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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第1章:愛は知りまへんけど、対価はキッチリいただきます。 ~追放令嬢の損得勘定~
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ブラック? ちゃうわ、これは「やりがい」やで?

 カン、カン、と乾いた音が荒野に響く。かつては凄腕すごうでの刺客として恐れられた男たちが、今は泥にまみれ、必死の形相でクワを振るっていた。


「……はぁ、はぁ。……なぁ、かしら。俺たち、なんで王家の暗殺任務から、土木作業員にジョブチェンジしてるんだ?」


「うるせぇ、動け。あの女……いや、エリザベス様の視線を感じるだろ。サボったら、あの騎士に『脚を担保にされる』ぞ」


 刺客たちの視線の先では、エリが優雅に(といっても、ひっくり返した木箱に座って)パラソルを広げ、帳簿を片手に彼らを凝視していた。


「……あ、三番のあんちゃん。今、手が止まったな? 一分停滞ごとに、夕食のパン一かじり分、減給やで」


「ひっ、すみません!」


 エリの声が響くたび、男たちの作業効率が跳ね上がる。それを見ていたカシムが、感極まったように目元を拭った。


「おお……なんという光景だ。エリザベス様は、死罪に値する彼らに『働く喜び』を与え、自尊心を取り戻させようとなさっている……。労働こそが魂の救済だと、身をもって教えておられるのだ!」


「カシム、あんた、えらいポジティブやな。ウチは単に、このガチガチの地盤をタダで耕させて、不動産価値を上げたいだけや。……あ、ちょっと待て。四番のあんちゃん、そこ。なんか変な音したな?」


 エリが指差した先。刺客のクワが、岩とは違う「鈍い音」を立てていた。男が恐る恐る土を掘り起こすと、そこから現れたのは、どす黒く光る液体の染み出した岩塊だった。


「……なんだこれ。油か? くせぇな……」


 男たちは顔をしかめたが、エリは木箱から立ち上がった。その瞳は、もはや「一等地の分譲地」を通り越して、「石油王の城」を見ている。


「……これ、燃料資源の原石やんけ! しかもこの浸透具合、下に巨大な鉱脈眠っとるで……!」


 システム『天下の台所』が、脳内で狂ったようにファンファーレを鳴らす。


【 資源発見:燃焼石の脈 】

【 評価:王国のエネルギー利権、丸呑み可能 】


「あんちゃんら! ようやった! ボーナスや!」


「ボ、ボーナス……!?」


 刺客たちが顔を輝かせる。エリはにっこりと、最高に商売人らしい「あめ」を提示した。


「今日のノルマ達成したら、水、コップ一杯分『おかわり無料』にしたる! ……さあ、そこをもっと深く掘るんや! 掘れば掘るほど、あんたらは救世主(の奴隷)になれるんやで!」


「おおお! 水のおかわり! エリザベス様万歳!」


「やっぱり、あの方は俺たちを見捨てていなかったんだ!」


 過酷な労働環境。しかし、極限状態での「水一杯」という報酬あめと、エリの圧倒的なカリスマ(恐怖)が混ざり合い、刺客たちの脳内に『やりがい』という名の毒が回っていく。


 それを見つめるカシムは、確信していた。


「……素晴らしい。慈悲深きエリザベス様に率いられ、彼らは今、真の聖騎士へと生まれ変わろうとしている……!」


(……よし。燃料確保、労働力は洗脳完了。……そろそろ王家に『請求書(第一弾)』送ってもええ頃やな)


 不毛の地と呼ばれた荒野が、エリのソロバンの音と共に、ゆっくりと「黄金の都」へと変質し始めていた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


 もし「もっと刺客をこき使え!」あるいは「カシム、目を覚ませ!」と思われましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】で応援をよろしくお願いします。その一票が、荒野を黄金に変える力になります!

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