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ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
第一章 やっと念願の賢者になった!
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第18話 ヒール飛ばしの練習

 アルゴさんに紙をもう一枚もらって、皆と相談してこれから試してみる事を書き出してみた。



 ヒール飛ばしを教える事が可能かどうか。

 詠唱短縮を教える事が可能かどうか。

 パーティーを組める人数は6人までが限度なのか。

 パーティーを組んだ際にヒール・ウィンドを使えるかどうか。

 プロテクトとプロテクト・シールドは効果が重なるのかどうか。

 私の使う攻撃魔法の効果をもう少し抑えて、対象の魔物だけに使えるようにできるかどうか。



「ん~。これくらいですかね~?」

「思いついた事があれば、また書き足せばいいだろう」

「ですね」


 相変わらずレオンさんのお膝の上でこれを書いてます。いや、だって高さがちょうどいいんだもん。


「早く明日になんねぇかなぁ」


 フランクさんが悔しそうに言ってます。この人、思いっきり戦闘民族ですよね。本当になんで神官やってるんだろう?謎だ。


「それなんですけど、私のカバンの中にMPポーションがあるので、それ飲めば魔力全快すると思います」

「いやいや、ちょっと待って。MPポーションを使うんなら、うちの在庫を使うべきだろう。僕たちが負担しないとおかしい」


 アルゴさんはそう言ってくれたけど、でも4995個はあるしなぁ。錬金釜さえあればまた作れるし、大丈夫!

 まだ確認してないけど、多分ある。ある事を祈ろう、うん。


「でもいっぱい持ってるし……」

「でもねぇ……」


 渋るアルゴさんの肩を、フランクさんが豪快に叩いた。

 あ、痛そう。咳きこんでるし。


「そうだよな。うちにもMPポーションぐれぇあるな。それ使おうぜ!早速持ってくるから広場で待っててくれや」


 返事を聞く前に出て行ってしまいました。早いなぁ。


「では私たちも広場に行くか」


 レオンさんが私の体をひょいと持ち上げて、床に下ろした。

 はいっ。がんばります!





 その後、MPポーションを山のように抱えたフランクさんの到着を待って、初めて砦に来た時に見た広場で色々と実験してみました。


 その結果。


 ヒール飛ばしは、パーティーを組んだ状態で練習すると使えるようになるみたいでした。なんだろう、やっぱり自覚はなくてもパーティー組んでる状態っていうのが、無意識に効果を出してるのかな?


 最初は何度やってもダメだったんだけど、パーティー組んだ状態でやってみたら、なんとなく今までと違ってできそうな感じがしたみたいで。そのまま練習したら、なんと2時間くらいで習得してました。


 フランクさん凄いです!

 筋肉モリモリの胸を誇らしげに張ってました!


 でも、その、できそうな感じがどういうのかをアルゴさんが聞いたら、フランクさんは「できそうな感じはできそうな感じだろ?」と答えていました。

 正直、答えになってませんね……


 ただ詠唱短縮は無理みたいでした。

 魔法はイメージってことで、それを実践して昨日エリア魔法を発動させるのに成功したから伝えてみたんだけど、やっぱりフランクさんにうまく伝えられなかったみたいです。


 やっぱり現実でゲーム的な魔法の発動は無理なんでしょうか。


 でもゲームと同じようにパーティーを組める人数は6人までだったし、パーティーを組んだ時だけ、私はヒール・ウィンドを使えました。

 でもフランクさんは元々ヒール・ウィンドの魔法を知らなかったので、使う事はできないみたいだったけど。


 やっぱり、私が使う魔法と、この世界の魔法は違うって事なのかな?

 術名自体は同じなのになぁ。


 プロテクトとプロテクト・シールドの効果が重なるのかどうか、に関しては、恐ろしいことにレオンさんとアルゴさんが実際に対戦して確かめてました。


 回復役が二人もいるんだから大丈夫だろうとか言って、なんていうか嬉々として戦ってました。

 普段のアルゴさんは優しそうで、レオンさんも冷静沈着って感じで、熱くなりそうにない二人なのに、剣を取ると人が変わるんですね……


 っていうか怪我すると切り傷が見えて、なんていうか傷口がぱくっと開いて、そこから血が出て。

 さすがに魔法剣は使ってないから、純粋に剣技だけなんだけど、それでも二人の打ち合いは凄くて。


 怖くて怖くて逃げだしたくなったけど、でもがんばるって決めたから。

 だから二人にヒールをかけながら、二人が打ち合うのをがんばって見守って。


 怪我をしても、ヒールすればちゃんと傷が治るんだっていうのをちゃんと実感できてからは、なんとか気を落ち着かせる事ができました。


 うん。魔法凄い。


 あんなに血が流れてても、元の綺麗な肌に戻るんだもん。

 まあ……服は破けちゃってるけどね。


 そうして確認した結果、プロテクトとプロテクト・シールドは別々に作用するって事でした。どっちも効果時間は30分で、それぞれダメージの約10分の1を軽減するみたい。

 つまり、両方かければ、受けるダメージを10分の2、つまり5分の1減らせるって事よね?


 じゃあ魔の氾濫が起こったら、エリア・プロテクト・シールドとエリア・マジック・シールドをかけておけばいいって事かな……


 エリア魔法も効果は30分だろうから、30分おきにMPポーションがぶ飲みでいくしかないかぁ。MPポーション1個でMP30回復だから、30分おきに2本だね。

 あ、でもMPハイポーションならMP50回復でちょうどいいかも。あれもアイテムボックスに貯めこんでたはずだけど……


 そして一番の問題。


 私の使う攻撃魔法の効果をもう少し抑えて、対象の魔物だけに魔法を当てる事ができるようになるかどうか、は……


 ここで練習をすると砦に物理的被害を与えるかもしれない、ということで、他の場所で練習しましょうということになりました。


 確かに城壁を壊したら大変だもんね……


 あと一週間で、なんとか実戦に使えるようになるのかな?



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