表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
第二章 ちびっこ賢者、がんばります!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/126

第41話 アーティファクト

「もういいかしら、アマンダ? そろそろ訓練を始めたいのだけど」


 怒っているのが丸わかりなアマンダさんを全然気にする様子もなく、セリーナさんが口を開いた。


 えっ。今のこの雰囲気で、そんな発言しちゃうの?

 えええ?


「にゃうっ」


 びっくりした私は、思わず抱っこしていたノアールをぎゅっと抱きしめてしまって、小さく抗議を受けた。

 ごめんね、ノアール。


「……セリーナ。相変わらず空気が読めないわね」


 ため息をついたアマンダさんは、聞き取れないくらいの小さな声で「よくそれで貴族をやっているものだわ」と呟いた。


 確かに、貴族ってなんだか本音と建前を使い分けるのが得意な気がする。

 目の前のぽんぽこ狸……じゃなくて、レーニエ伯爵なんて、狸なだけに、腹芸がすっごく得意そう。だってアマンダさんとセリーナさんのやり取りを、面白そうに眺めてるもん。


「レーニエ伯爵はお忙しい方よ。せっかくユーリに土魔法を教えてくださるというのだから、時間を有効に使うべきだわ」

「ほんっとに、理解してないわね」


 アマンダさんは額に手を当てると、私の前に出た。途端にレーニエ伯爵の姿が見えなくなる。

 これって……私を隠してくれてるのかな。


「とにかく、私たちは部屋に戻るわよ。ユーリちゃん、行くわよ」

「待ちなさい、アマンダ!」


 セリーナさんに背を向けたアマンダさんは、私の手を握って訓練場を後にした。


「アマンダさん、大丈夫なんですか?」


 心配になってそう聞くと、アマンダさんは私を安心させるように微笑んでくれる。


「ええ。後は団長がどうにかしてくれると思うし。……、って、あら、噂をすれば団長が来てくれたわね」


 訓練場から帰る途中の階段で、急いでやってきてくれたらしいレオンさんとアルゴさんに出会う。レオンさんは相変わらずの無表情だけど、アルゴさんは安心したかのように、ほっと息を吐いていた。


「アマンダもユーリちゃんも、何もされなかったかい?」


 アルゴさんに聞かれたアマンダさんは、眉を寄せたまま答える。


「レーニエ伯爵だけじゃなくて、クルムもいたわよ。……なんでここまで連れてきちゃうのよ!」

「それは……まずいな」

「まったくね。あのセリーナの周りの見えなさは問題よ。しかも自分が正しい事をしていると思いこんで、過ちを認めようとしないからタチが悪いわ」


 ん? アマンダさんとアルゴさんの会話によると、問題なのはレーニエ伯爵じゃなくて、一緒にいたクルムさんってこと?

 なんでだろ? クルムさんって、ただのお付きの人じゃないのかな。


「とりあえず私が行って釘を刺しておこう」


 レオンさんがそう言うと、アマンダさんは頭を下げた。


「お願いします。私も、セリーナが相手だと思って油断していました。申し訳ありません」

「いや。この場合はセリーナに非があるのだから、アマンダが謝る必要はない。……アルゴ、先にアマンダたちと一緒に執務室へ行ってくれ。後から私も行く」

「了解です、団長」


 えっと。何がどうなってるんだろう?

 誰か私に説明してくださーい!




 無言のまま執務室に到着した私たちは、とりあえずソファーの上に座った。膝の上にはノアールがいて、ノアールの頭の上には、カリンさんのスライム帽子を真似しているのか、プルンが乗っかっている。


「う~ん。クルムと言えば、あのクルムだよね」

「ええ。あのクルムよ」


 腕を組んだアルゴさんが、アマンダさんに確認をする。


 あのクルムって、どういう意味だろう。そんなに有名な人なんだろうか。

 首をかしげていると、アルゴさんが説明してくれた。


「ドワーフ族のクルムは、アーティファクトの研究者として有名なんだ」

「アーティファクト、ですか?」


 エリュシアオンラインにもアーティファクトって言葉が出てきたけど、同じものかな?

 ダンジョンのボスを倒すとドロップした『神が残した遺物』って呼ばれる装備の総称で、必ず名前に『アーティファクト』っていう名称がついてたんだよね。


 たとえば月の女神がドロップする防具が『アーティファクト・ルナリア』で、古代帝国の皇帝がドロップする武器が『アーティファクト・カイザー』っていう名前だった。


 中には『アーティファクト・ダストン』っていう、ミスを連発するハズレ武器もあったけど、大抵は伝説級の凄い武器とか防具についていた名前だ。


 私も『アーティファクト・ルナリア』の防具はセットで持っている。混乱と魅了防止の効果がついていて、結構いいんだよね。ただし今はレベル制限で使えなくなっちゃってるから、アイテムボックスの奥にしまわれてるけど。


「そうだね。あのモノクルもアーティファクトを研究して開発したという噂だ」


 モノクルって、つまりはメガネみたいなものだよね?

 じゃあクルムさんがメガネを発明したってことなのかな?


 私がそう聞くと、アルゴさんは首を横に振る。

 え? 違うの?


「あれは鑑定眼の代わりをする、いわゆる魔道具の一種だね」


 鑑定眼って……つまり、あのモノクルをかけてると鑑定できちゃうってことだよね?

 とすると、私のステータスとかも全部見えちゃってるってことかな。


 それって……かなりマズくない!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ