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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第2章:【悲報】借金まみれの王国が倒産しました。~新経営者はナニワの追放令嬢~
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「あんたらの国、ウチの私有地やで?」 バカンス三昧のクズ親父と旧国王、帰国した瞬間に「全財産没収&強制労働」の地獄へ叩き落とす

 優雅な外遊用魔導船が港へ帰還した。タラップを降りてくるのは、日焼けして上機嫌な旧国王と、エリザベスの実父・バートン公爵ら重臣一行。


「ガッハッハ! エリザベスの失態を挽回ばんかいするために辺境へ追いやり、アルベルトに留守を任せて正解だったな! 南国リゾートは最高だったぞ」


「左様ですな。あのアホな娘も、地の果てで野垂れ死んでいるでしょう。おかげで我々は国王様と有意義な時間を過ごせました」


 だが、港に降り立った瞬間、彼らは凍りついた。見上げるような巨大な港湾施設のすべてに、帝国の紋章を背景とした『ナニワ商会・帝国本店』の巨大なロゴマークが掲げられていたのだ。


「……何だ、あれは。帝国に占領されたのか? だが、なぜあの『地の果て』に追いやったはずのエリザベスのドヤ顔が、よりによって帝国の紋章を見下ろす位置に掲げられているのだ……!」


 バートン公爵は、あまりの光景にタラップの途中で足をもつれさせた。港を埋め尽くしているのは、かつての自分たちを敬う臣民ではない。『エリザベス印の栄養ドリンク』を片手に、せっせと資材を運ぶ帝国の作業員たちと、その横で「無職の負債者」となった旧支配者層を待ち構える、取り立て屋の群れであった。


 その時、空を裂く咆哮ほうこうと共に、黒銀の魔竜 (ギルさん)が舞い降りた。その背から、高級な絹のドレスをまとい、高貴な美しさを放つエリザベスが、かつての「主」たちの前に降り立つ。


「……あら。元陛下に、お父様。……バカンス、楽しめました?」


「エ、エリザベス!? なぜお前が……魔竜を従えている!? 追放先の辺境はどうした!」


 バートン公爵が震える声で叫ぶが、エリザベスは扇子で口元を隠し、憐れむ目を向けた。


「辺境? ああ、あそこは先週、『ショッピングモール』に改装しましたわ。……それより元陛下、帝国はウチの子会社。この国は、そのまた下の“孫会社”扱いです。……つまり、ここはもうあんたの国やあらへん。ウチの持ち物、私有地ですわ」


「な……帝国が子会社だと……!? 我が国が私有地だと!? 戯言を抜かすなっ!」


 激昂げきこうする旧国王の傍らで、絶望に言葉を失う重臣たち。そんな一行に、カシムが分厚い書類を突きつける。


「これらは、皆様が不在の間に積み上がった旧王国の全債務、および贅沢ぜいたくに使われた外遊費の請求書です。……あ、言い忘れましたが、皆様の個人口座や隠し資産、屋敷の動産に至るまで、全て差し押さえ(没収)済みです。 本日をもって、皆様は救いようのない『一文無しの不良債権』です」


 エリザベスがソロバンを一回、鋭く弾いた。


「お父様、元陛下。……ウチを地の果てに捨てたつもりが、自分たちの国ごと奪われてもうたんやね。……さて、身分も家も失った皆さんに、新しいお仕事の提案です。……まずはあの魔竜の糞掃除 (スカベンジャー)から始めてもらおか? もちろん日給は、返済金として全額差し引かせてもらいますけど。オホホホ!」

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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