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142-使者来訪


 常夜の小さく透明な街の古物店で、黒い動物面を被った(ばく)は一人でチェスを打っていた。相手がいないと張合いが無いが、灰色海月(クラゲ)は願い事の手紙を拾いに行っているため不在だ。

(遅いなぁ……)

 いつもなら差出人を連れてすぐに戻るのに、今日は随分と遅い。こういったことは初めてではないが、余りに遅い。差出人が見つからないのか、投函された手紙が多いのか。手紙が多ければ差出人に接触する前に、どの願い事を叶えるか獏に尋ねに戻って来るはずだ。手紙の数だけ差出人を回収するなんてことはしない。

(何かあったのかな……まさか傘を壊されたとか……)

 黒葉菫(クロバスミレ)が遭遇した事件が脳裏に浮かび、獏は落ち着き無く駒を抓む。変転人に襲われなくとも、彼女は人間から危害を加えられたことも過去に幾らかある。再教育を施されて戦い方も学びはしたが心配だ。

 だが幾ら心配をしても、獏は自力で転送ができない。以前はできたが、烙印で完全に封じられてしまった。何処へも行けず、連絡手段も無い獏にはどうすることもできなかった。

 落ち着かない気持ちで駒を弄っていると、静かな店内にドアを叩く音が聞こえた。獏はびくりと手を離してしまい、駒が盤を打って転がった。

(何……?)

 灰色海月ならノックをせずに入るはずだ。獣もノックなどしない。顔見知りの変転人もだ。それならまた窮奇(きゅうき)が悪戯を仕掛けに来たのか、もしくは知らない変転人だろう。

 もう一度ノックの音が響き、獏は警戒しつつ怪訝な顔でドアを開けた。

 あれこれと考えたが、そこに立っていたのはよく知る灰色海月だった。彼女はもう一度叩こうとした手を下げる。

「……クラゲさん?」

「どうしましょう……」

「え?」

 一度は警戒を解いたが、彼女の背後には人影があった。鍔の広い帽子とゆったりとした外套を羽織り、長い橙の髪を一本の三つ編みにした女が澄ました顔で笑みを浮かべて立っていた。その傍らに、目元に黒子(ほくろ)のある黒い少年がいる。二人は片耳にカフスを付けていた。

 二人は人間ではない。獏は目を丸くして再び警戒し、灰色海月の腕を引いて耳元に囁いた。

「あれってもしかして、件のアルペンローゼ!? 一緒にいる人は獣だよね……何でここに来てるの!?」

「手紙が……」

 灰色海月も困惑しながら回収した手紙を差し出す。獏は急いで開封した。宵街(よいまち)へ行きたい、とだけ書かれていた。

 こそこそと話す二人を大人しく観察していた女は、穏やかに口を開く。

「御機嫌よう。ここは宵街へ行くための窓口だと聞いたんだけど、合ってる?」

「窓口……?」

 いつからここは窓口になったのだ。変な噂でも流れているのだろうか。ここは窓口ではなく罪人の牢だ。

「違うの?」

「……まあいいや。手紙を出されたら、その願い事を叶えるのが今の僕の仕事だし。――花街(はなまち)の人だよね? 要件は?」

 わざわざこんな所まで足を運んだのだ、只の観光ではないだろう。黒葉菫を襲ったアルペンローゼが自ら出向いてくれたのだ、逃がすわけにはいかない。

 女は顔に安堵を浮かべ、問いに答える。

「宵街から調査を依頼されたんだけど、君は把握してる? 私達も調査に来たの。被害に遭った変転人の話を聞くために。あまり外に出ないから少し寄り道して観光……んっ、んん! 遅れてしまったけど、まずは宵街の王――狴犴(へいかん)……だったかしら? 会わせてくれる?」

 どうやら観光をしながら遣って来たようだが、(わざ)とらしい咳払いで誤魔化すので獏は言及しないでおいた。

「ああ……うん。話は聞いてるよ。確かに一方の言い分だけじゃ結論は出せないよね。ちょっと待ってて」

 獏は灰色海月の耳元へ、携帯端末で連絡するよう指示する。こういう時のための端末だ。宵街の中へ入れて良いのか、先に狴犴に確認すれば安心だ。下手に動いて罪人如きがと恨まれたくない。

 灰色海月は頷き、店の中へ滑り込む。携帯端末を使用するのは初めてだ。緊張するが、ふと狴犴の番号を知らないことに気付く。思念を使えば接続することは可能なのだろうが、とにかく初めてなので、失敗しないよう確実な浅葱斑(アサギマダラ)へ接続することにした。番号交換をしておいて良かった。

 浅葱斑から狴犴に繋いでもらうため少々時間は掛かったが、客人が痺れを切らせる前に戻ることができた。獏の耳元へ、許可が出たことを囁く。

「待たせてごめんね。許可を貰ったから宵街へ送るよ」

「良かったわ。門前払いにならなくて」

 女は安堵し、ここには人間がいないと気付いて鍔の広い帽子を取った。額の金剛石(ダイヤモンド)のような瞳が露わになり、灰色海月は目を丸くする。角や尻尾が生えた獣は見たことがあるが、目を三つも持つ獣を見るのは初めてだ。灰色海月はこくりと唾を呑む。宝石のように輝いているが、瞬きをして動いている。

 獏は三つの瞳を見ても驚かず、微笑んで灰色海月に声を掛ける。三つの瞳を見るのは獏も初めてだが、渾沌(こんとん)の腕の方が驚いた。

「クラゲさん、転送してくれる?」

 彼女の意識をこちらへ向け、我に返った灰色海月は慌てて灰色の傘を開いた。この街から出る時は獏に首輪を嵌めなければならないが、今回は装着しなくて良いと狴犴に言われた。罪人に客人を案内させて機嫌を損ねさせないためだ。今回もフェルニゲシュが来訪した時のように、獏が罪人であることは隠して接する。

 灰色海月は灰色の傘をくるりと回し、四人は瞬く間に宵街へ転送された。

 赤い酸漿提灯が頭上に並ぶ薄暗い石段に降り立った花街の使者は、石壁に囲まれた狭い道を見渡し、細い路地の茂みと好き放題に伸びている蔦に目を遣る。花街とは随分と様相の異なる街だ。

「狴犴は上に居るから、石段を上がるよ」

「ええ。他の街なんて初めて見たから惚けてしまったわ」

「君達の街は花が咲いてて綺麗なんだってね」

「知ってるの? ……ああ、この前フェルが来た時かしら。粗相は無かった?」

「ふふ。友達とのんびりお話してただけだよ」

「もしかして、君が噂のフェルの友達? アサギ……だったかしら」

「違うよ。アサギさんは変転人だし」

「君は変転人じゃないの?」

「え?」

 思わず振り向いて彼女の顔を見るが、冗談ではなさそうだ。不思議そうな顔をしている。変転人に間違えられるなど初めてだ。獏は罪人であり、首に力を制限する烙印があるため、その所為で弱々しく感じたのかもしれない。

「僕は獣だよ」

「そうなの? ごめんなさいね。アルより弱い獣もいるのね……無名なのかしら?」

「…………」

 獏は笑みを貼り付けたまま固まってしまった。幾ら何でも変転人より弱い獣などいない。完全に見下されている。能力の性質の違いにより戦闘が苦手な獣は存在するが、その代わりに戦闘以外の能力が長けているため、変転人より弱い獣はいない。獏は元々悪夢を食べることしかできなかったが、悪夢に触れると言う特権は充分強力だ。

 言い返したい所だったが呑み込み、獏は前方に動物面を戻した。ここで感情に任せて問題を起こすわけにはいかない。狴犴に何を言われるかわからないし刑を重くされるのは御免だ。

 上層に差し掛かると一層暗くなり、灰色海月は常夜燈を取り出す。花街の使者達はあまりの暗さに辺りを見回した。

「夜……ではなさそうだけど、随分と暗いのね。花街もこのくらい暗かったら棲み易いわよね、アル」

「そうですね。僕はもう少し明るくても構いませんが」

 科刑所へ到着すると二人は口を閉じ、型板硝子の淡い光が落ちる廊下を歩く。外は暗いのに、何処からか光が射し込んでいる。

 狴犴の部屋までは誰とも擦れ違わず、灰色海月は緊張して強張りながら重い扉を叩く。

 一拍置いて中から「どうぞ」と返事が聞こえた。白花苧環(シロバナオダマキ)の声だ。

 彼が居ることには驚かないが、扉を開けるとそこには白花苧環だけでなく、浅葱斑と洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)、そして白鱗鶴茸(シロウロコツルタケ)が狴犴の傍らに立っていた。実際に花街を見たこの件の関係者だからだ。(ぬえ)の姿は見えないが、突然の来訪なので間に合わなかったのだろう。

「あの座ってるのが狴犴だよ」

「…………」

 椅子に座る狴犴はさすがに書類を見ていない。机は綺麗に片付いていた。電話の後に急いで片付けたようだ。

 女は数秒その場で部屋を観察し、アルペンローゼを従えて狴犴の前へ歩み寄る。この部屋には狴犴が印を仕掛けているため、彼女はそれに警戒した。

「初めまして。私はフェルニゲシュの下で実質的に権力を有する大公の一人、ヴイーヴルよ」

 にこやかに笑顔を作る彼女とは反対に、場の空気がざわりと一変した。まさか大公が出向いて来るとは思わなかった。花街は広大で城も巨大に見えていたが、人員は宵街と変わらないのかもしれない。宵街は人手が少ないため執行人の鵺が花街へ遠征したが、花街も似たようなものなのかもしれない。

 ヴイーヴルと名乗った女は外套の中から徐ろに書簡を取り出し、狴犴へ差し出す。

「これはフェルニゲシュからよ。まずは目を通してくださいな」

 王からの書簡まであるとは、いつまでも罪人が居ては邪魔だろう。話は気になるが、狴犴に文句を言われない内に去ろうと獏は灰色海月を促す。しかし静かに彼と目が合い、ここに居ろと無言で圧力を掛けられた。

(クラゲさんも被害者の一人だからかな……? クラゲさんだけ残して行くのも心配だし、話が聞けるなら聞いておくか……)

 狴犴は書簡に目を落とし、赤い封蝋を切る。中の手紙を広げ、微かに眉を顰めた。

 動きが停止してしまった狴犴を怪訝に思い、背後に控えていた浅葱斑はそろりと手紙を覗き見る。

「……あの……誰か、英語がわかる人……」

 余計なことだろうかと思いつつ、早くこの緊張感から解放されたかった浅葱斑は恐る恐る声を上げた。フェルニゲシュの書簡は英語で書かれていて、狴犴はそれが読めない。

 ヴイーヴルも、彼らには翻訳機が無いのだと察した。

「アル、読んでさしあげて」

「はい。承ります」

 アルペンローゼは手紙を受け取り、一度全てに目を通してから口を開く。

「――『此度の混乱について、我々も調査を行うことにした。双方から調査を行えば、真実に辿り着けるだろう。我々は宵街の意向を汲んだ。こちらの使者にも協力願う。――就いては、調査中に何らかの不都合が生じた場合にも、こちらには手を出さないよう願いたい』……以上です」

 顔を上げ、手紙を机に置いてアルペンローゼは下がる。アルペンローゼがフェルニゲシュに報告に行った時に彼は加筆すると言っていたが、おそらく最後の一文のことだろう。急いで書き足したことがよくわかる。

 狴犴はもう一度読めない手紙に目を落とし咀嚼する。釘を刺してくるとは面倒だ。何にも所属せず自由に生きている獣に釘を刺しても無駄だが、街を守る義務のある統治者なら一旦は慎重に呑むしかない。機嫌を損ねないよう、まずは様子を見る。

「一連の問題に関してはそちらの意見も窺うことにしよう。だが、傷害が目撃された場合、大人しく目を瞑ることはできない。こちらも相応の対処をし、拘束させてもらう」

「現行犯なら言い訳はできないものね。拘束してもらってもいいわ。但し、過度に痛め付けたり殺したりはしないで。こっちも話を聞きたいもの」

「ああ、無論だ」

「良かったわ、話がわかる人で。――そうそう、これはちょっとしたお詫びのような物よ」

 ほっと安堵し、ヴイーヴルはアルペンローゼから菓子箱を受け取ってにこやかに机上に置いた。控えていた変転人達も箱を見るが、読めない言語が書かれており、中身が何かはわからなかった。

「受け取っておこう。……して、何処を調査するか予定はあるか? 慣れない地だ、案内を付けよう」

「そうね。まずは、一番酷い被害を受けた変転人に話を聞いても?」

 案内と言うが、好き勝手に行動をさせないための見張りだ。それはヴイーヴルも理解している。謎の多い獣が歓迎されないのは当然だ。それにアルペンローゼも既に宵街の変転人に酒を盛って警戒されている。

「ああ、構わない。彼はまだ病院で治療を受けている。案内させよう」

「まあ、まだ傷が癒えてないのね。御見舞いも持って来た方が良かったかしら」

「気遣いは不要だ」

「そう?」

 ヴイーヴルは微笑むが、素っ気無い返事に宵街との壁を感じた。これまで被害を受けたのは全て宵街の変転人であり、花街の変転人はどれも加害者だ。それが真実なら花街側が悪である。だが裁くのは宵街だという空気を出されると不愉快だ。宵街の顔色を窺いながら、肩身を狭くするのは癪である。

 三つの瞳で薄く微笑み、ヴイーヴルは無言で外套を大きく翻す。

 杖は召喚していないが突然の不必要な動きに、狴犴と獏は警戒した。

 一度瞬きをする間に、翻った外套の中から蝙蝠のような翼が大きく広がり視界を埋める。ただ翼を広げただけではない。腹の奥から毛が逆立つように全身に怖気が這い回った。

「お詫びとは言ったけど、私達は頭を下げに来たわけじゃない。そちらが主導権を握ることは無いと、まずは教えてあげる」

 外套がはらりと床に落ち、ヴイーヴルは嘲るように妖艶に口の端を上げる。その瞬間、強張る四人の首が鈍い音を立てて床に落ちた。目線が急降下して夥しい赤を広げながら、ごろりと光を失った頭が転がる。それはほんの一瞬の出来事だった。

「あああああああ!?」

「っ――――!!」

「うわああああ!!」

「ああ――!!」

 首が落ちた四人――浅葱斑と洋種山牛蒡、白鱗鶴茸、そして灰色海月は血溜まりに膝を突き、自身の首を押さえて喉が裂けそうなほど声を上げた。一瞬の出来事に思考が停止し、彼らは落ちたはずの首を押さえていることに気付かない。

「良い子がいるわね。案内役はその白い子にするわ」

 自分の白い首に手を遣り、たった一人困惑していた白花苧環は、視線を向けられて端整な眉を寄せた。()()()()()()()()()()、突如首に不快な感覚が走った。それは微かに遺る自分が死んだらしい時の、あの冷たい感覚とは少し違っていた。

「体に覚えさせてあげようと思ったのに、私の殺気に膝を突かない子がいるなんて」

 ヴイーヴルは満足して牙を見せながらくつくつと笑い、うっとりと彼を褒めた。彼女が変転人に殺気を向けると膝を突いて暫くは使い物にならなくなるというのに、膝どころか体勢も殆ど変えず、声も上げない変転人がいることに驚嘆する。

 狴犴は死角に構えていた杖を上げようとするが、それに気付いた白花苧環に一瞥を向けられる。それでも狴犴は杖を握り、彼を庇うように立ち上がった。

「彼は――」

「わかりました。オレで良ければ」

 制止するように言葉を遮った白花苧環を、狴犴は死角で杖を握り締めて睨む。白花苧環はなるべく唇を動かさないように狴犴に囁いた。

「この有様で誰を案内役に付けるつもりですか。目的を忘れたんですか? 殺気一つで泣き噦る彼らに、更に熱湯を浴びせるようなことはできません。オレなら耐えられます」

 獣の殺気は普通の変転人では一溜りも無い。半獣である白花苧環だけが耐えることができた。少し足は竦んだが、それだけだ。自分の首が落ちて死んだと錯覚してしまった浅葱斑達が、生きていることに気付いて落ち着きを取り戻すのは時間が掛かるだろう。

 白花苧環は狴犴に頭を下げ、微笑むヴイーヴルを部屋の外へ誘う。アルペンローゼは淡々と彼女の外套を拾った。

「行きましょう。こちらへ」

 元凶である彼女をいつまでもこの部屋の中に立たせておくわけにはいかない。変転人達は完全に彼女の異質な恐怖を刷り込まれてしまった。まるで自分が小さな蟻にでもなったようだった。ただ首を落とすだけでなく、踏み潰されて靴底で執拗に地面に擦り付けられるような、陰湿で残忍な殺気だった。

 物理的な攻撃では無い殺気のみの威嚇は防ぐことができない。狴犴は力無く床へ視線を落とし、唇を噛んだ。杖を取り出して本当に首を落とすつもりなら印を発動できたのに。

 獣は殺気を隠しきれず漏らすことはあるが、変転人をここまで怯えさせる程の殺気は漏れたでは済まされない。各人に故意に、強烈な殺気を湧かせてぶつけた。最悪だ。威嚇どころではない殺気だった。再起不能になってもおかしくない。

「……獏。彼らを頼む」

 頭は下げないがぼそりと弱々しく罪人に頼み事をする狴犴に獏は目を丸くした。統治者が罪人に介抱を頼むとは。だが断る理由は無い。獏は放心して何も目に映さない灰色海月を支えながら頷いた。

 一人で宵街のために机に向かってきた狴犴は、他者を慰めたり支えたりといった繊細な行為は苦手だ。一番大切に傍に置いていた苧環すらこれまで満足に生かせられなかったのに、怯えた顔で呆然と涙を零す二人と嘔吐した者、放心して動けない者を相手にするのは難しい。

「隣の仮眠室を使って構わない。私はその間に連絡を取る」

「いいけど……代価はくれるの?」

「あの獣の持って来た土産を遣る」

「…………」

 ただ頭を下げて無償で叶える願いよりも、何らかの代価を差し出し契約とする方がこの場は気持ちが楽だろうと獏は要求してみたが、なんて安い代価なのだろう。そんな代価でも無いよりは良い。統治者と罪人なんて、対等に協力すべきではない。

 机上の菓子箱を一瞥し、獏は放心する灰色海月を抱き上げる。血の一滴も流れていないこの部屋が、彼女にはどのような地獄に映っているだろう。

 狴犴の指差す方を見ると、棚の陰に確かにドアがあった。ドアを開けるとそこそこ広く、ベッドが丁度四脚ある。狴犴一人で四脚使うことはないだろう。客室なのか、贔屓(ひき)が統治していた頃に使用していたのだろう。

 四人をベッドに寝かせ、獏は菓子箱から小袋を一つだけ抜いて机に残した。後は箱ごと仮眠室に運ぶ。もし使者に味を聞かれた場合、答えられなければ失礼だ。先にこちらに危害を加えた相手に失礼など無いだろうが。箱の中身は貝殻の形が印象的なマドレーヌだった。手作りなら捨ててやる所だが、店で購入した物のようだ。怪しい所も無い。

 狴犴は連絡を取ると言っていたが、獣を呼ぶのだろう。ヴイーヴルは危険だ。案内を引き受けた白花苧環も彼女の近くに居させられない。

「よしよし、皆、もう大丈夫だからね。ちゃんと見えてるし、喋ることも食べることもできる。美味しそうな御菓子もあるよ。……御菓子はまだ無理かな? 君はバケツがいる? また吐いたら……」

 不安を煽らないよう穏やかな声で話しながら獏は四人に順にマドレーヌを見せて回り、白鱗鶴茸には弱々しく蹴られた。

「僕は何もしないよ……」

 悪を嫌う白所属の彼は罪人に面倒を見られたくないのだろう。しかも吐いてしまった。こんな屈辱はないだろう。喋る余裕はまだ無いが、足は出せるようだ。白花苧環の先例があるので、獏は理解を示した。

 灰色海月は余りの恐怖に思考が停止したまま、布団を握り締めて微動だにしない。両手を切り落とされた時はこうはならなかった。両手が落ちても死んだとは思わないが、首が落ちれば死んだと誰もが思う。

(こういう時こそ寝かせて良い夢を見させてあげたいけど、せめて呼吸が整わないと安眠氷砂糖は食べられない……ここじゃ僕は力を使えないし……)

 この中ではおそらく一番幼いであろう灰色海月の許へ戻ってもう一度マドレーヌを見せてみるが、やはり見向きもしない。その代わりに彼女は探るように手を伸ばし、獏の服を弱々しく掴んだ。変転人となった直後のように、彼女は獏を抱き締めて無言で顔を埋めた。その手は震えていた。まだ一歳の彼女には、あの殺気の恐怖は余りに残酷だった。

 ヴイーヴルの独断だったのかこれが花街の方針なのか、どちらにせよ堪ったものではない。フェルニゲシュは浅葱斑の友人だからと安心していたが、とんだ喰わせ者だ。『調査中に何らかの不都合が浮上した場合にも、手を出さないよう願いたい』など、これを見越した言葉にしか思えなかった。



 毅然とした白花苧環に導かれ、翼を小さく戻したヴイーヴルと後に従うアルペンローゼは暗い石段を下っていた。

「これから病院へ行きますが、先程のような殺気は絶対に出さないでください。治療中の人に悪影響です。もしまた殺気を放った場合、こちらも相応の対処をします」

「怒ったの? 仲間が倒れたから」

「聞いてますか?」

「聞いてるわ。病院では静かに、よね。あの殺気を浴びてこんなに話せるなんて、宵街にも優秀な変転人がいるのね」

「…………」

 無駄話はせず、必要な注意だけをして白花苧環は無言で石段を下りた。宵街『にも』と言うことは、花街には彼女の殺気に耐えられる変転人がいるようだ。アルペンローゼは先程同じ部屋に居ながらも眉一つ動かさず立っていたが、ヴイーヴルの殺気の範囲外だったのだろうか。もし同じように殺気の中に居たのなら、涼しい無表情をしている彼は只者ではない。

 中腹の病院の前に到着した白花苧環は振り返り、最後の釘を刺しておく。

「アルペンローゼ……ですよね。今度彼を襲ったら、二発じゃ済みませんよ」

「……何の話ですか」

 鵺達が花街へ行った時の報告書は白花苧環も目を通した。狴犴に自衛のために見ておくように言われた。そこにアルペンローゼのことも書かれていた。黒葉菫を襲ったことを覚えておらず、彼が撃った二発の銃創は無かったと。尤も脚を確認したのはフェルニゲシュなので、半信半疑だ。浅葱斑の報告書にだけ、フェルニゲシュが確認したとは書かれていなかったが、彼はフェルニゲシュが嘘を吐いていないと信じているようだ。

「記憶操作をされてるわけではないですよね?」

「それを僕に訊いてどうするんですか」

 質問しながら白花苧環は注意深く二人を観察する。二人に動揺は見られない。

 白花苧環は口を閉じて病院へ入り、二人も続いた。完全に疑われているらしいとアルペンローゼンは不快な気持ちになった。

 受付の姫女苑(ヒメジョオン)に声を掛け、奥からすぐに白い帽子と白衣を纏ったラクタヴィージャが顔を出す。科刑所から先に連絡を受けていたラクタヴィージャは使者の顔を見、病室へ通した。

 石段を下りる時は白花苧環一人で張り詰めていたが、獣であるラクタヴィージャの所へ無事に辿り着けて少し安心する。

「病院内では騒がない、走らない、襲わない。いいわね?」

「わかってるわ。話を聞くだけだもの」

「先に彼にも声を掛けてあるから驚かせることはないけど、怪我人だってことは忘れないでね」

 病室のドアを静かに開けると、白い部屋のベッドで黒葉菫が強張った顔で座っていた。病院の白いガウンではなく自分の黒い服を着ているが、負傷している腕は厚く包帯が巻かれているため袖は通していない。

「彼が黒葉菫よ。私も医者として体調を観察しておくから、自由に話していいわよ」

 黒葉菫は花街の使者を見上げ、アルペンローゼの顔を見て眉を顰める。その背後に見張りとして立つ白花苧環の姿が視界に入り、目が合った。白い彼は小さく頷く。

「間違いない……俺を襲ったのは、そこの変転人だ」

 口火を切ったのは黒葉菫だった。アルペンローゼは眉を寄せて不快感を露わにし、ヴイーヴルは彼を一瞥して口の端を上げた。

「幾つか質問するから答えて。必要なことだから」

「……わかりました」

 何処の獣だろうと変転人は従わなければならない。ヴイーヴルは黒葉菫の言葉には答えず、アルペンローゼを制して質問を口にした。

「まず襲われた場所。具体的な住所は答えなくていいわ。皆転送で移動するんだから住所なんてわからないだろうし。どういった景色かわかればいいわ。それと、襲われた時間。これも正確でなくていい。朝とか夜とか、その程度ね。後はそうね……天気も知りたいわ」

 天気は何か関係あるのだろうか。不可解だが答えるしかない。アルペンローゼに記憶が無くとも、黒葉菫は覚えている。

「場所は山の麓です。人気(ひとけ)はありませんでした。時間は……木の影の傾き具合から、昼前です。天気は晴れです」

「木は空が見えないくらい生えてた?」

「木は疎らで、空は充分見えてました」

「君はアルを犯人だと思ったみたいだけど、その時の彼の装備は?」

「細い剣を一本持ってました」

「剣だけ? 傘は?」

「いえ。逃走して姿が見えなくなった後に転送したんだと思います。俺の傘を切った後、仕返しを恐れて傘を出さなかったんだと思います」

「じゃあ犯人はアルじゃないわ」

「!?」

 今の質疑応答の中で何がわかったと言うのか、ヴイーヴルは確信したように言い切った。

「……理由を聞かせてもらってもいいですか?」

 ラクタヴィージャも黒葉菫が病院に来た時に話を聞いていたが、何故ヴイーヴルがアルペンローゼを容疑者から外したのか全くわからなかった。

 ヴイーヴルは可笑しそうに三つの目を細めて笑い、アルペンローゼの背を軽く叩いた。

「だってアルは天気の良い日は傘を差すんだもの」

「…………」

「彼は陽射しが好きじゃないの。だから晴れの日は必ず傘を差す。木陰なら閉じるかもしれないけど、空が見えるなら差さないなんて有り得ない。だから君の言う、傘を差してない人はアルじゃない」

 それをそのまま信じることができる者は宵街にはいないだろう。普段のアルペンローゼなど宵街の者が知るはずもなく、ヴイーヴルが適当なことを言っていても確かめる術が無い。

 だがもし仮に彼女の言うことが事実なら、黒葉菫を襲った変転人は誰なのだ。顔は確かに今目の前にいるアルペンローゼと瓜二つだった。背格好も髪型も同じだ。

「まさか双子……?」

「ふふっ。アルは双子じゃないわよ。仮に双子として、黒子の位置まで同じになるのかしら? 可能性があるなら、第三者の変装とかじゃない?」

 自分の記憶では確かにこのアルペンローゼに襲われたのに、そうではないと言い切られて黒葉菫は混乱した。変装だとして、ここまで似せられるものなのだろうか。アルペンローゼは黒葉菫を襲ったことを覚えていないが、黒葉菫もまた記憶が曖昧になっているのか。誰の記憶を信じれば良いのか、わからなくなってしまった。

「私からも質問していい?」

 ラクタヴィージャはベッドの脇に置いていた水差しからコップに薬水を注ぎ、黒葉菫に渡す。彼を一旦休ませ、ラクタヴィージャは二人に向き直った。

「ええ、いいわ。質問し合った方が双方の納得が得られるもの」

「アルペンローゼに質問よ。晴れの日は傘を差すそうだけど、差さなかったらどうなるの?」

 ヴイーヴルが口を開こうとしたが、ラクタヴィージャはそれを手で制した。答えてもらいたいのはアルペンローゼだ。

 アルペンローゼは刹那視線を落とす。それは微かだが、動揺だった。折角ヴイーヴルに庇ってもらったのに、無下にしてしまう。

「……特に何もありません。暑い陽射しが苦手なだけなので。強いて言えば焼ける……でしょうか」

「植物の頃の特性だとか苦手なものが人の姿を与えられた後にも特徴として残ることがあるから、その所為かもしれないわね。植物だと葉焼けだとか枯れることがあっても、人は枯れないから安心して」

 アルペンローゼは高山植物である。変転人となった今も涼しい環境を好んでいる。

 何だか励ますようにも聞こえる言葉だったが、アルペンローゼは眉を顰めた。

「それからお願いがあるんだけど、ちょっと触れてもいい?」

「貴方も僕にズボンを脱がせたいんですか」

「ズボン? ……違うわ。その黒子に触れてもいい?」

「変な要求をするんですね……脱ぐよりはいいですが」

 アルペンローゼはヴイーヴルを一瞥するが、彼女は止めない。好きにしろと言っているようだ。

 了承を得られたラクタヴィージャは驚かせないようにゆっくりと彼の目元に触れ、指先で撫でるように黒子をなぞった。アルペンローゼは目を潰されやしないかと顔を強張らせるが、悟られないよう不安を呑み込む。顔を触れられる機会などそう無いが、触られるのは嫌いだ、と彼は思った。

「本物だわ」

「偽物だと思ったんですか?」

「もし描いた物なら話が変わってくるかもしれないでしょ?」

「そうですか……?」

「次のお願いで最後にするわね」

 やっと解放されるようだ。疑われて確認が必要なことは理解するが、妙なことに巻き込まれてしまったとアルペンローゼは居心地が悪い。黒葉菫に話を聞きに来ただけなのに。

「採血させてほしいの」

「……は?」

「採血。少しだけ血を採らせてほしいの」

 言い直されたが、アルペンローゼは言葉の意味が理解できなかったわけではない。採血は調査ではなく検査だ。

「それは……」

「いいわよ。それで気が済むならすればいいわ。いつまでも疑われてたらアルも気分が悪いだろうし」

 断ろうと思ったアルペンローゼはヴイーヴルに遮られ、声を出すことができなかった。

「検査なら時間が掛かるだろうし、私は他の調査に行くわ。宵街じゃなくて、人間の住む場所にね。それなら案内はいらないわよね。いい? アル」

「……はい。了解しました、ヴイーヴル様」

 言い返す言葉が出ず、アルペンローゼは了承するしかなかった。彼女が一人で行くと言うなら、無理に同行するとは言えない。

 ヴイーヴルはアルペンローゼから外套を受け取って羽織り直し、鍔の広い帽子を被って優雅に踵を鳴らし病室を出て行く。黒葉菫以外はその後を追った。

 ヴイーヴルは多くを話さず、アルペンローゼに手を振ってさっさと離脱してしまった。白花苧環はそれを追おうとしたが、ラクタヴィージャに腕を掴まれた。追わなくて良いとラクタヴィージャは白花苧環の肩を軽く叩く。そして一人残され不安そうなアルペンローゼにも彼女は声を掛ける。

「一人で心細いかもしれないけど、病院での安全は私が保証するわ。健康診断だとでも思って」

「…………」

 ラクタヴィージャは彼を哀れに思いながらも優しく診察室へ案内した。安全を保証することに偽りは無いが、アルペンローゼはそれを素直に信じられないだろう。

 淡泊にヴイーヴルは彼を置いて行ったが、つまり人質として残したのだ。彼女が自由に動けるように。

 ヴイーヴルが本気を出せば甚大な被害が出るだろう。渾沌が宵街で暴れた時はその体は鈍っていて本調子ではなかったが、それでも相当な被害を出した。ヴイーヴルが暴れればそれ以上の被害を出すことになる。機嫌を損ねないように今は様子を見るしかない。

 不服ながらもアルペンローゼはラクタヴィージャに従って診察室へ向かった。ヴイーヴルは宵街圏で自由に動くために彼に同行を願った。最初から人質として利用するためだった。アルペンローゼもそれに気付いた。

 彼女は花街ではいつも怯えているが、そこから出れば忽ち怯えなど無くなる。彼女が怯えているのはフェルニゲシュに対してであり、怯える程でなくとも同格の大公達にも頭が上がらない。彼らの目が届かない遠方では怯える必要が無いため、宵街で見せる彼女の態度こそが本来の彼女だ。

 白花苧環は診察室のドアが閉まるのを見届け、黒葉菫の病室へ戻った。彼は部屋の壁際にある椅子を引いて腰を下ろす。

 黒葉菫も無事に戻って来た彼に安堵し、緊張を解いた。頭に響いていた心臓の音が漸く落ち着く。

「……大変だったな」

 目を伏せて呆然と白い床を見下ろす白花苧環に、黒葉菫は心配そうに声を掛ける。花街の使者を病院まで連れて来た彼は珍しく疲れ切った顔をしている。

「スミレも……お疲れ様です。怪我人の振りを……」

「語弊がある。完治してないのは本当だからな」

 彼の腕は必要以上に大袈裟に包帯を厚く巻き、負傷を目立たせていた。

 一番の目的は果たした。灰色海月から宵街に連絡が入ってから、狴犴の命令で短時間の内に奔走したのだ。鵺は使えない携帯端末を狻猊(さんげい)に預けて仕事をしているので呼び付けられなかったが、以前花街へ遠征した変転人三人は狴犴と共に使者の話を聞くために集められた。些細な気付きでもあれば発言してもらうためだ。

 病院のラクタヴィージャにも事情を話して協力してもらった。と言うより要望を出したのは彼女だ。黒葉菫は通院はしているが、もう退院している。彼にまだ入院している振りをしてもらい、それに相応しく包帯を巻いた。調査に訪れた使者が、唯一負傷した黒葉菫に話を聞こうと訪ねるのは必然だ。

 自然に話ができるよう、アルペンローゼには病院に来てほしかった。アルペンローゼは黒葉菫を襲った記憶が無い。ならば何らかの異常が体に起こっているはずだ。どうしてもアルペンローゼの検査をしたい。それがラクタヴィージャの要望だった。それは病院で医者が切り出すのが一番自然だ。断られる可能性もあったのでその場合の計画もあったが、それは必要なかった。

 目的を果たし、黒葉菫と白花苧環は脱力する。まだ少し体が強張っているが、徐々に弛緩する。

「スミレもあの場に居たら、泣き噦ったんでしょうね」

「……? 科刑所で何かあったのか?」

「……オレも一瞬、首を切られたと思いました」

 何も触れていないのに、喉に冷たく熱い感触が走ったことを体がまだ覚えている。白花苧環は微かに震える指で首に触れ、仄かに遺る消えない感触をなぞる。彼の前世の死因は首を切断されたことだ。首にその記憶がまだ微かに貼り付いている。刺激を与えられて記憶を引き摺り出された。だがヴイーヴルの殺気はその記憶とは少し違った。首が落ちる――そう思った時、我に返った。

「首……? 大丈夫なのか? 他の皆は?」

 黒葉菫は眉を寄せて身を乗り出す。白花苧環の首は繋がっており、傷一つ無く綺麗なものだった。首を切断されたあの死体の姿が脳裏を過ぎり、黒葉菫は目を伏せる。あんなもの、二度と見たくない。

「あのヴイーヴルという獣が殺気を放ち、それに恐怖を感じただけです。誰も怪我をしてません。……が、心の傷は暫く癒えないでしょうね。おそらく今は獏が介抱してるんじゃないでしょうか。突然の使者の来訪で獣を呼ぶ余裕が無くて、でも狴犴一人では安全を完全に保証できず、予防線にと獏に居てもらいました。罪人(つみびと)ですが、已むを得ず」

 科刑所には睚眦(がいさい)もいるが、彼女は丁度地下牢の見回りをしていた。罪人にこんな騒動を知られるわけにはいかない。地下牢の中でできる話ではなかった。

「攻撃じゃなく殺気なら防ぎようがないな」

 相当悲惨な現場だったのだろうと黒葉菫は彼の心中を察した。

「ふ……一度座ると立てないですね。狴犴に報告するのはもう少し休んでからにします。殺気如きでこんな体たらく……まだまだ未熟ですね」

 無意識に微かに笑みが漏れたのは、緊張から解放されたからだろう。半獣とは言え恐怖は等しく感じ、体はそれをまだ覚えている。

「充分だろ、マキは。立ってここまで来たんだから。……ベッド、貸そうか?」

「オレは怪我人じゃありません。怪我人のベッドなんて奪いませんよ。失礼ですね」

「ごめん……」

 拒否するのなら、彼は大丈夫だろう。尋ねたのは黒葉菫だが、ベッドを素直に借りると言われた方が心配になる。

 両足は無傷である黒葉菫は白花苧環を科刑所まで送りたかったが、使者が滞在している間はあまり彷徨くべきではない。二人が花街に戻るまでは入院患者の振りを続ける。


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