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~プロローグ~ 錬金術師に憧れて

「師匠、今日も錬金術を教えてください!」

 僕が師匠にいつものように教えを乞うと、これまたいつものように師匠が返す。

「またかい、人間は錬金術師になれないと毎回言っているのによく諦めないねぇ」

 師匠は呆れながらもいつものように棚から本を取り出して、昨日の続きの部分を教えてくれる。


 錬金術は物質に魔力を込めて行うものであり、この世界ではドラゴンのように魔力を持っていないと錬金術師にはなれない。

 そう言わながらも錬金術を諦めきれない僕は錬金術を師から教わっていた。


 僕の師匠、アリスゼロ=ローゼリーナはドラゴンだ。

 ドラゴンと言っても元々の大きさではなく、人間と生活をするために人間と同じような見た目になる魔法を使って生活している。

 ドラゴンは生まれながらにして膨大な魔力を持っており、本能的に魔法を行使できる。


 師匠がドラゴンなのに対し、僕、アルス=ローゼリーナは人間だ。

 人間は生まれながらにして魔力を持つことは少なく、持っていたとしても魔法を行使できるくらいの人は極少数だ。

 仮に魔法を使えたとしても錬金術に使うほどの大きな魔力は用意できず、錬金術は人間には出来ないと言われている。

 そう言われながらも、僕は錬金術を諦めきれず親代わりの師匠に毎日錬金術教えてもらうようにお願いしている。


 僕のファミリーネームがローゼリーナなのは師匠が僕の育ての親だからだ。

 僕は生まれたばかりの頃に師匠に引き取られたらしく、僕が12歳になる今まで育ててもらってきた。

 聞いてみたところ、僕の両親は師匠と交流があったらしく、両親の死後、僕を引き取ってくれたらしい。


「全く、こんなことならお前を引き取るんじゃなかったねぇ」

 口では悪く言いながら、師匠はにやけながらそう言った。

 師匠は元々錬金術の弟子として僕を育てるつもりはなかったが、錬金術を教えて欲しいと言ってくる僕のことを満更ではなさそうに扱ってくれる。


「昨日は135ページまで教えたかねぇ……、それなら今日は136ページからいこうかね」

 師匠はそう言って僕に錬金術の講義を始めた。

 師匠は本に書かれている難しい内容を基礎から説明してくれるため僕でも理解できるのだ。

 このように毎日教えてもらうことで錬金術の基礎的な内容は理解した(と、師匠は言ってくれた)が、実際に物に魔力を込めて錬金術を行えるレベルには至っていない。

 幸いにも僕には魔力があり、毎日の魔力向上の訓練を行っているので将来的には使える可能性はなくはないらしい。


 その可能性を信じ、日々の講義と訓練をこなしていた。

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