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神様に転生したので、スローライフを満喫します  作者: オリオン
少女期、第8章、たまには気分を変えて
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水菜の武者修行土産話

擂から情報を貰った水菜は、その後しばらくの間、擂と会話を始めた。

まるで旧友に会った感じだな、そう言えば、イーリアの時も水菜はあんな表情だったな。


「そうだな、水菜、お前はあれからどうしたんだ? 半分が妖怪なのは分かるがな」

「なんや、分かるんか?」

「あぁ、そうだ、明らかに妖気を纏っているからな、まぁ、元々妖怪染みた奴だったがな、お前は」

「褒めても何も無いで?」

「褒めてるつもりは無いんだがな、まぁ良い、それで、文月山を出て、どうしたんだ?」

「そうやな、どうせやし、軽く話そか」


水菜は文月山を出た後の事を擂に話すようだ。

一体どんなことがあったのか、地味に興味があるな。


「せやな、うちが山明神社を出た理由は知っとるよな?」

「あぁ、どうせお前の事だし、自分よりも強い奴を探す旅だろう?」

「その通りや、せやけど、そんな奴は中々おらんでの、力の弱い弱小妖怪や

 少し強いからって粋がっとる人間が追った程度や」

「人間だと? まだ生きていたのか」

「まぁ、生きとったな、殆ど活動場所を制限されとったが」


やっぱり、結界の外にはまだ人間はいるのか・・・それなら、なおさら気合い入れて信仰集めないとな。


「まぁ、大概がほんま僅かしかない神社の境内内で生きとったな、一応神聖は残っとったんやろうな」

「なるほどな、まだ神が生きている場所はここだけじゃないのか」

「そういうことや、まぁ、うちはそんな狭っちい場所におるんは嫌やったし、妖怪共を

 蹴散らしながらうちより強い奴を探しとったんや、そしたら、妖怪扱いされてもうてな

 そんせいで、半分だけ妖怪になってしもうたんや」

「災難だったな、まぁ、好き放題暴れていたお前も悪いが」

「わかっとるから安心せいや、そんで、探し回ってな、そろそろ飽きて来たんや」

「飽きてきた? どういうことだ?」

「いやな、何年も探し回っても、ろくに強い奴に会えへんかったから、記憶を頼りに

 こっちに戻ろうとしてな、そしたら、ええ感じに強そうなんを見つけてな」


あぁ、それが葵か、と言う事は、結構偶然でぶつかったって感じなんだな。


「ほう、それは?」

「同じ巫女で、山明神社やのうて、四宮神社の巫女、四宮 葵や、あいつは強かったわ」

「四宮神社の巫女・・・それは茜さんではないのか?」

「茜はちゃうわ、茜はその葵の弟子やな、その巫女は先代、うちと同じや」

「なるほど・・・しかし、四宮 葵・・・あなたがそんなに嬉しそうに話をする位強いのか」

「あぁ、初めてやで、同じ人間で、特に特殊な力があるわけでもないのに、うちと互角にやりあった奴は」

「同じ人間でか、だが、お前は半分妖怪だろう? なら、お前の方が有利だったんじゃないか?」

「いいや、そいつもうちと同じで半分妖怪やで、せやから、種族間の力の差は無かった

 せやけど、そんなうちと互角なんて、相当や、でも、最初は逃げだしたんや」

「なんでだ?」

「しらへん、ただ、お前さん強そうやな、うちと勝負しよやって言ったら

 面倒ごとは嫌いなのよ、遊び相手は他にいるでしょう? そいつらと遊んだら?

 何て生意気に返してきおってな、ムカッときたから、追っかけ回したんや」


明らかに逆ギレだよな、まぁ、あいつの性格上、面倒ごとは避けるだろうし。


「それで、追いかけ回してどうなったんだ?」

「中々上手いこと避けるんで、おもろうなってから追っかけ続けたら、戻ってこれたんや」

「偶然って怖いもんだな・・・だが、それだとお前が互角だとは言わないだろう?」

「そうやで、何や四宮神社に着いたら、いきなりやる気出しての、そこでようやく本気でやりおうた」


あぁ、あの時の会話か・・・そう言えば、あの時は俺が横槍を入れたせいで決着が着かなかったんだよな。


「まぁ、そん時に圭介に邪魔されての、それで、うちはあの神さんに怯えとるっちゅうわけや」

「流石は圭介殿だな、お前を止めるのか、しかし、どうやってだ?」

「茜ちゃんに宿って、一瞬でうちと葵の刀を止めおった、ほんま、神様まっちゅうんは怖いのぉ」

「茜さんに宿ったのか・・・ふむ、1人では力を発動できないのか?」

「いいや、それがの、宿らんで力使うと、ここら辺がヤバいことになるっちゅうとった」

「そ、そうなのか・・さ、流石は四宮の神だな・・・恐ろしい」


あぁ、そう言えば、擂には説明していなかったな、その事を。

と言うか、文月山の殆どの奴には伝えてなかったっけ。


「まぁ、お前が旅に出てからどうだったかは大体分かった、良い情報だった、感謝する」

「ええ情報やと?」

「あぁ、これを圭介殿に知らせたら、今まで以上に活発に行動しそうだしな」

「そうかのぅ・・・と言うか、もうしっとったりしてな」

「何故そう思うんだ?」

「相手は神さんやで? もしかしたらどっかで見とるかも知れへんで?」

「まさか、あり得ない・・・と、言いたいところだが、分からないな、私も神については殆ど知らない」

「せやろ? もしかしたら、今もどっかで監視しとるかもしれへんで?」

「あぁ、ま、監視しているとしたら、恐らくお前をだろうがな」


あの2人、結構良い堪しているな、まぁ、何処で見ているかは分かっていないようだが。

流石にそこまで気付いたら、あいつらは相当な化け物か。


「そうやな、うちはあまり信頼されとらんしな」

「良く分かってるじゃないか、まぁ、お前みたいな戦闘馬鹿を信頼できるわけ無いがな」

「け、言ってくれるわ」

「ふ、そんなしけた顔をするな、一応褒めているんだぞ?」

「褒めとる様には聞えへんな・・・」


水菜がそう言うと同時に、2人は笑い始めた、楽しそうで何よりって感じだな。

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