その日の名は⑧
また、例えば、戦国時代の田楽狭間の今川義元の陣中にタイムトリップし、織田信長の奇襲の情報を教え、それにより信長が討死したら、今現在の日本史から突如として、所謂桶狭間の戦い以降の織田信長の名は消えるのか?
そういったタイムパラドックスの問題が起きる可能性がある以上、タイムマシンは現実的に可能ではない。これがタイムワープに否定的な学者の論理である。
この因果律違反から生じる古典的パラドックスに関して、SF小説家は次のような解決方法を提示して、自分の小説を書いている。即ち、因果律破壊を取り締まるタイムパトロール。平行宇宙が存在し、過去で起こした事象が、元の世界での因果関係を破壊せしめるようなものでも、元の世界はそのままであり、変えられた過去から始まる別の歴史が平行的に存在し続ける。これなどは、鳥山明原作の『ドラゴンボール』でもお馴染みの、SFではオーソドックスなパラドックス解決方法である。
また、『ザ・タイムトンネル』の著者マレイ=ラインスターの手法は、タイムワープして過去を変える事も、云うなればアカシックレコード(全宇宙の過去から未来全てを記録しているというもの)に記録されており、過去が変えられたとしても、それは運命だったとしてパラドックスを解消しようとし、J=S=ドーキャンプなどは、歴史の網は全体に強固だが、局所的に弱い部分がある為、そこから世紀間のすべりが生じるとしている。
やはりこの問題は一筋縄ではいかない。過去や未来に自由に移動出来るというのは、過去・現在・未来の三世が同時性を持って存在しているという事なのか? また、超心理学者コリン=ウィルソンの言葉を借りれば、全ての人間が無限個の自分に細分化された宇宙なるものの存在が許されるのか? やはり、これは難問と云わざるをえない。
しかし、そうしたタイムパラドックス問題の哲学的な妥当的な解消方法の確立を待たずして、リークされた情報を信ずればという条件付きだが、米軍はタイムワープの技術を百年前に得ていると云う。その鍵となるのが、ハッチソン効果と云われる現象である。
ハッチソン効果とは、カナダの物理学者ジョン=ハッチソンが、一九七九年二基のテスラコイルとヴァン・デ・グラフ発電機などで強電界を発生させる実験中に偶然発見した現象で、物体浮揚、破壊、テレポーテション等のを引き起こすというものだ。
その現象を引き起こすものがフリーエネルギーと云われ、0点エネルギーとも云われる。
だが、この分野の研究において云えば、ハッチソンより八十年も前に同様の実験を行なったニコラ・テスラの名を挙げねばなるまい。おわかりだと思うが、テスラコイルはこのテスラが考案者である。あの、発明王とされるエジソンをも屈服させた事があり、交流モーター、交流発電機、高周波コイル、遠隔無線操縦、高周波治療システム、X線装置を発明。無線通信やラジオも本当は彼の発明だとも云われ、果ては殺人光線、粒子ビーム兵器、地震兵器、無限エネルギーの理論も完成させたと云い、その偉業からか金星人の子供などという風評もある、クロアチアの生んだ孤高の天才科学者ニコラ・テスラ……。生涯独身だったテスラの死後、彼の論文は行方不明だと云う。
テスラの生前より、初代FBI長官、J・エドガー・フーバーの命で、FBI捜査官がテスラの論文を保管してある倉庫に立ち入り論文をマイクロフィルムに収めたと、倉庫管理人が証言している事から、FBIがそれを盗んだと主張する者もいたが、事実は判明していない。
しかし陸軍弾道研究所がテスラの論文を借りた事もあり、軍がテスラの研究に必要以上の関心を持っていた事は明かだろう。
そして、多くの謎を残してテスラの考案した秘密兵器は闇に消える……。
テラレベル周波数は、地球を二つに割る程のエネルギーを持つ。
縦に周回する衛星と自転と一緒に周回する静止衛星。
もし地球の自転と一緒に静止衛星として周回するのではなく、地球が自転しても一定の空間で停止している衛星があったとして、その衛星の時間軸は未来に置いていかれる事で過去にベクトルを取る衛星となってしまうだろう。
地球の自転と同じ運動速度と月の運動。
月は月の表側だけ地球に見せる。