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ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
目指せ、土の迷宮!

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第94話 またまたクエスト発生!?

 その瞬間、いきなりクエスト発生のウィンドウが開いた。



 ▽クエストが発生しました。

 ▽ゴーレムを倒して子供たちを助けよう!

 ▽クエストクリア報酬・・・土の迷宮最深部への入場資格の獲得

  クエスト失敗・・・アボット町の教会及び、土の迷宮最深部閉鎖



 ▽このクエストを受注しますか?

    ▽    ▽

    はい   いいえ



 えっ。ちょ、ちょっと待って。

 土の迷宮最深部って何?


 もしかしてこのゴーレムを倒したら、賢者の塔の鍵を落とすボスがいる部屋に入れるようになるってこと?


 え、でも、ここに来たのは成り行きみたいなものだよ。

 それなのにどうしてこんなクエストが発生するの?


 怖いくらいの偶然に、これはもしかして偶然じゃないのかも、と考える。

 よくゲームではたまたま起きた出来事が、次のクエストに繋がってたりするし……。

 もちろん、ここはゲームの世界じゃないんだけど……。でも限りなくその世界に近いのは確かだから、それでこんな偶然が起きるのかな。


「ぐるるるるぅ」


 小さなノアールが唸る声に、ハッと我に返る。

 だめだめ。今はそんなこと、悠長に考えてる時間はない。目の前のゴーレムをどうにかしないと。


「みんな、ここから逃げて!」


 子供たちを背に庇ってゴーレムと対峙する。


 立ち上がったゴーレムの目が赤く光り、獲物を探すかのように顔をゆっくり左右に動かす。そしてピタリと止まるその先は――


 え? 私じゃなくて、ノアール?


「お前も早く逃げろ!」


 後ろからまーくんの声が聞こえる。


 でもここでゴーレムを倒さないと、この町の教会と土の迷宮最深部が閉鎖されちゃう。だから逃げない!


「私はいいから、早くみんなと一緒に外に出て!」

「でも」

「私は魔法が使えるから大丈夫! それにノアールもいるもん!」

「みぎゃ!」


 まーくんはノアールの名前を出した途端安心したみたいだった。


「じゃあここを出たらあのムキムキな神官を探してきてやるから、がんばれ」

「うん。お願い」


 パタパタと走り去る音が聞こえる。


 これならもういいかな。

 今のうちにクエストを受注しちゃおう。


 当然ここは「はい」だよね。



 ▽クエストを受けました。

 ▽ゴーレムを倒して子供たちを助けよう!



「よし。ノアール、大きくなって!」

「にゃう!」


 いきなり大きくなってまた子供たちが腰を抜かして逃げられなくなったら大変だから、今までノアールは小さいままだったんだよね。

 でも、もうそんな心配はいらない。


 背中を丸めるノアールの姿が変化していく。小さかった足はみるみる内に大きく、細かった牙は鋭く太く。


「みぎゃぁぁぁぁぁ!」


 そこにいるのは、魔物の王になるはずだったダーク・パンサーの変異種だ。


 頼りにしてるからね、ノアール!


 私はアイテムボックスからゲッコーの杖を取り出した。


「いくよ、ノアール!」

「みぎゃっ」


 ドシンとゴーレムが一歩を踏み出す。

 体が重いからか、そんなに素早くはないみたい。だったらこっちは素早さで勝負だ!


「ウィンド・ランス!」


 風の槍がゴーレムに突き刺さる。

 でもあんまりダメージは受けてないみたい。


 ゲームでもゴーレムには魔法が利き辛かったんだよね。でも何度も魔法を当てていけば倒せるはず。


 ノアールがその爪でゴーレムの足を削る。

 いいね! ゴーレムの足を壊せば、動けなくなるもんね。


 足元を動き回るノアールを踏みつぶそうと、ゴーレムが足を振り下ろす。でもノアールの方が早いから全部空振りだ。


 私の魔法とノアールの攻撃で、少しずつゴーレムにダメージを与える。

 ガリッとノアールの爪がゴーレムの足を削る。

 グラリ、とゴーレムの体が揺れた。


「これでトドメを――って。えええええっ!」


 ウィンドアローを放とうと掲げた杖の先で、ゴーレムの体が銀色に光った。同時に、部屋の中の魔法石も光りを放つ。


 そして、ゴーレムのダメージを受けた場所が、ゆっくりと再生していく。


「うっそぉぉぉ」


 あんなに削ったのに、元に戻っちゃってるよ!

 今までの苦労は何だったのぉぉぉ。


 いやでも、再生するのが分かってるなら、再生するまでの間に致命傷を与えればいいんだよね。

 でもその攻撃が問題だよね。ノアールと私じゃ、攻撃力不足だもん。

 フランクさんとかアルにーさまたちが来てくれれば……。


「嬢ちゃん、待たせたな!」

「ユーリ、無事かい?」

「ユーリちゃん!」


 振り返った先にいるのは、頼もしい仲間たち。


 やった! これで勝てる!



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