「あぁ、まだ確定じゃないが、多分、生理だ」

「は? 生理? なんだそれ」

「・・・お前、生理知らないの?」

「そんな物知らない」


・・・もしかして、妖怪って生理とか来ないのか?

いや、もしかしたら、妖怪の間では生理なんて言わないのかもな。


「とにかく! 茜に合わせてくれ! 心配なんだ!」

「茜は部屋の中だ、俺は入れないから、会いに行くんなら1人で行け」

「何でお前は入れないんだ?」

「状況が状況だ、今は俺が入れる状況じゃないってだけだ」

「・・・何だか分からないが、とにかく私は入っても良いんだな!」

「あぁ、構わないぞ」

「よし! じゃあ、入るぞ!」


刀子は何かを決心したような動きをして、茜の部屋に入った。

そして、扉を開けた刀子はすぐに絶叫した。


「茜!? ど、どうなってるんだ!? 寝床が凄い血まみれじゃないか!」

「よくは分からないんだけど、圭介なら何か分かってそうだから! 今から色々と話しに行くんだ!」

「そ、そうなのか!? あいつは分かってるんだな!」


花木と刀子の会話がよく聞える、なんせ、あいつ扉閉めてないし。

俺は目を瞑って、神社の居間の方に歩いて行った。


「圭介! か、確認してきたよ! 血はあそこから出てた!」

「そうか、ふぅ、なら安心だ」

「なんで安心なの!? 詳しく話してよ!」

「・・・お前らはあんな状況になったこと、無いのか?」

「あるわけないだろ!? あんなの!」

「私もないよ!」


ふーん、ならやっぱり、妖怪とかには来ないんだな、生理とかって。


「俺も詳しくは分からないからなんとも大雑把な説明しか出来ないんだが

 人間の女の子はある歳から生理って言う物になるんだ」

「どういうこと?」

「まぁ、人間の女なら誰でも通る道だろう、だから、安心しろ

 多分、意識を失ったのはいきなりそんな事になってたんで、ショックで気が動転してたからだろうし」

「よ、よくは分からないんだけど・・・茜は大丈夫って事!?」

「そうだ」

「よ、よかったぁ・・・」


俺の説明をある程度聞き、2人は一気に力が抜けたようにその場にへたれ込んだ。

何か、空気が抜けていく風船を見ている感じだったな。

しかし、茜もついに生理が来るようになったか・・・やっぱり、成長してるんだな。

まぁ、とりあえず、生理のことは茜が起きた後に説明するか。

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