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ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
第一章 やっと念願の賢者になった!
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第16話 握手でこんにちは

「よしっ。じゃあ嬢ちゃん、ちょっくら色々試しに行くか!」


 握手した手をそのままガシっとつかまれて、いきなりフランクさんに体を持ち上げられてしまいました。


 ぶら~ん、ぶら~ん。


 なんだろう。皆さんの視線が呆気に取られているのを感じます。

 確かに絵柄的に、片手でちびっこを持ち上げる筋肉さんの姿って、どうなんだろうって気がします。


「ちょっと待て、フランク。まだ話は終わってないだろう。それにユーリはまだ魔力切れから回復したばかりだぞ」


 レオンさんが私をフランクさんから引き離しました。

 レオンさんのお膝さん、ただいまです。


「話なんざ後でもいいだろ?魔の氾濫が近づいてるんだ。何ができて、何ができねぇのか早めに確かめる方が大切だろうが」

「だが何も分からないまま協力しろと言われても困るだろう。子供とはいえ、ユーリは賢い。説明をしてから協力を求めたほうがいいのではないか?ユーリはどうだ?」


 そう聞かれて、確かにそうかも、と思う。

 すぐに色々試したいフランクさんの気持ちも分かるけど、もーちょっと色々話を聞きたいし、ここで試せる事をやっておきたい。


「えと、フランクさんの方から私にパーティーの申し込みができるかとか試してみてもいいですか?あと、魔のハンランとかもよく分からないから説明して欲しいです」

「……仕方ねぇなぁ。そんじゃあれだ。早速俺からパーティーの申し込みってヤツをやろうじゃねぇか。パーティー組んでくれ、って言やぁいいのか?」

「あ、待ってください。その前に今組んでるのを解散しとかないと」


 これで解散できるかな。


「このパーティーは解散します!」


 宣言すると、パーティーウィンドウが消えた。

 ほっ。これでいいみたい。


「じゃあフランクさんお願いします」

「よしきた。嬢ちゃん、俺とパーティー組もうぜ」

「握手もしてください」

「おう。これでいいか?」


 ぶんぶんと思いっきり握手をされる。

 凄い勢いで痛いですうううう。もうちょっと手加減してくださいいいい。


「あ、パーティー組めた」


 しっかりパーティーウィンドウが出ました!成功です!


「おお」

「何か変わった感じはしますか?」

「いや、何もねぇな。お嬢ちゃんは何かあるのか?」

「えっと、パーティー組むと、パーティーウィンドウが開くんですけど、どう説明したらいいのかな……なんていうか、空中にパーティー組めましたよ、みたいな表示が出るっていうか、そんな感じ?」


 うううう。私の語彙能力の乏しさが悲しい……

 うまく説明できないよ~。


「つまり嬢ちゃんにしか分からねぇって事か。そうすると俺が他のやつとパーティー組んだとしても、それが成功してるかどうかは分からんって事だなぁ」

「ですね……あ、でも、ヒール・ウィンドがかかればパーティー組むのに成功してるって事になるから、分かるかも?だけどそれを確認する為だけにヒール・ウィンドのMP20を消費するのって無駄かなぁ?う~ん」


 悩んでいると、レオンさんが頭をぽんぽんとしてくれた。


「そう悩む必要はない。これから色々試せばいいし、差しあたってフランクが試したいのはヒール飛ばしだろうから、それができるようになってから他の事も考えよう」

「そう……ですね。分かりました!」


 うん。そうだよね。一度に全部教えるなんて無理だもん。

 ちょっとずつ、自分にできることをやっていけばいいよね。


「あ~、ヒール飛ばしもだけど、ヒールの詠唱短縮もやりてぇなぁ。どうやって魔法発動してんだろうなぁ」


 すみません。それも私にはうまく説明できません……。


「あ、フランクさん。試しにレオンさんたちもパーティーに誘えるか試してもらってもいいですか?」

「え?俺がやんのか?」

「はい。だって今はフランクさんがパーティーリーダーですもん」


 そう言うと、フランクさんは眉をしかめてそれはもう嫌そうな顔をした。

 あれ?何でそんな嫌そうなの?


「パーティー組んでくれって言って、握手すんのか……?団長とアルゴとアマンダに……?勘弁してくれよ、おい」


 フランクさんは小さな声でブツブツつぶやいてる。


「私だって気持ち悪くてごめんだわ」

「ユーリちゃんと握手ならともかく、フランクじゃなぁ……」


 アマンダさんが腕をさすりながら言うと、アルゴさんも同意した。

 ええっ。そんなに嫌がらなくてもいいのにー。


「まあ、あれだ。別にパーティーなんざ組まなくても、今までちゃんと回復できてんだから必要ねぇよな!ヒール飛ばしの練習だけすりゃぁ、いいよな!」

「そ、そうよねっ。絶対に守らないといけないって人だけ、ユーリちゃんにパーティー組んでもらって回復してもらうとかねっ」


 え……アマンダさんもそんなに嫌なの?

 大人ってよく分かんないなぁ……


 あれ?私も18歳なのに、何言ってるんだろう?

 自分で思った事なのに、少しだけ違和感を覚える。

 あれれ?




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