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第四場(厨房他)

登場人物

 おりん(28) 蘭が幼少時代のときの母

 お蘭 (8)   蘭の幼少時代

 欄

 宗冬



〇厨房

 蘭、包丁で白菜を切っている。

 ディゾルブで厨房2に移行。このとき蘭とおりんの姿が重なる。



〇厨房2

 おりん、包丁で白菜を切っている。その隣にお蘭。

 テロップ「11年前」


 お蘭「母上。どうして柳生の子はよその侍と違って、武術だけじゃなくて忍術も習うの?」

 おりん「それはねえ、柳生がよその侍よりえらいからよ」

 お蘭「じゃあ、柳生の男の子は武術と忍術だけでよくて、どうして柳生の女の子は武術と忍術と漬物の作り方を勉強しなきゃいけないの。三つもやらされるなんて不公平だわ」

 おりん「それはねえ、柳生の女が誰よりも一番えらいからよ」


 お蘭の顔がクローズアップして静止。


 ナレーター(蘭の声)「あのときは母上の言葉が理解できなかったが今ではわかる。母上は誰よりも一番えらい。誰よりも強く、誰よりもやさしい」


〇道場

 おりんとお蘭、着物にタスキをかけ、ハチマキをしている。

 道場の中央に巻き藁が二本立っている。

 おりん、千鳥鉄の分銅を振り回し、片方の巻き藁を切る。

 その様子をお蘭が見ている。


 おりん「さあ、お蘭もやってみなさい」


 お蘭、おりんから千鳥鉄を手渡されると、おりんをまねて千鳥鉄の分銅を振り回す。

 お蘭、もう片方の巻き藁に分銅を投げるが、巻き藁は切れず、分銅が刺さったままになる。


 お蘭「母上、切れない」

 おりん「それじゃだめよ。もっと勢いをつけてから投げるのよ」

 お蘭「この武器、嫌い」

 おりん「これはねえ、南蛮千鳥鉄っていうの。珍しい武器だけど、使いこなせばどんな武器よりも強いのよ」

 

 おりん、お蘭の手を取って、分銅の回し方を教える。

 お蘭の顔がクローズアップ。

 ディゾルブで厨房に移行。このときお蘭と蘭の顔が重なる。


〇厨房

 蘭の顔がクローズアップ。

 蘭、涙を流している。

 

 ナレーター(蘭の声)「母上が亡くなってから、もう三年になるかしら」


 蘭、包丁で切った白菜を皿に移すと、まな板の上に大根を置く。

 懐から南蛮千鳥鉄を取り出す。


 ナレーター(蘭の声)「千鳥鉄は母上の形見」

 

 千鳥型の分銅のついた鎖を振り回し、勢いをつける。

 大根に狙いを定め、鎖で八の字を描く。

 鉄筒の先の肩紐を強く引くと瞬時に鎖が鉄筒に吸い込まれ、分銅が鉄筒の先に当たり、「カチッ」と金属音がする。

 するとその金属音に合わせるように大根がいくつもの輪切りにばらける。


 (宗冬の声)「お見事」


 蘭、振り向くと宗冬が立っているのに気づく。


 宗冬「姉上も腕を上げたね。今の技、母上みたいだ」


 宗冬、皿に盛った白菜一切れをつまみ食いする。


 宗冬「こりゃあ、うまいわ」

 蘭「こらっ、夕飯のおかずよ。食べちゃだめでしょう」


(つづく)



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