第42話 鑑定眼
ユーリのステータスは書籍版に対応しておりますので、光スキルはなくなっております。
よろしくお願いいたします。
現在の私のステータスはこんな感じになっている。
ユーリ・クジョウ。八歳。賢者LV.26
HP 306
MP 375
所持スキル 魔法 100
回復 100
錬金 100
従魔 62
称号
魔法を極めし者
回復を極めし者
異世界よりのはぐれ人
幸運を招く少女
豹王の友
うん。名前とレベルはセーフ。HPとかは……これも、多分、セーフじゃないかな。
所持スキルはどうだろう? 魔法とか回復としか書いてないから、ぎりぎりセーフかもしれない。
でも『称号』は、絶対にマズイと思う。
魔法と回復を極めちゃってるし、なんと言っても、『異世界よりのはぐれ人』っていうのが、思いっきりアウトなんじゃないかな!?
うわぁぁぁ。
もしクルムさんが鑑定でこのステータスを見てたら、どうしよう。
「鑑定眼って、どんなことが分かるんですか?」
エリュシアオンラインでは、鑑定眼なんていうスキルはなかった……はず。上級職の『忍者』だったら持っていたかもしれないけど、賢者以外の職には興味がなかったから、よく知らないんだよね。
そもそも、ゲームだからわざわざ鑑定なんてしなくても、マウスでクリックすれば相手の名前とか物の名前が表示されたし。
「冒険者ギルドに置いてある鑑定のオーブほど詳細な情報は分からないようだけど、鑑定した相手の得意とする魔法くらいは分かるって聞いたかな。冒険者であれば、ダンジョンで発見された物が呪われているかどうかをすぐに鑑定できるから、鑑定眼を持っていると重宝されるね」
「鑑定眼っていうのは、生まれつき持っているスキルなんですか?」
「ほとんどが生まれつきだけど、稀に後天的に取得する者もいるね。その場合は、鑑定眼を持つ者の弟子だったりするようだけど」
つまり、どっちにしても、鑑定眼を持つ人はそんなに多くないってことなのかな。
やっぱりこの世界のスキルの取得は、ゲームみたいに特定の職についたらレベルが上がる事によって覚えるってわけじゃないんだね。
生まれつき、もしくは誰かに教えてもらうと覚えるって事かぁ。
「クルムは元々ダンジョンの研究者だったから、『黎明の探求者』に入る前のガザドとよくダンジョンに潜っていたそうなんだ。でもある時、ダンジョンのボスとの戦いで怪我をしてしまって……。神官もいたんだけど、ただの怪我ではなくて呪いも含まれていたらしく、ヒールが効かずに左目を失明してしまったんだ」
う~ん。っていうことは、神官のレベルが低くて解呪できなかったって事かなぁ。
エリュシアオンラインでも呪い持ちの敵がいて、解呪するのには神官のレベルを50以上に上げてると覚える『お祈り』をしないとダメだったんだよね。
あれって神官専用のスキルだから、賢者に転職した今の私には使えないなぁ。残念。フランクさんなら使えるのかな。
「そこで、失った左目の代わりになるような物を求めたクルムは、レーニエ伯爵の支援を受けてアーティファクトの研究を始めたの」
アルゴさんの説明にアマンダさんが付け加える。
なるほど~。そうなのか。
あ、でも、この世界のアーティファクトって、結局なに?
「アーティファクトっていうのは、古代の遺物ね。まだ人と他の種族が争っていた時に作られた物だと言われているわ。でもあまりにも強力なアーティファクトの武器によって、このエリュシアに住む者全てが滅びそうになってしまったの。だから、それに怒った神が全てのアーティファクトを壊したのよ」
「え……。でも残ってる物もあるんですよね?」
だってクルムさんが研究してるのは、そのアーティファクトなわけだし。
「ええ。ダンジョンの奥深くに眠っていたアーティファクトだけは、神の怒りの影響を受けなかったの」
「それをクルムさんが研究してるって事ですか?」
「ええ。それまではアーティファクトが発掘されても、神の怒りを買った遺物だってことで、神殿で封印されていたんだけど、アーティファクトは戦いの為だけに使われる物ではなく人々の生活を豊かにするためにも使われていたんじゃないかと考えて研究を始めたそうよ。あのモノクルは、そんなクルムの最初の成果になるわ」
「そもそも冒険者ギルドの鑑定のオーブが、元はアーティファクトだっていう噂だしね。あれは神殿が冒険者ギルドに貸し与えているわけだから」
アマンダさんとアルゴさんの説明に、ゲームに出てきたアーティファクトって、もしかして神様の怒りで破壊された装備の事なのかなぁと思った。
私……そんなの持っていて、大丈夫!?




