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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第8章、たまには気分を変えて
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思い出した!

水菜はもうしばらくの間はあの場所にいそうだな。

その間に水希の方も行動しそうだし、そっちを集中して見てみるかな。


「うーん、流石のあたいもずっと飛んでるだけだと飽きちゃうよ」

「1時間近くそれで楽しめるんだから、水希は何でも楽しめる才能があるケロ・・・」


あいつ、今までずっとトランポリンで跳ね続けていたのかよ・・・

良く飽きないな、と言うか、良くそんなに体力が持ったもんだよ。


「とにかく、あたいは今度別の事をする!」

「ケロ、それが良いケロね・・・それにしても、水希は何か用事があるんじゃないけろ?」

「用事?・・・用事・・・何かあったっけ・・・」

「確か、圭介から頼まれたらしいことを言っていた気がするケロ・・・」

「・・・あぁ!! 信仰だ! 信仰集めだぁ! わ、忘れてたぁ!」

「そうケロ! それケロ! ケロも完全に忘れていたケロ!」


ようやく本来の目的を思い出したのかよ・・・そんなに難しい言葉じゃない気がするんだがな。

まぁ、思い出したんなら良いか、さて、これからどう動くか。


「えっと、えっと・・・とにかく困っている人を探すよ!」

「わかったケロ! あぁ、そうだ、困っている人を知らないケロ!?」

「困っている人か・・・うーん、確か近場に獰猛な動物が出てきたって騒いでいた人がいたな」

「よし! そこだ! そこは何処!?」

「確か、そこはこの里の裏出口だったはず・・・」

「わかったケロ! それじゃあ、水希! ケロに付いてくるケロ!」

「分かった!」


そして、2人は獰猛な動物が出たという現場に走って向った。

そこは、この蛙の里のもう一カ所の出入り口だ。

俺達は普段こっちの方を今まで利用したことは無い。

なんせ、山明神社の方にメインの出入り口があるからな、だからそっちしか使わない。


「こっち側にもあったんだ、道」

「そうケロ、まぁ、ケロ達も殆ど使わないケロね」

「ふーん、そうなんだ、そこに獰猛な獣が出てきたんだね」

「そうなるケロ」


そして、2人はその目的の場所にようやく到着したようだ。

そこにはかなり凶暴そうな狼が陣取っていた。


「け、ケロ・・・何で狼が・・・」

「知らないよ、まぁ、何にせよ、やることは変わらないし!」


水希は一切怯むことは無く、戦うつもりらしい。

大丈夫か? 何だか不安になるな。

いつ動くか分からない、そんな時だった。


「親分様! 起きてくださいにゃ! くるみが来ましたにゃ!」

「ん? くるみ?」


俺が視点を自分の方に戻すと、確かにそこにはくるみがいた。

しかし、結構ボロボロで服も何カ所か破れている。


「くるみ、どうしたんだよ、その格好」

「あはは、転けちゃったんだよ! それにしても圭介! 久し振りだぁ!」


そう言うと、くるみは俺の方に一気に近寄ってきて、ダイブしてきた。


「じゃれつくな、つうか、お前は今、服がビリビリ何だ、色々と危ない」

「うちは全然気にならないよ!」


まぁ、実際こいつは飼い犬の妖怪だからな、元は犬だし、特に気にはしていないんだろう。

犬は毛で覆われているが、基本的には服なんて来ていないしな。


「うるさい、お前が気にならないでも俺が気になる」

「なんで! うちのこと嫌いなの?」

「違う、少なくともお前は今は人型の妖怪だ、だから殆ど人間なんだよ」

「良いじゃん、うちは人間の方が良いよ? 人間さんに撫でられる方が良いけど」

「だから、お前は殆ど人間だ、そんなボロボロの服で抱きつくなよ」

「そ、そうにゃぁ! 親分様から離れるにゃぁ!」


くるみに嫉妬したのか、隣で見ていたチャイムがくるみに攻撃を仕掛けた。


「おわぁ! 何だか分からないけど! 勝った方が圭介に引っ付けるんだね!」

「にゃぁ!」

「えりゃぁ~!」


そして、2人のあまり迫力の無い取っ組み合いが始まった。

でも、お互い本気では無い様だな、チャイムは爪を出して攻撃していないし、くるみは噛みついていない。


「楽しそうだな、あの2人は」

「お互い本気は出していないようだな」

「それは分かる、チャイムの方は爪を出していないからな」

「そうだな、最初にあったときは思いっきり爪を出していたからな」

「あぁ、あん時はガチだったって事だろうよ」


そして、少しして、2人の不毛な争いが終わった。


「むきゅぅ・・・」

「うきゅぅ・・・」


その結果はかなり残念な終わりで、取っ組み合っている間に何かの拍子で

お互いの頭を思いっきりぶつけ、まさかの引き分けだった。

2人は目を星にして、完全に気を失った。


「引き分けか、しかし、面白い奴らだな」

「あぁ、お互いの頭を思いっきりぶつけて同時に意識をなくすなんてな」

「結構痛いだろうね、これは」


何というか、動物が変化したタイプの妖怪は馬鹿な場合が多いのか?

久里当たりは結構頭が良いがな、花木は良く分からないが。

ドジを発動させたり、たまに結構頭が良いことを言ったりするし。

もしかしたら、あいつが1番つかみ所が無いかも知れないな。

さてと、もう1度集中して、水希がどうなったか探らないとな。

俺はイーリア達にもう一度集中するからと伝え、精神を集中させた。

そして、そこに見えたのは、狼の方に突撃しようとしている水希の姿だった。

今まで突撃していなかったのか、精神集中でもしていたのかもな。

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