表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!【Web版】  作者: 彩戸ゆめ
目指せ、土の迷宮!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

120/126

第120話 大地の唸る音

 その後は出てくる魔物を倒しつつ、先へ先へと進んでいった。


 この層はトラップが多いのか、いきなり壁から矢が飛んできたり壁が迫ってきたりして、ヒヤッとする場面も多かった。


 でも大抵はルアンとノアールとヴィルナさんが察知して回避できたから、凄く助かっちゃった。


 それに今まではモフモフ要員でしかなかったルアンが、みんなの役に立ちたいと思ってがんばってるのが伝わってきたから、みんなでルアンのがんばりを見守った。


 一番心配そうなのはフランクさんだったけど。


 いつもは仕方なく面倒みてるって態度なのに、やっぱりルアンのことが大好きなんだね。


「もう大崩落の心配はなさそうだが……。ヴィルナ、さっきの音はまだ聞こえるか?」


 いくつめのトラップか分からない落とし穴を回避したフランクさんは、ヴィルナさんに確認をする。


「……聞こえる。むしろ、大きくなってきている」


 耳を動かして音のする方向を探すヴィルナさんは、その耳を下に向けた。


「この下から大地の唸る音が聞こえる」


 断言されて、フランクさんとアルにーさまは顔を見合わせた。


「どのみち厄介な敵が待ち構えてるのは分かり切ってることだしな。気にせずに行くか」

「そうだね」


 トラップを避けながら進むと、やがて下に下りる通路が現れた。


「結局、上に進む道は見つからなかったわね」


 アマンダさんが後ろを振り返りながらそう言うと、フランクさんは肩をすくめた。


「崩れた通路の先にあったのかもしれねぇな」


 それって必死に走らないと、道がなくなって上に戻れる通路に辿りつけないってことだよね。


 う……。私じゃ無理かも……。


 だってちびっこなんだもん。みんなみたいに早く走れないんだもん。

 ううう。


 でも、いいの。ラスボスを倒せば地上に帰れるんだから、ここはガンガン行くのが一番だよね!

 そうそう。終わりよければすべて良し、って言うし。




 次のフロアは迷路のようになっていた。

 迷いながらも先に進み、更に下の層へと向かう。


 十五段ほどの階段を下りると、そこには大きな空間が広がっていた。

 アースドラゴンと一緒に落ちた場所よりずっと広い。


 入口からは一本の道が通っていて、その両側は谷になっている。

 道の両端には等間隔でかがり火が燃えていて行く手を明るく照らしているけれど、谷底はその光が届かないほど深い。


「いかにも迷宮の主がいます、っていう雰囲気よね」


 アマンダさんが真っ暗な谷底をこわごわと見ながら呟く。


「気に入らねぇな」


 でもフランクさんは顔をしかめながら、かがり火をじっと見ていた。


「何が気に入らないの?」

「大崩落でできた層は、基本的に新しいダンジョンだ。ここが炎の迷宮ならともかく、土の迷宮だっていうのに、なんでかがり火なんてもんがあるんだ」

「確かに。……融合したかもしれんな」


 フランクさんの懸念をヴィルナさんが肯定する。


「融合?」


 聞き直すアマンダさんに、フランクさんが説明をする。

 やっぱり昔は凄腕の冒険者だっただけあって、詳しいなぁ。


「ここは未発見のダンジョンで、大崩落によって土の迷宮と融合したかもしれねぇってことさ」

「未発見のダンジョン?」

「もしかしたらこの先の魔物を恐れて、土の迷宮の主だったアースドラゴンが逃げ出してきたのかもしれねぇぞ」

「アースドラゴンが逃げ出すほどの魔物がいるっていうの……?」


 ゴクリと喉を鳴らせたアマンダさんは、次の瞬間には赤い唇をきゅっと上げた。


「でも私たちなら、どんな魔物でも倒せるわ。そうでしょう?」

「はっ。大した自信だな。……でも、間違っちゃあいねぇ」


 そう言ってフランクさんはニカッと笑った。


「ユーリの欲しがっている賢者の塔への鍵が見つかるといいね」


 アルにーさまは優しく私の頭を撫でた。

 思わず見上げると、水色の優しい瞳が柔らかく細められている。


「青龍さんは賢者の塔でまた会おうって言ってたし。もしここで鍵が見つからなくても、きっとどこかに行く方法があると思うから……」

「そうだね。きっと見つかるよ」

「みぎゃあ」


 ノアールが私の頬をペロリとなめる。


 うん。そうだね。

 諦めなければ、絶対賢者の塔へ行けるよね!


「……なんだ、この気配は」


 突然立ち止まったカリンさんが、いつの間にか神楽鈴を手にしている。


「魔素が濃くなっているな。だが……」


 そして神楽鈴をシャリンシャリンと鳴らして首を傾げた。


「カリンさん、どうしたんですか?」

「……いや、気のせいだろう」


 カリンさんは首を傾げたまま、神楽鈴を下ろした。

 私はカリンさんが見ていたラスボスのいるであろう扉を見つめる。


 そこは黒いモヤに包まれていた。


 あそこに、賢者の塔への鍵を持つラスボスがいるかもしれないんだよね。

 絶対に負けられない!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ