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【転生令嬢】愛より金や! 〜断罪の宴に響くソロバンの音。「慰謝料」キッチリ計算してええですか?〜  作者: ちいもふ
第2章:【悲報】借金まみれの王国が倒産しました。~新経営者はナニワの追放令嬢~
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【悲報】元王子、魔竜に吊られてドナドナされる。~研修生(最底辺)からの再出発~

 さて、破綻はたんした王国の「不採算部門」の処理に取り掛かるとしよう。地下牢で震えていたアルベルトとマリアが、衛兵によって広間に引きずり出されてきた。


「エリザベス! 私は一国の王子だぞ! こんな扱いは――」


「王子? あぁ、昨日の契約書でその肩書き、ウチが『負債デッドストック』として買い取ったんや。今のあんたは、ただの『多額の債務を抱えた無職』やで」


 ウチは、カシムが用意した「ナニワ商会・研修生(最底辺)」と書かれた安っぽいタスキを二人に投げつけた。


「アルベルト。あんたは『現場』を知らなあかん。辺境の開拓地で、インフラ工事の土運びや。……あ、移動は魔竜の足にくくり付けたカゴやから。空の旅を楽しみながらドナドナされてきなはれ」


「ひっ、魔竜!? 待て、せめて馬車を――」


 アルベルトは叫びながら、カシムの手によって魔竜の足元へ引きずられていった。空高く吊り上げられるカゴの中から聞こえる悲鳴。まさにドナドナそのものや。


「……さて、マリア。あんたは『聖女』として、顔だけはええ。せやから、広場で実演販売セールスや」


 ウチは彼女の前に、ナニワ領特産の「燃焼石」を積み上げた。


「『聖女様が使ってる石』言うたら、市民も安心するやろ? 霜焼けで震える市民に、その聖女スマイル(原価〇円)で石を売りさばいてきなはれ。……ノルマ達成できんかったら、今日の晩御飯はパンの耳だけやで」


「わ、たくしが……道端でものを売るなんて……!」


 プライドをズタズタにされたマリアが、涙目で広場へと追い出されていく。それを見送ったカシムが、またもうっとりと呟いた。


「……なんと素晴らしい。かつての罪人をただ処刑するのではなく、『労働の喜び』と『社会への貢献』を教え、更生させようとされるとは……! その教育者としての慈愛、もはや聖母を超えております!」


(……いや、ただの『人的資源の有効活用』やねんけどな。使えるもんは、しぼり取れるだけ搾り取らな商売人として失格やろ)


 王都の空に、アルベルトの悲鳴を乗せた魔竜が飛んでいく。


 エリザベス流・国家再建。それはカシムの感動をよそに、ただの「スクラップビルド(資産の再構築)」として淡々と進められた。


 使えんガラクタを壊し、利益を生むパーツへと作り変える。ウチの帳簿に「情」という名の赤字が載ることは、この先も一生あらへん。多分やけどな。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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