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ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
目指せ、土の迷宮!

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第85話 ちびっこ探偵、現る

 アルにーさまたちを冒険者ギルドの前で待っている間は、町の人たちから遠巻きにして観察されていた。

 ノアールがちょっと動くたびに、町の人たちがビクッと体を震わせる。


 あう。町の皆さん、怖がらせちゃってごめんなさい。


 でもノアールは悪い魔獣じゃないんですよ~。だって魔獣除けの結界の中にもこうして入ってこれるんですから、大丈夫ですよ~。


 多分みんな、ノアールみたいな魔獣がどうして町の中にいるんだって聞きたいんだろうけど、アマンダさんとヴィルナさんが覇気を隠さずに立っているから、誰も近づいてこない。


 ちなみにカリンさんは手持ちぶさたなのか、ぶつぶつと何かの理論について呟いている。


 アルにーさま、早く戻ってこないかなぁ。


 エリュシアオンラインでは、冒険者ギルドの受け付けには必ず『ジョイさん』っていう苗字の女性がいた。マリア・ジョイとかフランソワ・ジョイとか、一応名前はついているけど、全員同じ顔をしているから、ただ「ジョイさん」とだけ呼ばれている。


 ピンク色の髪の毛をツインテールにして白い制服を着ているジョイさんは、童顔なのに胸が大きいということで、凄くコアなファンがついていた。


 しかも町ごとにファンがいて、どの町のジョイさんが一番かを決める「ジョイさん総選挙」なんてイベントもあった。


 優勝したジョイさんに投票した人は、ゲームの中の自分の家に飾れる十分の一サイズのジョイさんフィギュアがもらえたから、凄く盛り上がったんだよね。


 ここの冒険者ギルドにも、ジョイさんがいるのかなぁ。

 もしいるなら、見てみたいなぁ。


「おい、お前!」


 それにしても全員同じ顔をしてるって、ジョイ一族の遺伝子ってどうなってるんだろう。男子はいないのかな。でも、あの顔で男子だと、女の子にしか見えなさそう。


「そこのお前!」


 はっ。もしかしてどこかの町のジョイさんは男子だったのかも。実は今まで誰にも気づかれなかっただけとか!?


「そこの銀髪で紫の目をしたちっこいの! お前のことだよ!」


 んん……?

 私のこと?


 よく見ると遠巻きにしている人垣の中に同じ年くらいの男の子がいた。オレンジの髪の毛をツンツンさせて、勝気そうな顔をしている。


「私ですか?」


 自分のことを指さしてみると、男の子は大きく頷いた。


「そう、お前に聞きたいことがある」

「えぇと、何でしょうか?」

「そこのでっかい魔獣はお前のペットなのか?」

「ペットじゃなくて、私の家族です」


 ね、とノアールを見ると、小さく「みぎゃ」と鳴いた。

 ほら。ノアールもそうだって言ってる。


「家族だって?」


 男の子はオレンジ色の瞳を細めて疑わしそうな顔をした。

 でも本当だもん。ノアールは私の家族だもん。


「なあ。一体どこで、そいつを捕まえられるんだ?」

「捕まえる?」


 私は思わずアマンダさんと顔を見合わせてしまった。

 それって、ノアールみたいなペットが欲しいってこと?


「少年は、どうして魔獣を捕まえたいの?」


 私の代わりにアマンダさんが尋ねる。


「家族を探しに行く」

「探しに? いなくなっちゃったの?」

「いきなりいなくなったんだ。でもまだ子供だから町の外に一人で行くはずなんてない。だから俺も探しに行きたいのに、騎士団の人が来るまで待てって言われて。だから待ってたのに、一緒に探しに行く約束をしてた神父さんもいなくなっちゃったんだ。だから俺一人でも探しに行く。でも俺だけだと悪い奴がいてもやっつけられないから、お前みたいに強いペットが欲しい。どこに行けば捕まえられるのか教えてくれ。頼む!」


 オレンジ色の頭を下げる男の子に困惑する。


 えーと。これって、この男の子は例の行方不明になった子の家族ってことだよね。それでさらって行った悪い奴のところに乗り込むために、用心棒としてノアールみたいな魔獣をペットにしたいのかな。


「あなたのような子供には無理だと思うわ。まず魔獣に出会ったら助からないもの」

「でもそいつだってそんなにチビなのに魔獣を従えてるじゃないか」


 チビじゃないです、ちびっこなんです!

 そのうち大きくなるんです!


 というか自分でもすっかり忘れてたけど、元はもっと大きかったんだよね。最近はすっかり自分が小さい子の認識でいるなぁ。……変なの。


「この子は特別だもの」

「じゃあ譲ってくれ! えっと……今はお金がないけど、将来金持ちになって返すから」

「ダメです。ノアールは家族だって言ったでしょう? あなたは家族を売れるの?」


 一人でも家族を探そうと思ってるくらい家族思いなのに、私の家族を売ってくれなんてヒドイよ!

 でも私の言葉にハッとした男の子は、「ごめん」と謝ってきた。


「その魔獣が家族だってさっき言ってたもんな。本当にごめん。じゃあさ、俺の家族が見つかるまで貸して……じゃなくて、えーと、その魔獣に手伝ってもらいたいんだ。この通り、お願いだ!」


 さっきよりも頭を深く下げる男の子に困惑する。


「ノアールは貸せないけど……。でもその、行方不明になった子を探すのは手伝えると思うよ。だから詳しいことを教えて?」


 元々、その為に来たんだしね。

 ちびっこ賢者ならぬ、ちびっこ探偵になって、行方不明の子を絶対に見つけるぞー!


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