4人で真剣衰弱!
四宮神社に戻って、俺はすぐにサラのお遊びに付き合うことになった。
とりあえず、今回はトランプで真剣衰弱をすることになった。
これはサラからやろうと言い出したことだ。
「よし、これで全部だな」
「今回は4人でするんですね」
「私も入るんだ・・・頑張ろう」
「あたしの記憶能力を見せてやる!」
今回やるのは俺、茜、四季、サラの4人だ。
花木達もやりたがっていたが、今回は我慢して貰うことにした。
流石に4人以上だとすぐ終わりそうだからな。
そえれに、後攻がかなり有利になるし。
「それじゃあ、順番を決めようか」
「あたしが最初にやる!」
サラが一番不利な1番手を自分からやると言い出した。
あまり真剣衰弱を知らないのか? そう言えば、前にやったときもこいつは1番目だったな。
「またお前が1番か、前も言ったが、1番は辛いぞ?」
「大丈夫! あたしなら出来る!」
サラが根拠の無い自信を見せた。
「そうか、じゃあ、2番手は俺がしよう」
「じゃあ、私は3番で良いです」
「なら、私が4番・・・うーん、良いのかなぁ・・・」
順番はサラ、俺、茜、四季という順番になった。
この場合だと四季が1番有利だな、場所が良く分かるから。
「よし! じゃあ、行くよ! えい!」
サラが勢いよくめくったカードは1と6だった、残念だな。
「くぅ、駄目だぁ・・・」
「じゃあ、今度は俺だな」
俺が最初にめくったカードはQだった、これはまだ出てはいないな。
その後めくったカードは3だ、やっぱり分からないカードを当てるのは無理か。
「まぁ、そうだよね」
「じゃあ、今度は私ですね・・・これかな」
茜が最初にめくったカードは1だこれは最初にサラがめくったから分かるはず。
「あ、1だ・・・えっと、確かこれだったかな?」
しかし、茜がめくったのは俺がめくった3だった、記憶違いをしていたんだな。
「うぅ、駄目でしたぁ・・・」
「じゃあ、今度は私が、確か、1はこれだったはず」
四季はサラがめくった1をめくり、その後に茜がめくった1をめくった。
「やった! 揃った!」
「良く覚えていたな」
「うぅ・・・そこでしたかぁ・・・」
「あたしも負けないからね!」
「それじゃあ、今度はこれです!」
次に四季がめくったカードはQだった、これもさっき俺が引いたな。
「Q! た、確か・・・えっと・・・これ!」
四季が勢いよくめくったのは、また俺がめくった3だった。
確かに俺がめくったのはあってはいるんだが、場所を間違えたな。
「うぅ・・・間違えたぁ・・・」
「ふっふっふ! 今度はあたし! めくっちゃうよ!」
サラがさっき以上に気合いを入れて思いっきり引いた。
しかし、そのカードは今まで出ていない10だった。
そして、その後はJを引いた、記憶があるのなら俺と四季が引いたQをめくれば良いのに。
「あぅ・・・違ったぁ・・・」
「今度は俺だな、てかサラ、なんでQを狙わなかったんだよ」
俺はQを引き、そのカードを揃えることが出来た。
「Q! そうだったぁ!」
「じゃあ、そのまま次だな」
今度俺が引いたのは10だった、これはさっきサラが引いていたな。
俺はさっきサラが引いた10を引き、2組目を揃えた。
「うぅ・・・」
「じゃあ、今度はこれだな」
今度、俺が引いたのは6だ、これも最初にサラが引いていたカードだ。
場所はハッキリと分かるんだが、俺がこのカードを引いた直後に茜が反応を見せた。
恐らく茜もこのカードの場所は分かっているんだな。
そうだな、やり過ぎても大人げないし、手を抜くとするか。
俺は別のカードを引いてみた、そのカードは7だった。
「おっと、ミスったか」
「わ、私の番ですね!」
茜はそう言い、勢いよく6のカードを引き、揃えた。
「やりましたぁ!」
「いやぁ、四季もそうだが、良く覚えていたな」
「えへへ、嬉しいです、そ、それじゃあ、次を!」
次に茜が引いたのはさっき俺が7だ、これはさっき俺が引いたな。
「やった! これです!」
流石についさっきの事は覚えていたようで、茜はしっかりと俺が引いた7を引き当てた。
「良い調子です! 今度はこれですよ!」
茜が力一杯めくったカードは今まで出てきていない2だった。
「うぅ・・・で、でもまだ!」
少し戸惑ったが、茜はカードを適当にめくった、そのカードは1だった。
「あう・・・私の快進撃も終わりですね・・・」
「じゃあ、今度は私が引きます!」
四季が最初に引いたカードは3だった、これは俺が引いたな。
さて、四季はちゃんと場所を覚えているのか、そう思い俺は四季の方を見てみた。
すると、四季は必死に何かを思い出そうと頑張っている。
「うぅ・・・うぅ・・・こ、これです!」
四季が必死に考えて引いたカードは残念なことに2だった。
「違いましたぁ・・・」
「じゃあ、今度こそあたしが! 引いちゃうよ!」
再びサラに順番が周り、やっぱり必要以上に勢いよくカードをめくった。
その結果、出てきたのは今まで出ていない9だ、これは駄目だな。
しかし、その2回目にサラが適当に引いたカード、それも9だった、運が良い奴だ。
「やったぁ!」
「運が良いな」
「おめでとう!」
「よし! この勢いで次行っちゃうよ!」
そして、調子づいたサラは適当な場所ばかりを引いた。
普通ならこんなんじゃ揃わないが、今日のサラの引きは凄い物があった。
引いて引いて、その度に揃う、何度も適当に引いたのに、揃うって言うな。
「やっほぅ! 最高だよ!」
「凄い引きだな、どうなってる?」
「これは負けましたね、それにしても、本当に凄いです」
「サラちゃん、凄いよ!」
「ようし! 今度はこれだぁ!」
サラが引いたのは少し前に自分が引いた10だった、これはまだ続くな。
しかし、サラはその少し前に引いた10を引かずに、別の物を引いた。
「あぁ! 駄目だったぁ!」
「少し前に引いてたじゃ無いか、10は」
「覚えてない!」
こいつ、最初に自分の記憶力を見せてやるって言ってたのに・・・忘れていたって・・・
やっぱ、こいつに記憶力を求めるのは間違っていたな、そして、その後、すぐに全部のカードがめくれた。
結果は1位 サラ、2位 茜、3位 俺、4位 四季、だった、何か腑に落ちない敗北だが
まぁ、所詮はお遊びだ、こいつらが楽しんでくれたんなら、それで良いか。




