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妖怪対決

変わった妖怪だ、人型でもないし、動物の妖怪でも、爪があんなに鋭利なのは珍しい。

なんせ、動物の妖怪は人型か、気色の悪い物しかいないからな。

それなのに、この妖怪は人型では無いのに、気色悪いわけでは無い。

かなり珍しい部類に入る妖怪かも知れない。


「ぐあらぁ!」

「く! この!」


その妖怪は素早く、正確な攻撃を私に仕掛けてきた。

動きが速い相手はかなり厄介だな。

この攻撃を捌くのはかなりしんどいかも知れない。


「ぐがらぁ!」

「この! 面倒くさい!」


私は攻撃を防ぎながら、反撃を仕掛けた。

しかし、その妖怪は異常な速さで私の隣に回ってきた。

こ、この妖怪・・・かなり強い!


「しっかりなさい!」

「がぁ!」


動けそうに無い一瞬で、睦月がその妖怪に攻撃を仕掛けてくれて、何とか私は無事だった。

危うくあの鋭利な爪で斬られるところだった・・・


「あ、ありがとうな、助かった」

「あの妖怪、結構厄介ね」

「あぁ、あの速さに正確な攻撃・・・それに反応も異常に早い」

「2人で何とかなるかしらね」

「があぁ!」


私達が会話をしていると、あの妖怪が空気を読まずに突撃してきた。


「でりゃぁ!」

「が!」


あの妖怪が突撃に対し、攻撃を仕掛けたけど、妖怪は私の攻撃を回避した。

やっぱり・・・速い! こんな妖怪が・・・


「それ!」

「ぐらぁ!」


そして、私に攻撃を仕掛けてきた妖怪に対し、睦月が迎撃をしたが、これも回避。


「ぐが!」


あの妖怪は回避した状態で、後方の木を蹴飛ばし、私の方にすっ飛んできた。


「くぅ!」


ギリギリでその攻撃を回避し、私は何とか攻撃を仕掛けたが

まるで予想でもしていたかのような反応速度で、伸ばしていた方の腕で私に攻撃をしてきた!


「くぅ!」


その回避不可能の攻撃を、睦月が私の代わりに受け止めてくれた。

そして、睦月は私の方に目線を向けてきた・・・


「睦月・・・ありがとう!」


私はその一瞬の隙を突き、妖怪を思いっきり斬った。

その威力は十分なようで、その妖怪は真っ二つに斬れた。


「がらぁぁぁ!」


妖怪は、真っ二つになった状態で、発光しながら姿を消していった・・・

一体・・・何だったんだよ・・・この妖怪は・・・発光して消滅なんて・・・あり得ない。

いや、そんな事は今はいい! それよりも睦月だ!


「おい、睦月! 大丈夫かよ!?」

「大丈夫ね・・・かなり痛いけど、死んではいないわ・・・あ、もう死んでいたわね・・・」

「そうか、安心した・・・しかし、幽霊も怪我をしたら痛いんだな」

「そうね、でも、攻撃が当るんなら、当然でしょう」

「それもそうか・・・」

「でも、もしもこの体で致命傷を受けたらどうなるのかしらね」

「消滅したりしてな、あの妖怪みたいに」

「そんなわけ無い・・・と言いたいけど、可能性はあるわね・・・まぁ、血は出ないけど」


睦月はそう言うと、あの妖怪に攻撃を食らった場所を、軽く撫でた。

でも、血なんて出てはいなかった、そりゃあ、まぁ、幽霊だし、当然か。


「所で、まだ動けそうなのか?」

「えぇ、大丈夫よ、少し痛いだけで、動けるからさ」

「そうか、じゃあ、周辺をもう一度探してみよう、あいつが原因なら静かになってるだろうしな」

「そうね、探し回ってみましょうか」


そして、私達は周囲を探すことにした。

でも、あの群れの後は動物とは合わなかった。

やっぱり、群れで出てきたから、周囲の動物は居なくなったのか・・・


「居ないわね」

「あぁ、もうここら辺は全滅か? だとしたら楽だな」

「ここら辺が全滅でも、まだ回らないと行けない場所は多いわよ」

「はぁ、そうだな、まぁ、頑張るかな」


そして、私は次の目的の場所に移動した、範囲が広いと面倒きわまりないな。

それからしばらくして、私は次の目的の場所に移動した。

すると、周辺に隠れていたであろう動物たちが一斉に姿を現し、襲いかかってきた。


「おわっと!」


私は後方に飛び退き、何とかその奇襲攻撃を回避することが出来た。


「まだ、暴れているんだな・・・厄介な・・・」

「あれが元凶じゃ無かったのね・・・はぁ、先は長そうね」

「まぁ、私としては久々に派手に暴れられて嬉しいんだけどな!」


私は動物の群れに走って行った。




さて、あれからそこそこ時間が経ったが、あいつら大丈夫か?

それにしても、茜の奴、全く起きる気配が無いな。


「ん・・・あ・・・あれ?」

「あぁ、やっと起きたか」


俺がそんな事を思っていると、茜が目を覚ました。


「あれ? 圭介様・・・? 私・・・いつの間に・・・?」

「気を失っている間に、刀子と葵が運んでくれたんだ」

「そうなんですか? じゃあ、お礼を言わないといけませんね」

「そうだな、でも、2人は今依頼に行っているんだ、だから今は居ないんだ」

「え? い、依頼があったんですか!? じゃあ、私も行かないと!」


そう言うと、茜は急いで立ち上がったが、ふらついて、壁に手を付けた。


「あぅ・・・」

「無茶すんな、お前は起きたばっかりだからな」

「うぅ・・・分かりました・・・」


俺は茜を抱えて、四宮神社の大広間の方に運んでいった。

そして、茜は神社の座布団に座り、ゆっくりと休んだ。

あんな状態で依頼に行くのは危険だからな、休むのは重要だろう。

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