びっくり大冒険
「おい、おい。大丈夫かい、お嬢ちゃん」
なにか硬いもので、私のお腹あたりがつつかれている。
うっすらと復活した意識で、それは感じられた。
私がうめきながら起き上ると、そこは広大な畑の一角であった。
麦わら帽子が、太陽の光をいい具合に避けてくれる。
「目え覚めたかい」
つついていたのは、見知らぬおじさんだ。
「あの…ここは……?」
「しゃべれるんかい。いやはや、空から落ちてくるなんて、死んだと思ったんだがねえ」
手を貸してくれて、私は立ち上がることができた。
だが、まだ頭がふらふらしている。
それに、服も気持ち悪い。
「お嬢ちゃん、服がぬれていたからどうしたんかと思ったんだよ。とりあえず、警察へ連絡入れておいた方がいいかい?迷子かい?」
おじさんが一方的に話を続ける。
私は首を左右に振った。警察なんて呼ばれたら、何をされるか分からない。
それに、ここがどこかもまだ分からない。
「あの……」
「ん、ああ。ここはアメリカのアイダホだよ。アイダホ州。お嬢ちゃんが飛び降りてきたところは、ジャガイモ畑でな。まあ、今は休耕地だから、損害とかは特になかったがな。ああ、それと、あれってお嬢ちゃんのものかな」
おじさんが指さした先には、私が載っていた船が、地面に垂直に突き刺さっていた。
「あ、はい。私のです……」
よかったと思う反面、どうやって帰ろうかと考えていた。
「急な大雨だったからなぁ。今なら簡単に取り出せれるかもな」
おじさんが言ってくれたので、私は、船に近寄った。
二言三言呪文を唱えると、船は自然に浮き上がってくれる。
だが、それから先は、すとんと地面に落ちてしまう。
力が無くなっているわけではない。
だとすれば、私は生きていないだろうから。
とすれば考えられるのは、力が使えないように封印されているということだ。
あの門が原因だと考えられるが、今の私にはどうしようもなかった。