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始まり
「う、いって~な!」
頭に殴られた痛みがあった。
俺は見憶えがない草原に倒れていた。
「シューシュー」風が俺にあたる。
あの風は何処から来ているのだろう?
俺は、なぜこんな所いるのだろう?
俺は、俺は、俺は、だ、誰、なんだ!
何も思いだせない、
ただ見憶えがあるのが、草原の遠くに薄らと見える。
「桜の木」だった。
だがもう、それ以上は何も思いだせない。
「うっ!」
頭がズキズキする。
どんどん痛くなってくる。
目の前が白くなって見えなくなっていく…