第2話
僕の住むレビューブ皇国は、世界一大きな国でスキルを持っていれば、国民として働ける。つまり、国民として認められる為には、スキルを所持していないといけない。
その為、働けるようになる5歳ごろにスキル鑑定を受ける。だけど、スキルを持っている者は一割ほどで、更に固有スキルはその中の一割もいない。
だから僕は凄く恵まれているのだろう。
スキルを持っていなかった者は、国からスキルを買う事が出来る。分割で支払う事が可能だ。なので、5歳でスキル鑑定をしてもらって、15歳で大人と認められる10年間で分割払いをするのが一般的。
国民になると子供だろうが納税の義務があり、労働者は一律で、経営者は売り上げの一割を納税する。
両親は農業をしていたけど雇われていたので、月に魔四銅貨1枚だった。子供は、魔三銅貨1枚を収める。
お金は、錬金術で作られているらしく凄く軽い。この国の通貨は、『ハカリ』。
このお金は、魔道具の鑑定箱で数える事が出来た。そこから『ハカリ』になったらしい。
僕がそれを見たのは、冒険者になってからだけど。
魔三銅貨1枚で1ハカリ。魔四銅貨1枚で10ハカリ。魔十銅貨1枚で100ハカリ。なので魔三10枚で魔四1枚分だ。
魔三は三角形で、魔四は四角形。なのに魔十は円なんだよね。
見た目で分かりやすいのはいいけど。
銅貨の次は銀貨になるんだけど、銀貨も冒険者になって初めて目にした。
農民は、家なんか持ってないから借りているんだけど、一室でなくて一人いくらなんだよね。子供はタダ。
だから僕は、家賃が掛からなかった。
僕は、スキルを持っていたのでスキルを取得せずに働けたので、スキルを買う必要がなくそのまま働いていたが、やはり農業系のスキルがないと効率が悪い。
なので、15歳になる直前に農業スキルを取得するように両親に言われて、一番近い町のジャトに行く事になった。
14歳なら一人でも馬車に乗って、街へ行けるだろうという考えで、すぐに農業系スキルを取りに行かなかったようだ。
国民である証のチョーカーがあれば、国が運営している馬車に乗る事が出来る。子供は大人の半額で乗る事が出来た。
親からもらったお金を持って農業ギルド協会へ行くと、驚く事に持ってきたお金では、取得できなかったのだ。
実は、1つ目分のスキル取得の料金が半額で、両親はそれを知らなかった。
僕は、1個目のスキル取得だけど、1個もっているので2つ目になり正規の料金となる。
そこに誤算が生まれてしまったのだ。
しかも、スキル取得の分割は1つ目の時だけで、2つ目ではできない。
いや正確にはできる。だけど10年分割などなかった。最大で10回だ。
1年が10か月だから1年で支払い終わる計算となる。
僕が持たされたお金は、前金込みの500ハカリ分の魔四銅貨50枚。約一か月分の給金と同じ額だ。
農業系スキルは、25,000ハカリで10回払いにしても1回2,500ハカリにもなる。
それを毎月支払う。可能なのだろうか。貯えがいくらあるか知らないから、迂闊に買う事ができない。
もし滞れば、魔法陣を消される。
スキルは、手の甲に魔法陣を描く事により取得できる。なので、お金さえあれば2つ目も取得可能だ。
帰りの馬車の料金はある。戻ったとして、もし買うだけの貯えがなければ、そのまま農業の仕事をする事になるだろう。
だけど僕の給金は月にして30ハカリぼど。給金は日給で毎日手渡される。そう毎日、魔三銅貨1枚なんだよね。
子供だからではなく、能力が低いから。
僕のスキルは何の役にも立っていなかった。農業系スキルより劣るものだ。
スキルに頼らなくても出来る仕事ってなんだろう。
ここなら何かありそうだけど。
探してみようかな。
そう思って町をぶらぶら歩いていると、数人の男達に囲まれた。
周りを見渡せば彼らしかいない。いつの間にか人気が少ない場所を歩いていたみたいだ。
彼らは僕を無理やり布袋に押し込めた。とくだん手足を縛られたりしていないけど、声を上げたら殺すと脅されて大人しくするしかなかった。
そして、馬車に乗せられた。どこか遠くに連れて行く気だろうか。
何が起きているの? どうして僕が誘拐なんてされてるの?
この時僕は知らなかったんだ。シルバーは高く売れるから、誘拐される事があるって――。




