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ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
第二章 ちびっこ賢者、がんばります!

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第70話 試練の洞窟へ出発です

 翌日。

 良い天気に恵まれた私たちは、グラハム村から少し離れたところにある『試練の洞窟』へ向かう事にした。


「皆さま、十分にお気をつけていってらっしゃいませ」


 お見送りをしてくれるカールさんとメアリさんに手を振ると、二人とも、えっ、こんな小さい子も一緒に行くの、っていう目で見ている。


 ちびっこだけど、私、賢者なんですよ。

 回復魔法も攻撃魔法も任せてください!


「そんじゃ、ちょっくら行ってサクッと倒して帰って来るぜ」


 カールさんとメアリさんは、片手をあげるフランクさんとアルにーさまたちを見て、「これだけ保護者がいれば大丈夫だね。あそこは初心者用のダンジョンだし」なんて会話をしている。


 ……くぅぅぅ。フランクさんとアルにーさまたちが私の保護者をやってくれてるのは、否定できない。


「メアリと言ったか。新種のスライムを発見した暁には、捕獲して見せてやろう」

「まあ、ありがとうございます。楽しみです」


 両手を叩いて喜ぶメアリさんは、昔、スライムの日にスライムに餌をあげて増やしたことがあるくらい、スライムが大好きなんだって。


 夏至にあたるスライムの日に、スライム農家によって育てられたスライムに食べ物をあげると、どんどん増えていっちゃうんだよね。

 当然のことながらメアリさんの家のスライムも増えすぎてしまって、親に捨ててきなさいって言われて、泣く泣く村の外に捨てたんだとか。


 それは確かに、カリンさんと気が合いそう……。


 それでも後から捨てたスライムの様子が気になって探しに行ったら、野良スライムになった元ペットのスライムに攻撃されそうになっちゃって、そこをカールさんに助けられたのが、カールさんを好きになったきっかけなんだって。


「お帰りになるまで馬はきちんとお預かりしておりますので、ご安心ください」

「おう。任せたぜ」


 大きいダンジョンなら、ダンジョンを攻略する冒険者目当てで、宿屋とか武器・防具・道具を扱うお店なんかがあったりするんだけど、『試練の洞窟』は二層しかない初心者向けのダンジョンだから、そういう便利な施設は何もない。


 もちろん馬の預り屋もないから、私たちは馬を宿屋に預けて、『試練の洞窟』までは歩いて行くことになった。


 ダンジョンの外に馬を置きっぱなしにしていると、誰かに盗まれる可能性があるし、魔獣に襲われないとも限らないもんね。


 それに歩いて一時間くらいだって言うから、楽勝、楽勝。

 途中で疲れちゃってどうしても歩けなくなったら、フランクさんが運んでくれるって言ってくれたし。


 でもノアールとプルンと遊びながら歩いたら、一時間なんてあっという間だった。




「ここが『試練の洞窟』ですかぁ」


 グラハム村のほうから歩いて行くと、ちょうど丘の向こう側に『試練の洞窟』があった。丘の斜面にそって入口が開いていて、普通に旅している人には気がつかない場所にある。


 あぁ、あるある。こういう見つけにくいダンジョン。


 MAPを見ながら探すんだけど、全然辿りつかないの。しかも丘の斜面に入口があるから、気がつかなくて通り過ぎちゃったりするんだよね。


 私もゲームの中で、よく迷ったなぁ。


「むむ……。水の匂いがする」


 鼻をひくひくさせていたカリンさんが、洞窟の入り口を見ながらそう言った。

 そういえば、カールさんが『試練の洞窟』には地底湖があるって言ってたっけ。


 うわぁ。カリンさん、よく分かったなぁ。


「水の魔素が強いダンジョンなのかしらね。私とは相性が悪いわ」

「アマンダの魔法剣は火の属性だからね」

「アルゴは水だから威力は上がるだろうけど……。水属性の魔物だったら、あまりダメージを与えられないかもしれないわ」

「雷属性の魔法ならかなりの効果があるだろうけど……」


 二人で話していたアマンダさんとアルにーさまが、くるっと振り返って私を見た。


「ユーリちゃんは魔法を使っちゃダメよ」

「ユーリは魔法を使わないでね」


 ええっ。どうして二人同時に同じことを言うんですか。


「でも私、雷属性の魔法も使えますよ?」

「もちろん知ってるよ」


 アルにーさまが私の頭を撫でながら優しく微笑む。


「それに魔法の訓練もしたから、魔法でドッカーンなんてしませんよ?」

「うん。ユーリが凄くがんばってたのは、僕たちもよく知っている。でもね――」


 んんん?

 水系の魔物には雷属性の魔法が効くから、魔物が出てきても私が倒せばいいんじゃないのかな?


「地底湖があるってことは、洞窟全体に水があると思っていいよ。そこで、もしユーリがちょっとでも魔法をそらしてしまってサンダー・アローあたりが壁にぶつかったら、どうなると思う?」


 水は雷を通すから、壁全体にサンダー・アローが効いちゃう……のかな。


 そう言うと、アルにーさまはもう一度頭を撫でてくれた。


「その通り。壁全体を攻撃するのと一緒だからね。下手をすると洞窟全体が壊れかねない。そうすると洞窟の中にいる僕たちも危険だろう?」


 た、確かに。

 そして魔法を絶対にそらさない自信は……。


 ううう。残念ながらありません。しくしく。


「あ、そしたら土属性のロック・フォールを使えば――」

「生き埋めになりそうだな」


 すかさずフランクさんが答える。


 そっか。洞窟の中でロック・フォールを使うと、洞窟の中が岩でいっぱいになっちゃうかも。


 うわーん。そしたら何の魔法を使えばいいのー!



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