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序章 自殺

新連載小説スタート!


久しぶりのオリジナル小説を、頑張って、しっかりと完結まで繋げたいと思います!!

『凜ちゃん!!』


「うん、任せて!!」


ここはとある学校の屋上。

なぜ屋上にいるのか、というと。


「動くなぁっ!飛び降りてやるぞぉ!!」


屋上にある柵を飛び越え、いわゆる、自殺をしようとしている現場にいるのだ……。


「なんで飛び降りようとするの?」


「うるせぇ!お前に俺の気持ちがわかるかよ!?親にも教師にも見放されて!彼女も失って!もう俺はどうでもいいんだ!ここから落ちて死んでやるんだ!」


「………くっ」


恐らく、相当人生に絶望し、生きる意味を見いだせていないんだ……。

彼には、自信を与えなければ……そうしないと……手遅れに……。


「ねぇ……。死ぬ…って、どういうことか、わかってる?」


「うるせぇ!もう何言ったって無駄だ!死ぬって決めたんだよ!俺は!!」


「……彼女にふられた…?私なんて、まだ、人生のなかで、一度も彼氏なんて出来たことないわよ……。あなたのことを……慕ってくれる女性が、あなたにはいたのね……。本当に…あなたはいい人なのよ……。なのに…死ぬ…なんて。言わないで……」


泣きそうな、いや、泣いて、そう言った……。


「い、いや……。泣くなよ!?泣くなって!困る!困るぞ、泣かれても!」


「だから…さ。もう一度、生きよう?死んだら何もかもなくなるわ。生きれば、未来がある。未来は、あなたの思うようにいかないわ。

どんな嫌なことや、悪いことがあるかわからない。でも、それは、どんな良いことや、嬉しいことが起こるかわからないってことよ……。絶望があるなら、希望だって、絶対にあるのよ!だから、死なないで」


彼女は、説得に出た……。

彼は困惑している。

たぶん、ここまで説得に来たのに、驚いたのだろう。


「………俺は、駄目なんだ………。勉強だっていっぱいした。無理してこの学校に進学した!だけど、無理なんだ!いくらやっても、テストの点数は上がらない。教師に怒られ、親に怒られ、他にもいろいろ小言を怒られ……たくさんなんだ!!」


「でも……死んでも…死ぬより……」


「死ぬなって言われたって、生きる勇気がない。そんなやつが、生きることなんて、出来やしないんだっ!!」


そういって、彼は、


「じゃあな……。ここまで、止めてくれて、うれしかったぜ……」




柵を持っていた、両手を手放した………。




「ぐっ………!!」


彼女は、大慌てで走り寄る。


「おりゃあっ!」


彼女はどこから取り出したのか、ヨーヨーのようなものを投げつけ、彼の足にくくりつける。


「うぉ!?」


「死んじゃ……駄目だよ!!」



男性一人の体を、女性の腕力が持ち上げることは難しい。


ヨーヨーから出た一本の鋼のようなロープが、彼の体を支える。


それ以外の部分は一切支えられていないので、彼は今、空中で足を支点に宙吊り状態だ。


彼の足とロープ、彼女の腕には、彼の全体重がかかっている。


腕力が足りない。


重たいのだ……。



『凜ちゃん!!下に下ろせ!少しずつでいいから、ゆっくりと地面に下ろせ!!』



彼の体は、一階と二階の間で止まっている。


つまり、二メートルもない高さで宙吊りなのだ。


ここは四階建ての校舎なので、結構ぎりぎりだったのだ。



「手を頭につけて!」



「え!?な、なんで!!?」



「いいからつけて!」



彼は彼女の気迫に圧倒され、手を頭につけた。


これならば、頭を守ることが可能だ。


もしも、少し高い位置で落ちたとしても、手がクッションになって、少しでも頭の衝撃が抑えられるはずだからだ。



「ゆっくり………ゆっくり………」



彼の体を、ゆっくりと、地面へ近づけていった。


持ち上げるのとは違い、万有引力の力に従えばいいのだから、大分簡単だ。



「よし…ついた!」



彼の体が、地面に到達したのだった……。






「なんで…俺を助けたんだっ……」



彼は、苦しそうに、泣きそうな声で、彼女に言った……。



「君。親にも教師にも、怒られたって言ってたわよね……。親に見放された、先生にも見放されたって、思ってるんでしょ?

親は自分の子供であるあなたを、立派な大人にさてあげたいって思うのは、たぶん、当たり前、普通。だいたいの親ならそう思う。

教師だって、あなたの未来を、切り開く職業だから、いい会社や、いい大学にいけるようにするために、そうやっていうの、これだって、普通の、問題のない先生なら、当たり前に考えると思うわ。

でも、私は、あなたにとって、………ただのクラスメイト………同級生で、ただ……席が隣だっただけ………。だけどね。私は、あなたに、死んでほしくなかった!私は、あなたが……死んじゃったら……悲しいから……。絶対に、悲しいから……」



「……………ありがとう。そうやって、自分以外の人に心配してもらったこと。かなり昔のことだけど、思い出した。

……………生きることは、難しい。何よりも、怖い。だけど……死ぬって言うことは……そこから、目を背けることだもんね」



「あなたは、親もいる。友達だっているよね?

心配してくれる人。いないわけ、ないじゃない」



彼女の顔は見れないが、一番おだやかな声だった……。






「任務完了………。本日、自殺を行おうとした男子生徒一名を保護。説得し、理解してもらったうえで、今後はカウンセリングに当たる、と」



「ありがと、浩くん」



「ったく……。女の子一人のパワーで、男の子を支えられるわけないだろ…」



「いや………でも、あれ、どうしたらよかったのよ…?」



「それは自分で考えてよ『子ども警察』の先輩なんだから」



そう、俺たちは、子どもの安全を守る、


子ども警察


なんだ…!


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