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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
幼少期、第2章、悪霊退治を始めよう
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幽霊と妖怪がいる日常

幽霊退治の依頼が終わり、1週間ほどが経過した。

退治と言ったが別に退治したわけじゃないが、まぁ、危害は加えないだろう。

今は四宮神社に住み着いている。

いつもの昼下がり、俺は茜と幽霊が話をしているところを縁側で見ている。


「そういえば幽霊のお姉さんの名前はなんですか?」

「あぁ、そういえば聞かれてなかったわね」


今まで1週間ほど一緒に居たが、名前は聞いていなかった。


「私の名前は睦月むつき、名字は忘れたわ、1月に生まれたからこの名前よ」

「分かりました、睦月さん」

「お姉ちゃんと呼んで」

「え?」


茜は俺の方をチラ見した。

多分どうするか迷ってるんだろう。

俺は言ってやれと言う意味を込めてうなずいた。


「わ、分かりました、お、お姉ちゃん」

「ふふ、嬉しいわ」


幽霊はすごく嬉しそうにそう言った。

茜は今までこの幽霊の事をお姉さんや幽霊のお姉さんと呼んでいた。

幽霊もそれに反応していたが、実際はお姉ちゃんと呼んで欲しかったんだろう。

1週間も経って、そろそろ呼んで欲しかったから、このタイミングに言ってみたって所か。


「いやぁ、お互い意識してたけど、ようやく1歩踏み出した姉妹みたいだねぇ~」


俺の横からいつも聞いてる声が聞こえた。

さっきまでいなかったと思ったが・・・こいつは神出鬼没だな。


「お前、いつからそこに?」

「10分位前だったかなぁ~」


全く気が付かなかった。


「ていうか、お前毎日来るよな」

「いやぁ~、ここに来るのが日常になってねぇ~」

「妖怪が神聖なところに来ることを日常にするな」

「あはは!大丈夫だって、幽霊もいるし、人間も来る、ここは神聖であっても何かを拒絶はしない

 なんたってここの主がそう言う神様だからねぇ~」

「お前って、普段馬鹿なくせにたまに頭良さそうな事を言うな」

「酷い!」


とは言え、実際この神社、最近は参拝客も増えてきた、と言っても日に3人程度だが。

しかし、今まで日に1人来れば良い方だったのが安定して3人になったのは良いことだ。

まぁ、来る人は同じだけどな。


「茜、この神社は妖怪神社なの?」               (実際そうじゃないか)

「違いますよ、ただ花木さんがこの神社が好きなだけです」 (違うって!私は賢いの~)ぽこぽこ

「そう・・・まぁ、あの妖怪の気持ちも分かるわよ        (少し痛いから止めろよ)

 幽霊や妖怪に対して偉そうじゃなくて拒絶しないで     (止めて欲しかったら訂正してよ~)

 そんな存在を受け入れてくれる神様の神社だからね」    (駄目だね、真実だから)

「私も、四宮の神様が圭介様でよかったと思います」          (酷い!)


茜ちゃんは笑いながらそう言った。

可愛らしい笑顔、本当に昭子に似ているわ。


「圭介様、流石に言い過ぎですって」

「茜ちゃん!」

「確かに少しドジですけど、少なくとも私よりは賢いですから!」

「少しドジって!酷くない~」

「事実ですから」

「やっぱり酷いよ~!」


馬鹿みたいなやりとりだけど、楽しそう。

私もあの子とあんなやりとりが出来るようになるのかしら?

・・・少しだけ不安ね、だって、その時には・・・いや、下手に考えないでおこう。

今はこの馬鹿なやりとりを楽しみましょうか。


「それじゃあ、境内のお掃除してきます」

「あ!ドジって所を否定してよ!ねぇ!」


花木は茜の方に走っていった。


「あ、フギャ!」


しかし、自分の足につまずいて思いっきりこけた、やっぱりドジだな。


「大丈夫か?まぁ、いつものことだが」

「きょ、今日はたまたまつまずいただけだよ~」

「昨日もずっこけたじゃないか」

「あう!」


しかし、こいつは賑やかだよな。

まぁ、こいつがいるからここは賑やかなのかもしれないが。


「ふふ、変な兎ね」

「まぁ、妖怪兎だからな、変なのは当然だろう」

「えっと、褒めてるの?」

「さぁ?」


ただ、睦月の表情を見ると、貶している様には見えない。

きっと、褒め言葉なんだろうな。


「しかし、神様ってのも結構暇なのね」

「そういえば神様らしい事をしているのを見ないねぇ~」

「基本的に神様ってのは働かないだろ?殆ど巫女とか使いの者が動くんだから」

「あぁ、確かにねぇ~」


神様は基本的に動かない。

なんたって力が大きすぎるからな、下手に動くと何が起こるのやら。

まぁ、長いこと神様やったら加減とか出来るのかもしれないがな。


「あ、そうだ、伝えるの忘れてたけど、私の配下の兎たちも圭介を信仰するってさぁ~」

「ふふ、よかったわね、兎の神様になれるわよ?」

「俺は人間の神だぞ?」

「でも~、神様って姿を自由に変えられるんでしょ~?」

「そうなのか?」


俺は神様について詳しくないため、神様が姿を自由に変えられるのを知らなかった。


「そうだよ~、試しに兎になってみたら~?」

「・・・何で兎なのか分からんが、試してみるか」


・・・姿を変えるってどうするんだ?とりあえず念じてみるか。

俺は少し集中して、自分の姿を兎に変化するイメージを念じた。

すると体が変化するのを感じた。


「どうだ?」

「やっぱりなれるんだねぇ~」


俺の姿は兎になった、兎になって最初に思ったことは、動き辛いだ。

それに、世界の見え方も大きく変わって、仕方ない。


「圭介様、お掃除終わりました・・・あれ?圭介様は?」


丁度掃除を終わらせた茜が戻ってきた。


「茜ちゃん、ここ、この兎が圭介だよ~」

「え!?圭介様って兎になれるんですか!?」

「神様は姿を自由に変えられるそうだ」

「おぉ!本当に圭介様の声!」


俺が姿を戻すにはどうするか・・・とりあえず人間の姿を想像してみた。

すると、やっぱり体が変化するのを感じた。


「おぉ、戻った」

「すごいですね!」

「これで信仰を集めれるじゃない、よかったわね」

「どうやってこれで信仰を集めるんだよ」

「簡単よ、あなたが自分の姿を可愛らしい女の子に変えるだけ、これで男は釣れるでしょ」

「絶対に嫌だ!」


俺は強く拒絶した、女になんてなれるか。

俺はこのままの方が動き易いし、気楽だからな。


「女の子の圭介、少し見てみたいなぁ~」

「絶対に嫌だ!」

「女の子の圭介様・・・あ、想像したらお姉様が出てきちゃった」

「女の姿になった俺を想像したら先代の巫女が出てくるのかよ」

「その、圭介様の性格が私の理想のお姉様ですから、そのイメージが出てきたんだと思います」

「先代、茜に何をしたんだよ」

「えっと」


茜は先代の思い出を語り始めた。

俺達はその話しに耳を傾けた、気になるからな。

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